湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

黄砂俳句

2021-03-30 21:36:35 | 文学
今日は黄砂が降りましたね。東京でも黄砂を観測したのは2011年の5月2~3日に観測されて以来、10年ぶりのことだそうです。
ということで季語「黄砂」の俳句を探してみました。
黄沙(こうさ)黄塵(こうじん)霾(つちぐもり)霾晦(よなぐもり)霾天(ばいてん)霾る(つちふる)も、黄砂を指す季語です。

象の背にキリンの首に黄沙降る 石川天虫
公園に老人多し霾晦 蟇目良雨
黄塵来「みなとみらい」の一丁目 新井康村
黄沙降り新幹線の往来す 百合山羽公
つちふるや嫌な奴との生きくらべ 藤田湘子
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桜の句

2021-03-28 20:20:25 | 文学
↓昨日の披露山公園。

帰ってから桜を詠んだ俳句をいろいろ読んでみました。
中でも独特の味わいがあるな~と感じたのが池田澄子の句でした。
満開の桜や干してあるような
笑い了え体が桜ふぶきの中
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種の詩パート4

2021-03-27 12:26:43 | オリジナル
共通テーマ「種」でTが書いた詩を投稿します。

よすが

尊敬するMが飛ばしていた種
私の中に根付き
発芽した

新型車両の電車が走っている
と 喜ぶ子供
引っ越しの車が走り回る街
薄いベールのような若草色の葉が揺れ始めた木々
「どうして咲いたの?」
桜を指さして聞く幼子

明るくなった陽射しに
日々は急に動き出す
私の中の新芽もすこしずつ大きくなる
M’の花を見たい
水やりは慎重に
私流の肥料も与えよう
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忘れるの詩パート4

2021-03-26 07:32:58 | オリジナル
共通テーマ「忘れる」でZが書いた詩を投稿します。神武寺の桜の写真もZの撮影です。

忘れない
私は 忘れない
群れから離れ 
肌に突き刺さる寒風吹く荒野を 彷徨い続けた日々を
私は 忘れない
頼るべき寄り所を なくし 
呆然と彼方を 見つめていた人々を
どうか 忘れないで欲しい
私が 涙して保ち続けてきた 希望を
どうか 気がついて欲しい
永かった辛苦の夜が ようやく明け
そのうす明かりの中で
私の 節くれだった手が
冷たく白くなった 友の手を
まさぐり探し始めている 事を
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4月句会予告

2021-03-25 14:58:42 | 文学
逗子開成の桜が早くも見頃に。

来月の湘南句会は13日(火)14:00~に逗子市民交流センターで行います。兼題は「踏青」「流行」です。
昨日の3月句会(兼題「耕」「行」)で特選を獲得したのは、下記の2句でした。
耕して黄梅の下に至りたり
行路果て落下の下に瞑目す

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湘南文芸合評会再開

2021-03-23 17:31:22 | 文学
宣言解除に伴い逗子市民交流センター市民活動スペースがようやく使えるようになったので、湘南文芸定例会を再開します。
4月3日(土)14:00~
「深い」「名前」「種」「忘れる」の詩を取り上げます。
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卒業名句

2021-03-22 19:28:36 | 文学
3月は卒業シーズン。ということで季語「卒業」の名句を探してみました。

卒業歌遠嶺のみ見ること止めむ 寺山修司
卒業す翼持たざる者として 井手野浩貴
運命は笑ひ待ちをり卒業す 高浜虚子
巻き込んで卒業証書はや古ぶ 福永耕二

複雑な心境を詠んだものに惹かれます。
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種の詩パート3

2021-03-20 23:51:23 | オリジナル
共通テーマ『種」でZが書いた詩を投稿します。ナガサキホウオウゴケの写真もZの撮影です。


希望の種だと 言い含められ
プランターに 小さな 小さな種まいた
すぐに 芽を出す 希望の双葉
朝な 夕な 水やり草取り 手を尽くし育ててみたら 
ひょろ ひょろ ひ弱な茎から 顔だすいびつな葉っぱ
忽ち 病気になって 真っ白け
なんとか 薬や肥料のおかげで 花芽を出した
開いた花に 鼻寄せて嗅いではみたが
希望の香りなど 匂いはせず
匂うは 吐き気を催す絶望の香り
欺されたとは 言うに言えず
絶望の匂いの花の種取り
希望の種だと 言い含め
嫌いな奴に 呉れてやった
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新作春句

2021-03-18 15:22:00 | 文学
先日の小笠原学園俳句教室で点が入った春の句です。
忘却の兆してわらびほどけゆく
強炭酸グラスに溢れ春夕べ

特選は次の句でした。
さえずりやポストに誤記の宛名また
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忘れるの詩パート3

2021-03-16 19:11:02 | オリジナル
共通テーマ「忘れる」でAが書いた詩を投稿します。

緑とオレンジ

緑のブロッコリー
オレンジ色のニンジン
昼ごはんだよ
色が混ざっちゃった
テーブルになすりつけないで

うんちが出たね
おしりきれいにするね
気持ちいいでしょ
明日はおまるを使ってみようね
替えた途端におしっこしないで

わたしが掛けた言葉をひとつも覚えていない男に
データを呼び出したりアプリを入れたりしてもらったが
ある朝頭の中のアプリもデータも消えて
食事をさせてもらったり
おむつを替えてもらったりして
嫌いな人のことを思い出せなくなって
マーブル模様の緑とオレンジが
明るく渦巻いている幸福
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