湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

論の詩パート3

2019-12-31 22:00:04 | オリジナル

逗子海岸に今年最後のサンセットを見に来た人たち。大晦日恒例の賑わいです。
では、共通テーマ「論」でEが書いた詩を投稿します。

二人の論理

男と女が歩いている
近ごろはしげしげと見てしまう
なぜ男と女なのだろう
どんな意味があるのだろう
女と女 男と男とではいけないのか
どうしてなのか なぜなのか

異性という点には どうやら
必然性はないらしい
ただ唯一不可能なのは
生殖 とすれば
生めよ ふえよ 地に満ちよ
という神の陰謀なのか

陰謀が歩いている
と思うと ひたすら滑稽になる
誇らかに上気して
真剣に見つめあって
息ぐるしく思いつめて
手を組んでいる

ここに来る途中にもすれちがった
当人たちはいたってのん気
ひたすら独立独歩のつもりでいる
そして真の自由人を異常だと
あざけり笑う
多数は正解と安堵して
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知っ得ずしQ&A

2019-12-29 22:43:04 | 湘南
当ブログで「逗子検定」または「知っ得ずし」として時々紹介してきたQ&A集が、来年の発行を目指して動いています。
昨日は珠屋で、来年3月23日に逗子文化プラザさざなみホールで開催する集いの打ち合わせ。
 王道の喫茶メニュー@珠屋
発刊記念を兼ねたこの集いでは、逗子ゆかりの歌をクイズにして、解説や歌唱も楽しむ予定です。
ハンドブック「知っ得ずしQ&A」の出版費用を募るクラウドファンディングを、下記のサイトで実施中。ご支援をよろしくお願いします。
https://faavo.jp/shonan/project/4194
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論の詩パート2

2019-12-27 19:20:32 | オリジナル
この時期忙しそうな、建物が目を引く近隣の郵便局。
洋風建築の部 葉山一色郵便局

和風建築の部 鎌倉小坂郵便局

では、共通テーマ「論」でEが書いた詩を投稿します。
口論
失礼がないよう
十全な敬意を含めて
十が十まで伝わるようにと
下書きまでこしらえて
さて話しかける と
電話をとった先方様は
予想もしない切口上で
一方的に押しまくられて
シドロモドロに伝えたのは
是か 非なのかの
たったそれだけ
残ったものは失意と失望
ことがらがyesとnoとで
すむものならば
ふくみを尊ぶ
日本語人である必要は
一切ない
フトンをかぶって舌をかみ切って
失せるがいい
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冬麗戦予選通過作品

2019-12-26 23:53:16 | 文学
今日オンエアのプレバト!!冬麗戦予選を通過した俳句をまとめました。兼題は「年末年始の駅弁売場」です。
 宝石箱…ではなく、鮭はらこ弁当です。冬の旅出立時に東京駅で買いました。
予選通過1位 右肩に枯野の冷気7号車(皆藤愛子さん) 
季語と具象の取り合わせの勝利。身体の部位、右肩をまず書いて、真ん中に「枯野」という季語を出してきます。ここで、なぜ右肩だけに枯野の冷気があるのかという謎が読者に投げ込まれます。直後に筆者は列車の中にいると種明かしがされる訳です。7号車という数詞が提示されたことで、先頭の1号車がゆっくりカーブしていくのを後ろの7号車から見ているという光景がイメージできます。
......という夏井先生の講評でしたが、湘南句会だったらここまでは解釈できず「何を詠んだの? 訳分かんな~い」と、一点も入らなさそう
予選通過2位 抜型を重ねて仕事納めかな(フルーツポンチ・村上さん)
「抜型」という単語にしっかり情報量があり、動作を表す「重ねて」で仕事納めかもしれないと感じ取れます。「かな」の詠嘆にはねぎらいの気持ちも入ってきます。......という夏井先生の講評でしたが(以下省略)
予選通過3位 初旅やほのかに匂ふポリ茶瓶(梅沢富美男さん) 
上五に季語を置いて「や」で強調し、中七下五の12音と合わせるという基本中の基本の型。季語「初旅」で心の華やぎや新年の明るさを置き「ほのかに匂ふ」で何か雅なものを思わせておいて「ポリ茶瓶」という意外な懐かしい物を持ってきた狙いはある程度成功しています。......という夏井先生の講評でしたが(以下省略)
予選通過4位 初旅や頬にぷくりとボンタンアメ(キスマイ・北山さん)
これも初旅という季語を詠嘆し型にきっちり。最後に具体的な物を出してきたのがいいです。「ぷくり」というオノマトペがどうかというところですが「ボンタン」「ぷくり」と音が楽しく響いているし、飴の大きさではなくすぐに噛まずに口の中に入れている点で初旅の楽しさを表して、ちゃんと季語が活かされています。......という夏井先生の講評でしたが(以下省略)
まだ予選ですが、それぞれ読み手の技量を試される秀句です。
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クリスマス俳句

2019-12-24 19:06:45 | 文学

↑逗子駅前第2菊池ビル
クリスマスイブなので、季題クリスマスでひねってみました。
コンビニ前に聖菓積み上ぐサンタかな
枕頭に赤き包みや降誕祭
サンタ帽と杖で翁の散歩する
ドップラーサイレンよぎる聖樹かな
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論の詩パート1

2019-12-22 22:23:18 | オリジナル
新しい共通テーマ「論」でAが書いた詩を投稿します。

私が眠る間に

愛するあの人も眠っている
論理は煮溶けていて
ごく細かく年輪を刻んできた
大木の夢が頂点に達する
運転手が酔客にからまれ
大気圏で流星が燃え尽き
膝のかさぶたが固まり
蝶が静かに翅をたたみ
放火魔が興奮して帰ると
豆苗が水を吸っていて
虫たちのすだきを聞きつつ
ロゼットが湿っていき
逃亡犯に疲れが溜まり
呼吸が限りなく止まり
数羽の鷺が枝で首をもたげ
新聞専売所に白紙の朝刊が届き
海が碧くなる前に出航した漁船は
深海で眠るあの人に
大きな網をかぶせる
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来年1月の予定

2019-12-21 09:41:20 | イベント

↑シャトルと宇宙飛行士が飛ぶ今年の東逗子イルミネーション
今年1年、作品をダシに(?)楽しく有意義に語り合えました。来年も愉しみましょう!

来年1月の湘南文芸合評会は1月18日(土)15:00~@逗子市民交流センター1階。
テーマ「論」又は自由題で、1月15日(水)までに作品を提出してください。
合評会の後、新年会があります。1月18日(土)17:00~@魚民。会費は税込3,000円です。
都合が悪くなった場合は前日朝までにご連絡ください。

湘南句会は1月22日(水)15:00~@逗子市民交流センター1階。
兼題「雪女」「初手水」。欠席の場合は当日までにレターケースに6句を投句してください。
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舌の詩パート10

2019-12-20 06:19:40 | オリジナル
共通テーマ「舌」でAが書いた詩を投稿します。
文字

筆舌に尽くされることなく
世界の表面をツルツルと
ことばが流れていき
時折小さな炎が上がる
売文で食うなどもはや不可能
換金率の暴落した
痩せた文字たちよ


↑臨時開館中の郷土資料館内から
今回の臨時開館はあと1日程 12月22日11:00~14:00
*風入れ作業に合わせて公開しているので荒天時は中止になる場合があります
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舌の詩パート9

2019-12-19 00:07:48 | オリジナル
共通テーマ「舌」でCが書いた詩を投稿します。

Bye Bye Blackbird Ⅱ

きみの舌 と 
喉が 奏でる
美しい 歌声を
聴いているだけで
正しくて 善い
ひとに なった
気がした
けれど やっぱり
気がした だけらしい
でたらめな 鼻歌と
てきとうな ステップで
暗い夜に
ぼくは 顔を上げる
バイバイ
ブラックバード
バイバイ
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舌の詩パート8

2019-12-18 00:00:18 | オリジナル
共通テーマ「舌」でSが書いた詩を投稿します。

Memento Mori

半身詩人よ
じぶんの詩の
朗読のひまはあるか
舌に舌を置く
手袋に手袋を重ねるように
だがやはり
遠景にならない
「おそろしい人生でした」
老いたバーテンは
じぶんの話ができるか
彼の熟れすぎた言葉は
死に方を知らない
「ハトのエサあります」
この生ぐさい舌は液化もしない
聖堂に入ったボーヴォワールがなげく
「何だ 女ばかりいる」
乾かない数万の舌がさえずる
「今だって女ばかり」
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