湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

新&変わるの詩パート2

2017-12-30 20:48:17 | オリジナル
共通テーマ「新」と「変わる」でTが書いた詩を投稿します。

変化しつづけるもの

駅は巨大な迷路になり
見慣れた街並みは消えた
真新しいビルが建ち並ぶ都心
時をまとっていないビルは
すまし顔でよそよそしい
中に足を踏み入れると
各フロアーは美しく
高く長いエスカレーターや
シンプルなデザインのエレベーターが
静かに動いている
ここはこれからの人達の居場所だ
これまでの人達はこの街からはじき出された

呼吸し老化するビル
それ以前に人間が破壊することも
自然がこわしてしまうこともある
六十年後 このまちはどのように変貌しているか
今までいた人ではない新しい人達がそこにいて
また はじき出される人がいて
私はもう
それを見届けることはできない
コメント

新の詩パート5

2017-12-29 22:19:46 | オリジナル
共通テーマ「新」でAが書いた詩を投稿します。

カウントダウン

年が更新される毎に
死期が近付く
それを無視するための
ホームパーティー
顔の見えない顔の本
が見えていない友人に
電話で確認してから
「Mさんも私も参加します」
とコメントを打ち込んだ

揃いのサンタクロース衣装を着た
バイクの一団に追い抜かれる
爆音が去ってからドアチャイムを鳴らす
リビングのストーブで薪が爆ぜる
一斉にグラスを合わせる
群れたがる弱さと孤独に乾杯
(バイクのサンタたちにも)

核心に触れる言葉は喪失中だけれど
パーティーの間だけは互いの顔を見て
自己紹介には興味と関心で応えましょう
泥と化すまでの間は
騒がしい声と時と空間を
カウントダウンしましょう
コメント

新の詩パート4

2017-12-28 01:55:48 | オリジナル
共通テーマ「新」でSが書いた詩を投稿します。

ルーキー
元気のいいルーキーはまずおしっこを
しようと
都会の駅の近くトラックのかげでしゃがむ
風はない人もいない空を見上げる
と月が出ているのだった
六十年まえの新宿のしずけさ
六十年後の今
ルーキーは老いはしたが
順調という舌に会うとぞっとする
古い“わたし”と
新しい“わたし”が気に入らず
顔が流れてしまわないよう
ペンを置けない
書かねば書かねばの
ペン
コメント

変わるの詩パート3

2017-12-27 13:56:54 | オリジナル
共通テーマ「変わる」でSが書いた詩を投稿します。

変人

たったひとつの空の下に
大勢の変人が点在しているのはおもしろい
実は変人は視えない変人を何人も率いている
ひとりぼっちではない 閉じこめられても
ひとりで戦えるのだ
変人と変人が結婚するなんて
シュールすぎると思わないか? 思わない
変人はみんな詩人とだれも言わない
詩人が変人だとだれかが笑うのだろう
道を択ばない変人のおかしさ
ひしと抱きあいたい それから殺して
しまう変人
変人から変人へのてがみ
 「薄あじの便りです ぼくらは元気です」
無数のベルを入口につけている
あの変人を見よ

変わった枯れ葉だネ
コメント

新の詩パート3

2017-12-26 08:55:11 | オリジナル
共通テーマ「新」でSが書いた詩を投稿します。

新秋

つらい時でも新聞は読む テレビもみる
両者は他人の手によるものだが
わたしを傷つけない
サルトルは他者が地獄と言うが――
他人がやってきて
わたしの顔にむかって囀る
わたしはわたしの居場所に繋がれたまま
そこに穴を掘る 犬のように
机の周囲に墓標を立ててわたしらは
ながれでたことばで手淫をして
ではサヨナラと言いサヨナラで他人を送る
他者のために充血した時間の落ち葉を
拾いあつめ時計を見上げる
今夜来るかもしれぬあの方の
靴の気配を
聞き逃すまいとめがねのように
能面を外す
コメント

離れるの詩パート8

2017-12-25 18:06:29 | オリジナル
前回の共通テーマ「離れる」でEが書いた詩とそれについて合評会で話し合ったことを投稿します。

腐臭

子は親の家職をつぐのが
決まった路線
ニ、三男も年になれば
適宜徒弟となって
家を出る
大どもはまずいない

それが史上にまれな
成長の成果とやらで
家業が淘汰
勤め人になる以外の道は
ふさがれたからたまらない
あっちの家にも
こっちの家にも
不適合がはなれずにいる

親の二人は
腐臭をかかえて
あちこちの
うわさをしては
しずかに
なぐさめ合っているしまつ

:作者の弁 :評者の弁
現代社会と比べて過去を懐かしむ評論のような詩。「とやら」「たまらない」「しまつ」という文末とあいまって、当事者感なしに高い所に座って批評しているような印象も受けます。
やはりそうですか。つい癖で、親切に客観的に書いてしまいました。淀んで腐っている人間を表したくて付けたタイトルも実は気に入っていないのですが、どうしたらいいでしょう。
日常あまり使わない漢語を持ってきただけで現代詩になるわけではありません。生きることは臭うこと。無臭の方が不気味です。いっそ「ナフタリン」とでもすれば意表をついたタイトルになるかも。
内容的には前半は全部カットした方がいいでしょうね。「大ども=大人になれない大人、子供のままの大人」について「腐臭」という言葉を使わずに、常識ではなく想像力を使って膨らませてほしいです。
コメント

新&変わるの詩

2017-12-24 19:11:57 | オリジナル
共通テーマ「新」「変わる」でTが書いた詩を投稿します。

新しくない家で

築73年の家に69年住んでいる
私はここで生まれ
祖母2人と両親をこの家で看取った
息子も2人ここから巣立った
浴室とキッチンは修理した
外壁は時々塗り替え
カーテンは折々付け替えた
50年変わらない家具の配置
家が呼吸すれば私も呼吸し
家が眠れば私も眠る

時は隅々まで入り込み
家は時を包み込んでいる
ここには家菌が棲み付いていて
いつのまにか私は発酵して
熟成は大分進んだ
40年の夫はいまだ熟成中だ
コメント

小坪吟行下見

2017-12-22 17:59:03 | 日記
来年1月に小坪で行うtoy box吟行の下見にいらした幹事のKさんをご案内。
小坪漁港から披露山庭園住宅に登って行く途中La SIESTA del sol(カフェシエスタ)で休憩したのが運の尽き。
昼間から飲んで…
閉店時間の日没まで飲んで…

披露山近辺の下見は省略して逗子の街でまた飲んで、今日は過ぎていくのでした。
コメント

プレバト1位と最下位

2017-12-21 19:36:57 | 文学
今日オンエアのプレバトは1位と最下位が偶然同じ発想で、比較しながら学べましたね!
才能アリ1位  暮れる年あいさつかねて買い出しに(泉谷しげる) 
添削 あいさつをかねて買い出し暮れる年/あいさつをかねて買い出し年の市
凡人最下位 行く年に別れを告げにアメ横へ(かまいたち・山内)
添削 行く年や何買うでなくアメ横へ
1位の句は作者の思いと動作が無駄なく明確に描かれているのに対し、最下位の句は上五の季語の本意を中七で重複させてしまっているんですね。

さて、昨日の湘南句会で来月の日時とお題を決めました。日程が変則なのでご注意を。
1月12日(金)15:00~ 兼題「初」「始」
1月25日(木)15:00~ 兼題「机」「卓」
コメント

自由題「雨が降る」

2017-12-20 13:42:42 | オリジナル
Eが自由題で書いた詩を投稿します。

雨が降る

雨が降る
乾いた地面に
雨が降る
乾いた心に
雨が降る

雨が降る
言葉の雨が降ってくる
西から
東から
降ってくる

雨が降る
言葉の雨が降りそそぐ
かわきをうるおす
雨が降る
われひとに力をもたらす
雨が降る
さんさんと降る
雨が降る

求めに答えて
雨が降る
自ずからして
雨が降る
ありとあるすみのすみから
雨が降る
吹きよせられて
雨が降る
雨が降る

耳をすます
音を聞く
コメント