湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

犬の詩パート4

2017-11-30 01:30:43 | オリジナル
26日の交流センターフェアに出した湘南文芸・湘南句会パネルを12月1日(金)20時まで、追加展示していただいているそうです。その後、12月4~25日(14日を除く)交流センター2F展示コーナーで追加展示があるそうです。

では、共通テーマ「犬」でSが書いた詩を投稿します。
      
犬に抱きつき
犬にしっかり抱いてもらった
脂ぎった顔の
富める者たちは
とうに姿を消していた
手袋を脱いで
わたしたちは
一晩中
抱きあっていた
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犬の詩パート3

2017-11-29 00:00:30 | オリジナル
共通テーマ「犬」でSが書いた詩を投稿します。

間違って

人のような犬がいるよと聞いて
私はうろたえた
  (人の話に割って入るというのだ)

あまりに長く生き過ぎたと私はつぶやいて
犬のような哀れさで立ち上がってみたが
すぐに地面にへたばってしまった
犬と面会し
犬に手を伸ばして犬語で
午後3時と言ってみたが
やはり犬は私の言葉をさえぎり
きみは正しいことを発言していて
それはそれでよいのだとえらそうに言った

よいもわるいも今は犬の気持を考えることで
手いっぱいだ
手かがみにはいやらしい人間の女の
顔がうつっている……だが
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離れるの詩パート3

2017-11-28 18:37:19 | オリジナル
共通テーマ「離れる」でAが書いた詩を投稿します。

記憶の欠片

わたしが生まれた
済生会神奈川県病院を
通り過ぎて行ったはずだが
誕生時の記憶がないように
トラックが通って行った道も
わたしの記憶にはない

トラックが揺れた拍子に
わたしの手から落ちた小さな人形
引越先で降ろされた荷物が
傍らを通り過ぎていったが
人形は見つからないまま
それが最も古い記憶

――川越時代のお前はずっと不機嫌だった
母よ それは
知らない場所に連れて行かれる途中で
大事な人形を失くしたからだ
あなたの眼差しがわたしを離れ
川越で生まれた赤ん坊に向いていたからだ
あなたの心配も慈しみも一身に受けていた
横浜時代の記憶が欠片もないからだ

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犬・離れるの詩

2017-11-27 13:23:39 | オリジナル
昨日の逗子のマルシェ。避難訓練付き音楽イベントもありました。

では、共通テーマ「犬」「離れる」でTが書いた詩を投稿します。

ライカ

狭いカプセルに乗せられ
地球を離れて行ったライカ
不安な顔の犬の写真を見たのは九歳の時

宇宙ステーションができ
人が宇宙に滞在し帰還する現在
すっかり忘れていた犬の顔が浮かんだ
打ち上げから数時間後に
高温の中で亡くなっていたライカ
日常生活を送っていた私達の頭上を
ライカの死体を乗せたスプートニク二号は
地球を回り続け 半年後に
大気圏に突入し 燃え尽きた

あの時
ライカは地球に戻れない と悟っていただろうか
燃え尽きたあとライカの粒子は地球に降り注いだろうか
静かに地上に舞い降りただろうか
六十年前のこと
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呑める書店@京都

2017-11-26 00:55:55 | 旅行
寺社巡りをして日が暮れたら本屋さんに飲みに行こう!というのをテーマの一つに据えて京都を旅しました。

↑遠藤さんがカウンターを仕切っているのは立ち飲み本屋ENDO(遠藤書店 京都市南区)。
店名は「立ち飲み」となってますが、座り飲みできましたよ。

↑もう1軒の立ち飲み本屋さんはレボリューションブックス(京都市下京区)。こちらは純粋に立ち飲み専門。
食に関するさまざまな本に囲まれて酒肴に舌鼓をうつユニークなお店でした。
どちらもリーズナブルなお値段で楽しめました。夜になると飲み屋さんにもなる本屋さんって、湘南にもあるのかな~。
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離れるの詩パート2

2017-11-25 00:19:51 | オリジナル
共通テーマ「離れる」でTが書いた詩を投稿します。

覚悟

朱の蛍光ペンで一直線に描かれる飛行機雲
切り裂かれた空が左右に離れる
間からのぞく巨大な顔
目も口も空洞で
その中を一片の雲が流れる

入院手続きを終了し
帰途に就く車窓から見る空に
いつも現われる奴だ
「どうだ まいったか」
奴は常にそう言って私をあざ笑う
萎えていた私ははじかれて奴をにらむ
気付くと 飛行機雲は消え
空は透明な夕焼けに染まっている

自身でコントロール不可能な精神の病
病院は定宿と化し
夫はりっぱなリピーターだ
数々のエピソードを笑い話に変えて
やり過ごしてきた二十五年

今回も又喜劇のシナリオを書き上げる

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逗子美チャリティ展

2017-11-24 07:44:07 | イベント
昨日は逗子で作られた短歌に触れましたが、今日は逗子で作られた俳句を一句ご紹介。
海と山どちらにも散策に行けるまちでの暮らしが伝わってくる初冬の句です。
ペン皿に木の実貝殻冬はじめ 小林鱒一

さて、逗子文化プラザギャラリーでは25日(土)17:00まで逗子美術協会チャリティー展示会を開催中。
油彩やEBアートの絵画から手芸品まで、バラエティ豊かな会員の作品が並んでいます。Tの面白猫イラストも展示中です。
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逗子を描いた短歌

2017-11-23 12:48:36 | 文学
12日に行なわれたサードエイジ連続講座第1時限のワークショップで、グループごとに逗子が出てくる作品を鑑賞してもらいました。

Aグループは、海の歌と山の歌を鑑賞しようということで短歌2首を選んで話し合いました。
桜山とふ名にふさはしき山並は街を包みてやさしき色なる 川野すみ子
桜山は山の名称であると同時に逗子市の字名のひとつになっています。桜山地区の範囲は、逗子南部の海側から桜山の裾まで続く内陸の平地を占めています。この歌では桜山という地名で逗子全体を讃えているのでは?という解釈がなされました。季節は春。「やさしき色」は山桜の花の色でしょう。
青き海青き江の島そのさきに富士の白雪見ゆるひろ山 尾崎行雄
憲政の神様と呼ばれた政治家で歌人でもあった尾崎行雄/尾崎咢堂の作。披露山に構えていた自宅「風雲閣」からの眺めを詠んだのでしょう。風雲閣は昭和12年に一度、火事で焼失しています。その際に彼が詠んだのは、次のような潔い歌でした。
焼け出され無一物の身となれば十年の垢を洗ひし心地
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俳句における比喩

2017-11-22 10:20:30 | 文学
岸本葉子著「エッセイ脳」を読みました。その中に次の俳句が出てきます。
白桃は仄聞のごと水に浮く 八田木枯
この句を例にエッセイではなく俳句について述べている箇所を引用します。
桃と仄聞を、結びつけてとらえたことのある人は、ほとんどいないでしょう。
俳句は、それをします。付けて考えないだろうもの。たいていの人が結びつけてとらえたことのないものどうしを、組み合わせてさし出して、読んだ人に、言い得て妙だとうなずかせる。


↑先月のNHK「俳句さく咲く!」に短期留学生として出演した岸本葉子さん。体操服姿のレアショットです。
さて、12月1日(金)16:00からの湘南句会の兼題は「箸」。箸という道具をどんな事柄、どんな季語と組み合わせてさし出しましょうか。
どんな場面を詠みましょうか。箸が洗い桶の中にあるところ、子供が箸を使っているところ、箸が転げて笑っている人?
メンバーの皆さん、頑張ってイメージをふくらませてみてね!
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宇治十帖の舞台

2017-11-21 09:07:11 | 旅行
先月、京都に行ってきました。駆け足旅のスタートは宇治。ここは「源氏物語」最後の十帖の舞台なんですね。
 宇治十帖モニュメント
宇治川・朝霧橋が背景にあり、物語の世界観が伝わってきます。
宇治橋のたもとには紫式部像と「夢浮橋之古蹟」碑が建っています。宇治十帖の最終章「夢浮橋」の舞台はここかぁ。

ちゃんと読んだことがないのでへえ~って感じでしたが(今回は、宇治神社・宇治上神社のウサギみくじと平等院鳳凰堂がお目当てだったもので…)せっかく訪れてもこんなことではもったいないですね。
逗子には源氏物語全巻を訳された中野幸一先生もいらっしゃるのですから、しっかり勉強してからじっくり再訪したいものです。
 そして宇治茶満載の街でした。
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