ザイルと焚火と焼酎と

ザイルを使う登山にちょっぴり憧れ、山中に泊まると焚火を囲み、下山後は焼酎でほのかに酩酊。いい加減なのんびり登山の日記です

知られても、注目されてもいない北秋川の御林沢へ、期待を胸に

2012年06月19日 | 沢登り/多摩川北秋川水系

2012/6/17  日曜日は雨だとばかり思っていたので、家で大人しくしているつもりでした。ところが、土曜日夕方の天気予報、「午後は晴れて暑くなるでしょう」なんて言っているじゃぁありませんか!

S子に「行く?」と、同行の確認をとり、一挙に沢モード突入。

前日夕方の急な決定ですし、明朝の天気次第では中止になってしまうかもしれませんから、山仲間には声を掛けられません。S子と二人だけとあって、のんびり、癒し系の沢歩きの沢を選びます。

夜7~9時、野暮用でちょっと外出しなければならず、帰宅後夕食。それから山行計画を練ったという次第。ですから、先月白岩(しらや)沢を実行した際に気になっていた御林(おはやし)沢へ行くことにしました。雨も10時前後までは残るかもしれませんから、バスも9:27と、前回と同じです。沢が違うだけで、電車やバスはみんな白岩沢の時と一緒です。

御林沢は白岩沢最大の支流。ネットで調べてもまったくヒットしません。全然です。地形図を見る限り、傾斜もなだらかな穏やかな沢のようです。広葉樹記号も半分ほど占めており、特に上流は広葉樹だけですから、それほど荒れてはいないはず。まあ、もちろん、それは僕の楽観的すぎる毎度の希望的観測なんですが………。

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▲白岩沢の水を利用した浄水場が建っています。沢登りが「水を汚染させる恐れのある行為」だとは思いませんし、思いたくもありませんが、心して入渓しなければと心を引き締めました。10:41ころ。

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▲御林沢出合には11時頃には到着しました。腹ごしらえと沢支度をして、いよいよ遡行開始です。11:32ころ。目の前、右から左へ本流の白岩沢が流れています。御林沢は向こうから手前に流れている沢。

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▲入渓後すぐの沢の印象は重要です。11:34ころですが、とてもいい雰囲気ですね。期待が持てます。

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▲と思っていたら、すぐに人家が見えて来ました。無粋な石垣、そして前方にはコンクリの堰堤までありました。11:38ころ。

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▲堰堤を過ぎると、沢も落ち着き、まずまずの渓相です。11:48ころ。

沢での歩き始めは、その沢の岩のフリクションをはかることが大切になってきます。滑り易い岩もあれば、ザラザラして滑りにくい岩もあります。表面に生えている苔によっても左右されます。御林沢では赤茶色の苔が要注意でした。いまS子の右足がかかっている岩などがそうですね。ヌルッとしているので、不用意に足を置くと滑ります。

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▲御林沢の特徴の一つは緑にむしている苔が多いことです。下流から中流域まで左岸はずうっと植林帯だったのですが、さほど荒れた感じはありませんでした。写真のように倒木にすらびっしりと苔が生えています。11:51ころ。

でも、今後もし伐採が入ってしまうと、沢は荒れに荒れてしまうのでしょうね。

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▲待望の滝が出て来ました! 奥の滝は高さは3mほどしかありませんけれど、雰囲気のある滝です。11:55ころ。

でも、結局この滝が御林沢最大の滝でした。

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▲3m滝を観察して、登攀ルートを探ります。水流左の凹角を登ることにしました。11:56ころ。

今日はハーケン、ハンマーは持って来ていませんし、途中にピンも灌木もありませんから、プロテクションは取れません。僕がノーザイルで登って、上からS子のためにザイルを投げます。グレードですが、Ⅲ+~Ⅳ-くらいだと思いました。

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▲3m滝の上流ではこれまで以上に穏やかな渓相が続きました。相変わらず、左岸には植林があるのですが。12:13ころ。

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▲この程度の小滝ばかりが連続します。倒木もありますけれど、さほど気にはなりません。13:00ころ。

この写真に写っている白っぽい直線ですが、多分フラッシュに光ったクモの糸だと思います。先頭は小枝を手に、クモの巣を払いながら歩きます。

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▲標高750m地点で林道が沢を横切りました。それ以前から左岸上方に、その後右岸にも見えていたのです。植林作業では出ないようなゴミが多くなってきたので、「何かあるな」とは思っていましたが、林道だったのですね。地形図にはもちろん、昭文社の地図にもまだまったく載っていません。13:04ころ。

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▲再び穏やかな渓相が続きます。13:09ころ。

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▲佳い沢です。御林沢への評価はこの頃にはもう確定していたと思います。「佳き沢歩きの沢」。13:21ころ。

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▲佳い沢でも、倒木はあります。何度も何度もくぐったりまたがったりしなければなりません。沢登りを楽しむにはそんなことさえも楽しむ度量が必要ですね。13:41ころ。

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▲沢沿いによく咲いていました。ガクアジサイの仲間でガクウツギだそうです。13:54ころ。

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▲二俣です。標高900mくらいです。このすぐ手前くらいまで、左岸の植林地は続いていました。ここから上流は左俣に関する限り、植林には出遭いません。

ここでは15分間ほど休憩しました。そろそろ出発です。14:24ころ。

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▲二俣を過ぎると、これまでよりは少し傾斜が増します。岩床だとそれだけでナメ滝状態。14:32ころ。

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▲小滝も連続します。14:35ころ。

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▲沢に立つ巨木ですが、妙なことになっていました。根元のウロに根っこが見えるのです。どうやら、少し上部の木の股に根付いた他の木の根のようでした。14:49ころ。

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▲傾斜はどんどん強まります。右岸が崩壊しているガレ場が出て来ました。こういう場所は急いで通過です。14:56ころ。

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▲突然眼前に巨大なコンクリート壁出現! 奥多摩周遊道路直下では見たことはありますが、道路はまだずっと先です。何のための壁でしょうか? 15:00ころ。

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▲壁を左から越えると、右方向の微かに尾根状を呈しているコースを登ります。もう沢地形からはおさらばです。15:08ころ。

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▲飛び出してくる場所はちょうど浅間尾根駐車場です。15:14ころ。

ここで装備解除。都民の森まで周遊道路を歩いて30分くらいでしょう。15:28のバスには間に合いませんから、今日も16:45で帰ります。

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▲周遊道路を歩いていると、こんな丸まった葉っぱがたくさん落ちていました。

昔の人はこれを「不如帰の落とし文」とか「鶯の落とし文」だとか風流に表現していました。中にはオトシブミという名前の甲虫の卵が産みつけられています。

            *   *   *   *   *

16:45のバスは武蔵五日市駅への直行便なので、手前のバス停前にある馴染みの店には今回も寄れません。またまたH島の九州料理の店です。今日は気温も高かったはずなのに、店ではなぜか二人とも焼酎のお湯割りを飲む気分。黒糖焼酎「長雲」はロックがお勧めですが、お湯割りも悪くはありません。「長雲」のあとは芋焼酎のお湯割りを2種類飲んで終了。

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