湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

降の詩パート4

2018-02-28 02:03:31 | オリジナル
共通テーマ「降」でSが書いた詩を投稿します。

降りてくるもの
グループ名を問われ
一匹狼だとこたえる
いつでもこうなのだ
降りてくるものを
まっているというと
飛びかかられ
首をしめられる
いつだってそうだった
種明かしなんてしゃれた言葉は
わたくしにはない
だまってすこし笑うだけだ
ふりむくと
ひとりだけついてくる
降りてきたのだ それは
アタマだけのわたくしであった
逃がすまいとバッグの中に入れる
気に入らない
捨ててしまう
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3月湘南句会

2018-02-27 23:17:22 | 文学
水紋を重ね水鳥皆潜り

諸事情により本日の湘南句会は3月の日時と兼題を決めるだけになりました。3月の予定は次の通りです。
3月9日11:00~  兼題 城
3月23日11:00~ 兼題 春昼
市民交流センター1階市民活動スペースで行います。飛び入り・見学歓迎です。

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金澤詩人14号

2018-02-26 20:32:53 | 
近岡礼さんが発行されている「金澤詩人」最新刊の第14号が届きました。
Aの詩をP33~、Tの詩をP85~に掲載していただいています。ありがとうございます。
電子ブック版 http://bach2.sakura.ne.jp/kanasi14.pdf で読めます。

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高貝弘也&逗子ワカメ

2018-02-25 22:51:33 | 
野村喜和夫現代詩講座第3期第2回「ポスト戦後詩の展開」を受講してから帰宅すると、ご近所さんから届いたらしい採れたてワカメが玄関に。どなたか知りませんが、ありがたく回収して急いで茹でました。

一部はしゃぶしゃぶにしておいしく戴きました。ごちそうさまです。残りは冷凍&干します。
さて、今日の現代詩講座で野村講師が紹介してくれた中に、Aが初めて触れた高貝弘也さんの作品がありました。その中から1篇。

穂の間に、
穂の間に、子がいる。――死んだもの
は、くさいよ 水、遊び。薄い生の、
絵かき遊び。内側から外形になる。上
の方より光 透け、泡が胞を造る。鼻
を突き合わせている、双つの鳥頭。皺
が結ばれる。そこが、うむ。光る穂、
裂け 子ははぜて、そこで一つ生の溝
が裏返る。風が 薄いものを掬い上げ
吹き寄せる。穂の間に、聲響く。――
生あるものは、仮のみぞ


テーマはただひとつ、「いのち」ということ。それゆえ、繰り出される言葉はしばしば祈りに似ますが、同時にしかし、生まれるとはどういうことか、それを彼はまるで生物学者のように微細にまた精妙に迫っていきます。その過程において、言葉は古代の言霊のように働いてフラジャイルな生を生気づけ、またそのように息を吹き込まれた生が、今度は言葉にそのみずみずしい活力を返してゆくかのようです。
(野村喜和夫編・解説「現代詩の最前線」より)

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梅俳句

2018-02-24 14:35:12 | 文学
まだ寒いけれど、至る所に梅が咲いて春を知らせていますね。

いつ見ても梅寂光の中にあり  山本臥風
寒梅やよく日の当る谷の中  渋沢渋亭
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プレバト!!やっぱ特待生

2018-02-23 00:00:30 | 文学

昨日オンエアのプレバト!! お題「春風と女性」からイメージ飛ばしに飛ばした特待生2人の作品は、やはりさすがでしたね。
名人8段 現状維持 梅沢富美男 春の日は練り羊羹の甘さかな
味の比喩にとどまったところを更に映像にしてほしかったということで現状維持でしたが、練り羊羹に喩えたところは秀逸! 
夏井先生の添削 春の日は甘し練り羊羹の艶
名人2段→3段 ワンランク昇格 フルーツポンチ村上 元素記号ふたつ忘れて春の風
こちら「村上ポンチくん」の作品は「見本になる句」との評価で、直しなしでした。
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降の詩パート3

2018-02-22 12:41:15 | オリジナル
共通テーマ「降」でEが書いた詩を投稿します。

降りる

優雅な遊びがあった
王朝の貴族たち
平安の末から鎌倉にかけての頃
歌合せ
題に応じて歌人が優劣を競う

遊びだったか
まつりごとの実権を失ってみれば
遊びが即功業
昇進にじかにかかわる

降は
降雨 降雪 降級 降格
すべて上から下への動き
いずれでもいいのだが
私には
降りる

人生から降りる代りに
競い合いを回避しただけのつもりだったが
やはり生き抜くことから
降りていたのだ
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自由題「あらそい」

2018-02-21 00:19:57 | オリジナル
Eが自由題で書いた作品を投稿します。

あらそい
言いあらそう
そのあいだは相互に
わずかながら関心がある
もういい どうにもならん
断念する
土偶のように 孤立し
屹立する
土偶は口をあけたまゝ
千年の沈黙におちいる
二度と
地表にあらわれるべきではなかったのだ
そのため身体の一部が
き損されている
口はもううらみを吐瀉しない
だが目は
うつろな目は
無限のなげきを放射する
生れて
生きてきてしまったという
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走の詩パート5

2018-02-20 01:12:03 | オリジナル
共通テーマ「走」でTが書いた詩を投稿します。

逡巡

家々の窓は金色に映え
黄水晶の中の街は
どこまで行っても夜は来ない
私は風を巻きつけて走っている

どこにも噴き出し口のないマグマは
私の中で荒れ狂う
出口はないか と熱く動きまわる
私は走り続ける
夕暮れだけしかない街の空に
金星が瞬いている
呼応して私もこきざみにふるえる
 外へ出してはいけない
風はマグマの熱をうばっていく
鎮静するまで
あと少し走っていよう
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走の詩パート4

2018-02-19 16:58:28 | オリジナル
共通テーマ「走」でEが書いた詩を投稿します。

走る

ローカル線の小駅
老女が女性に手をとられて
乗車してくる

まあなんとあたたかい手
しきりに感に耐える
またお会いしましょうね
別離にせかされて
何度もくりかえす

次の駅で老人は降りるが
若い人は車内に残る
もともとの連れではなかったらしい

列車が走りだす
ホームの老婦人は車窓を注視したまゝ
立ちつくす
再び相会うことがなければ
小さな別れも
永久(とわ)の別れに劣らない

車内は
しばし静謐を保って
敬意を表した
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