湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

非人称存在の俳句

2018-12-14 22:56:53 | 文学
写真や絵画がふんだんに添えられた、見ても楽しいオールカラーの句集。

帯文は坪内稔典さん。
俺、猫だから。俺、狸だから。俺、鎌倉だから。
そして、俺、前田吐実男だから。
というように存在する93歳! いいなあ。


著者は非人称存在俳句を実践しています。その特徴は次のようなもの。
1 個我が消されていること
2 個我を消しての主観の客体化
3 虚実自在
4 一人称でも、二人称でも、三人称としても鑑賞が出来得る
5 人間存在の本質をそれなりに捉えている

書名は次の句からとられたもの。 靴下手袋大嫌い俺猫だから
飄々と詠んでいるようで、しっかりとした論理を踏まえているんですね。

裏表紙は、逗子在住の木版画家高橋幸子さんによる鎌倉地図です。
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Tの展覧会

2018-12-13 21:39:51 | イベント
湘南文芸メンバーTのEBアート展に行ってきました。

EBアートとは絵の上にレジンを塗って紫外線で硬化した絵画。

12月15日(土)までの11:00~16:00に、和遊庵(鎌倉市長谷2-17-19)で開催中です。
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藤瀬秀子「山窓」より

2018-12-12 11:52:10 | 文学
この間の日曜日第4期サードエイジ連続講座第3回湘南・逗子の別荘文化を学びま専科に参加しました。
講師の水沼淑子さんのお話が大変興味深かったです。

↑桜山の蘆花記念公園内に保存されている旧藤瀬脇村邸についてのスライド。
施主は藤瀬秀子。その後昭和34年に著名な経済学者である脇村義太郎が購入して終の棲家としたので、旧藤瀬脇村邸と呼ばれています。
藤瀬秀子の夫は明治~大正時代の実業家、藤瀬政次郎。政次郎の死後晩年を過ごすために秀子が建てたのがこの家です。
彼女は佐々木信綱主宰「竹柏会」の同人であった歌人。歌集「山窓」に収められているこの場所で詠んだ歌をNPO逗子の文化をつなぎ広める会にお願いして、提供していただきました。その中からご紹介します。
夕かぜにちり散る木葉かさこそとからびし音の我が内にまた
心やうやう我にかへりてこもり深く芽ぶかむとする山にむかへり

建った頃には2階の窓から逗子湾が見えていましたから、山だけでなく海を詠んだ短歌もあります。
(もだ)ふかき入江の浪に寂光のひかりうつして日は沈みゆく
逗子で詠まれたという贔屓目でなく読んでも、いい歌です。

↑旧藤瀬脇村邸1階リビングは、洋間でありながら高度な数寄屋の技で仕上げられています。写真左側はテラスに続くサンルームです。昭和初期特有の和洋折衷デザインの骨頂といえる貴重な建物です。施工は清水組(現清水建設)。秀子が清水組との設計打ち合わせを詠んだ歌もあるそうです。現在、外観のみ公開中です。
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ウナ ジョルナータ

2018-12-11 01:29:28 | 
新倉俊一新詩集。著者が取り組んできた西脇順三郎やエミリ・ディキンスンへのオマージュ詩22篇が、それぞれ扉付きの一見開きに収められた美しいページ構成の詩集です。

カバーは西脇順三郎が描いたもの! 長年の親交があったからこそ実現した装丁ですね。

書名ともダブる「ある一日」という巻頭詩の後半には次のような一節が。
ささやかな幸運が
いつか訪れたら行こうと
心に決めていたあの
映画の題名のような店
Una Giornata はもう
無くなってしまい
わたしの夢の中にしか
残っていない

表紙のタイトルを見た時は偶然の一致かと思ったのですが、逗子にご自宅のある新倉先生が書いているのだから、ここに出てくるUna Giornataって、池田通りにあったイタリアンレストランのことですよね、多分。

このビルの1階にあったウーナジョルナータ、味も雰囲気もいいお店でした。
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鳥の詩パート1

2018-12-09 16:00:22 | オリジナル
新しい共通テーマ「鳥」でAが書いた詩を投稿します。

烏は鳥 鳥は烏

最近いろいろごっちゃになって
どっちでもいいと思って
蒼穹句会の清記で
鳥を烏と書き間違えたら
田中さんがやんわりと疑問を出して
烏はふんわりと鳥に訂正された

人の俳句の鳥を
勝手に烏にしてはいけないんだ
なのに烏と書いてしまうくらい
私の体内の洞に烏の群れが
黒いドーナツみたいになって
輪を描いているのに
気づいていて気づかないふりをして
微笑んでいるのだ 田中さんは

私のドーナツの洞の中で
哄笑しているのだ 田中さんは
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二松庵再訪

2018-12-08 20:05:08 | 日記
10月に吟行で訪れた旧川合玉堂別邸が特別開園されているので行ってみました。

今年は庭の紅葉のコンディションが悪く、赤くなっている木も葉の一部が枯れて縮れたようになっています。
 残念…
玉堂がここに別邸を建てた頃は、画室から海が眺められ、横浜から出る船や房総半島の山々を望むことができたそうです。

今では別邸より一段高い所にある四阿(あずまや)跡からも、海を見ることができません。これまた残念…
ボランティアガイドさんに、玉堂が二松庵で初めて迎えた元旦の初日の出の景色を詠んだ歌を教えてもらいました。
眼のしたのうみのかなたの紫の安房のやまよりいま日ののぼる
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新年会兼合評会

2018-12-07 18:40:09 | 
今日の日中はポカポカ陽気でしたね。おとといはもっと暖かかったから、ふらふらと近場ハイキングを挙行。
 北条氏常磐亭跡のタチンダイ。
ここからハイキングコースを登って行ったら、野村総合研究所跡地がありました。

立派すぎる廃墟! とりあえず萌え~。

2002年に鎌倉市に寄贈されたものらしいですね。

さて、今日は今年最後の湘南文芸合評会でした。次回は1月18日㈮13:00~新年カラオケ大会を兼ねて、カラオケバンバンで開催することを決定!
テーマは憧・眩・鳥、締切は1月15日㈫です。
今年1年それぞれのペースで、しっかり詩の読み書きができました。来年もよろしくお願いします
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濁の詩パート4

2018-12-06 00:23:39 | オリジナル
共通テーマ「濁」でCが書いた詩を投稿します。

白い瞳

おこうちゃんの
白い瞳には 見える

戦死した  おとうと
ふるさとの みっちゃん
亡くなった おかあさん

いま
おこうちゃんは
わたしを 見つめながら
わたしを 見ていない

みっちゃんと おはなし中の
あいだだけ
わたしは みっちゃんになる

「みっちゃん?」
〈なあに、おこうちゃん。〉
「家に帰りたいんだけど。」
〈おこうちゃんちの、おばさんが
 『今日はもう遅いから、
 むすめを泊めてください。
明日、お迎えに行きます』
って言ってたよ。〉
「そうなの。じゃあそうする。」


濁ったものを
もう 見なくていい
白い瞳


濁・冬・疑うの詩の合評会は、12月7日(金)14:00~@逗子市民交流センター1階です。見学歓迎。
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大切岸俳句

2018-12-05 00:01:23 | 文学
お猿畠の大切岸(おおきりぎし)を兼題写真に詠んだ写生2句。
寒禽や大切岸の風化して
ひとかたまりの尾花の光崖下に

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蒲団と雨の句

2018-12-04 17:17:43 | 文学
異様な暖かさですね。

街路のように見えて、横須賀市立根岸交通公園です。この近くにあるカナブンまでロードバイク漕いで行ったら汗かいちゃいました。
本日のカナブン初級俳句クラスに出した作品から。冬の季語「蒲団」と「雨」を入れたものを2句。
通り雨君の抜殻めく蒲団
蒲団より右耳出して雨を聞く
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