共通テーマ「靴」でAが書いた詩を投稿します。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/10/f4/6b8d0ebc6f44c9a5957cb0bbf3a0cbca.jpg)
天・地・霊長類
雲の獣は赤い血を従えて浮かび
やがて褪せ墨に溶け消える
一羽の鳥が風に逆らって向かうのは
ねぐらの木なのだろうか
眠そうに赤色灯を振る警官
リボンのかかった箱を面倒そうに運ぶ男
嬰児を抱いてゆっくりと歩く女
狭い路地を覆う電線
年齢も性別も立場も
有機物か無機物かも関係なく
共に眠りこけたいが
一日中働いて湿った靴を履き
われわれはべつべつの
煤けた棺をめざすのだ
サイズの合いすぎる
質素だが精密な靴から
微かな震えが煙のように昇ってくる
人類が負っている役割を
私も履かされているのだな
だれかを憎んだことを反芻したくないから
今日の食事は植物性
キューカンバ・サンドと葡萄酒
歩んでいても気付かないことを
夢の中で跣でeurekaと呼んでみたい
発見したなんて嘘なのだけれど
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/10/f4/6b8d0ebc6f44c9a5957cb0bbf3a0cbca.jpg)
天・地・霊長類
雲の獣は赤い血を従えて浮かび
やがて褪せ墨に溶け消える
一羽の鳥が風に逆らって向かうのは
ねぐらの木なのだろうか
眠そうに赤色灯を振る警官
リボンのかかった箱を面倒そうに運ぶ男
嬰児を抱いてゆっくりと歩く女
狭い路地を覆う電線
年齢も性別も立場も
有機物か無機物かも関係なく
共に眠りこけたいが
一日中働いて湿った靴を履き
われわれはべつべつの
煤けた棺をめざすのだ
サイズの合いすぎる
質素だが精密な靴から
微かな震えが煙のように昇ってくる
人類が負っている役割を
私も履かされているのだな
だれかを憎んだことを反芻したくないから
今日の食事は植物性
キューカンバ・サンドと葡萄酒
歩んでいても気付かないことを
夢の中で跣でeurekaと呼んでみたい
発見したなんて嘘なのだけれど