575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

おでん句会楽しみ

2020年12月15日 | Weblog
今年最後の句会、おでんの句がそろいました。
まさに具だくさんの味わいある句が勢ぞろいです。

選句もお寄せいただきありがとうございました。
書き添えてくださるコメントが宝物や励みになるという
ご意見もいただいています。
これからも皆様の選句理由をブログで
紹介していきたいと思っています。

さていよいよ明日、結果発表です。
どなたの句がトップ賞になりますか。
お楽しみにしてください。郁子

 戸の隙におでんの湯気の曲り消え  高浜虚子

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おでん句会の投句が集まりました。

2020年12月14日 | Weblog
おいしそうなおでんが出来上がりました。皆さんはどのおでんに魅かれましたか?一気に冬の到来。今週はおでんが食卓に上がりそうですね。

題詠「おでん」

① 母夜勤姉のあたたむおでん鍋 
② 頼もしき大鍋おでん共稼ぎ 
③ まず玉子おでん食べる子父に似て 
④ 婿殿(ムコドノ)と偶(タマ)に地(ジ)具のみそおでん 
⑤ くたくたのおでん大根我のごと 
⑥ 大根のしみゆく時間冬時間 
⑦ 三時よりことことことと煮るおでん 
⑧ 煮大根すっと切る箸出汁纏い 
⑨ 生かされて生きておでんの民主主義 
⑩ 銅鍋に理路整然とおでん種 
⑪ まどろみて 猫とおしゃべり おでん酒 
⑫ おでん酒酌み交わす友遠くなり 
⑬ おでんの串十六本を数えけり 
⑭ 餅巾着歯医者よぎって箸よける 
⑮ 竹輪麩が 好きやと照れる 浪速っ子 
⑯ 老いたればおでんの種もてんでんこ 

自由題
① 渋色の着物の乙女照紅葉 
② 木の葉舞ふ日運転免許返納す 
③ 薬師寺に風鐸(フウタク)連弾秋過ぎる 
④ 里山に埋もれし木の実親子熊 
⑤ 病む夫に小春日和の贈り物(ギフト)かな 
⑥ 玉手箱舞い降りて冬銀河かな 
⑦ 侘助やひとり遊びの祖母の庭 
⑧ 大吉と 嘘つくルージュ 除夜の鐘 
⑨ 父の死後母に死後あり枇杷の花 
⑩ このはずく帰り来たれりわが森に 
⑪ 手抜き化粧マスクがもたらす肌の艶 
⑫ パソコンに触れず勤労感謝の日 
⑬ 合鍵を 小箱に秘める クリスマス 
⑭ 落葉盛るじゃれあう子らの日短し 
⑮ 短日の人無き街や鐘の染む 
⑯ 冬ざるる山道にうずくまる孤独 
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「星の旅人」

2020年12月13日 | Weblog



黛まどか<まゆずみまどか> 1962年 神奈川県の足柄
町の生まれ。父は俳人の黛執<まゆずみしゅう>。小田
原城内高校卒。フェリス女学院短期大学を卒業して富
士銀行に入社します。この頃、杉田久女の俳句の魅力
に惹かれ 1990年俳句結社「河」に入会。角川書店に
勤務していた吉田鴻司より俳句を学びます。

「旅終へて よりB面の 夏休」<黛まどか>

1994年 第40回角川俳句賞を受賞したことを機に「B
面の夏」を出版。同じ年に女性だけの俳句結社「東京
ヘップバーン」を立ち上げ「月刊ヘップバーン」を創
刊し代表となります。

「バレンタイデー カクテルは 傘さして」<黛まどか>

まどかは、1999年にキリスト教の巡礼地であるスペ
インのサンティアゴ・デ・コンポスーラを訪れます。
この地は聖ヤコブ<サンティアゴ>が埋葬されたとい
われる三大聖地のひとつ。欧州各地からピレーネ山脈
を越え年間10万人の信者が訪れるといわれ、ユネスコ
の世界遺産に登録されています。なお、拙文のタイト
ルは黛まどかの代表作といわれる「星の旅人 スペイン
奥の細道」から引用。本書は角川文庫より出版されて
います。

「口笛の セーヌを渡る 涼しさよ」<黛まどか>

話を戻します。まどかは、サンティアゴ・デ・コン
ポスーラの巡礼路900kmを徒歩で踏破しています。
こうした欧州の精神的支柱となるキリスト教文化へ
の造詣の深さが認められ、2010年には文化庁の大使
としてフランスで俳句指導を行ったりしています。

「晩鐘に 落葉を急ぐ カルチェ・ラタン」<黛まどか>

現在も、坂東三津五郎、辰巳琢郎、増田明美など著
名人が名を連ねる「百夜句会」を主宰。現代俳句の
アンカーパーソンとして幅広い活動を続けています。

「可惜夜<あたやよ>の わけても月の 都鳥 <黛まどか>

黛まどか。日本を代表する女性俳人。現在58歳。

写真と文<殿>
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「田舎巡りのおちゃっぴい」

2020年12月12日 | Weblog



五十嵐浜藻<いがらしはまも> 1772年 現在の町田市
に生まれ、幼児より俳諧師の祖父から俳句を学びます。
俳諧師である父と6年間の俳諧行脚を行い研鑽を積み
ます。1870年 「八重山吹」を刊行。残存する女性俳
諧連句集では最古の書籍といわれています。浜藻には、
生まれながらの環境だけでなく卓越した才能があった
ようです。父親の梅夫が刊行した「いがらし句合」に
掲載された少女時代の句。

「あきかぜや 手習いの墨 とくかわく」<浜藻>

浜藻は小林一茶との親交が深く、江戸蔵前での芝居で
は、文筆家の夏目成美の脚本の演出まで手がけるなど、
江戸時代の女性としては特筆すべき活動をしています。

34歳の時、6年間の吟行を行います。この間に交流し
た俳人は450人。そして、130巻の歌仙としてまとめ
ます。当時、来日していたオランダのシーボルトも浜
藻が女流俳人19人と詠んだ歌仙集「八重山吹」に注目。
刊行先の京都より取り寄せています。

「ほととぎす 近江の国が 啼きよいか」<浜藻>

実は、浜藻の人間像がわかりにくいため、文献を漁り
ましたが、一子誕生を祝う手紙があるだけで、既婚者
なのかもわかりません。幕末から明治の混沌とした社
会が、女性俳諧師の生きざまを閉じこめてしまった感。

「ふくらかに 桔梗のような 子が欲しや」<浜藻>

浜藻の友人たちの句から、人を惹きつける明るい性格
だったことは察することができます。おちゃぴいとは
歌舞伎の岩井半四郎が扮した町娘の意。この時、浜藻
は39歳です。しかし、見かけは小粋な下町娘といった
印象だったのでしょう。

「鶯や 田舎巡りの おちゃっぴい」<鶴老>

町田市の南大谷天神社の俳額は浜藻による奉納。五十
嵐浜藻。享年77歳。町田市の墓碑には句が刻まれてい
ます。

「やまざくら 見ぬ人のため *をしみける」<浜藻>*愛しい


写真と文<殿>

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天高し何年振りのスキップか  晴代

2020年12月11日 | Weblog

何かとても楽しいことがあったのでしょうか。
それとも手をつないだ子どもにつられたのかもしれません。
須美さんも「どれほど晴れ渡り気分が良いか想像できる」とありました。

辞書に、スキップとは
片足で2歩ずつ交互に軽く飛びながら進むこととあります。
そうです。「飛ぶ」という動作と「進む」という動作、縦と横の移動を同時に
しなければいけません。これが苦手な人もいました。
一緒にスキップしているのに、友だちがちっともついてこない。
振り向くとその場で飛んでいるだけ。(笑)
でもその子の一生懸命な赤い顔が、今何だか懐かしくて愛おしいのです。

我が家の三人娘の真ん中がそんな不器用タイプでした。
ことごとくすんなりいかず、回り道をしましたが、その時かけた時間、努力が彼女の一部になっています。
「何かとつまづく人」を待ってあげる時間を、コロナ禍の今なら作れそうな気もしたのですが、残念ながらどうしても要領の良い人が得するように思えてしまいます。
裏技、お得情報、ポイントゲット・・こんな見出しが目立つ昨今。
大変なときではありますが、本当に大事なものは見失わないようにしたいものです。
あら?
スキップから何の話をしているのでしょうか。郁子
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みかん剥き黄ばむ新聞斜め読む  紅

2020年12月10日 | Weblog
みかんのおいしい季節です。
みかんを剥く時に新聞を引いて、黄色くなってしまった新聞。その新聞を家族の誰かが黄ばみを避けるように斜めに読む。ほのぼのとした情景が目に浮かぶ一句です。

殿様「みかんの飛沫により黄ばむ新聞。首を傾げ記事を斜めに読んだのでしょうか。バランスの取れた佳句。」
郁子さん「ちょっと読み取れていないかもしれませんが、
  みかんを剥いた濡れた手で新聞を読む図と見ました。
  なるべく汚さないよう、端っこをもって斜めにして詠んだという・・不思議に色気を感じて
  しまいます。なぜ?(笑)」

こたつにみかんと新聞。日本の冬の居間の風景です。新聞の見出しが穏やかなることを祈る今年の年末です。麗子


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我待ちて裾に縋るる牛膝(いのこづち)(竹葉)

2020年12月09日 | Weblog

一度くっつくと、なかなかとれません。
一粒一粒 時間をかけてつまんでは捨てる。
幼いころの感触がよみがえります。

植物の生命力を感じます (紅)
晩秋の丹沢の藪漕ぎを思いだしました。絶妙な擬人法 (殿)
共感です。この時期のイノコズチは、まさしく縋り付く必死さを感じますね。イノコズチの漢字表記を知りました。 (能登)

牛膝と書いてイノコヅチと読むことを私も初めて知りました。
ただあの種子は、やっかいものの「くっつきむし」として
子どもの頃からおなじみのものです。
他にオナモミ、ヌスビトハギなども、後に名前が判明しましたが
すべて「くっつきむし」と呼んでいました。
昔は今のように公園も校庭もきれいに整備されておらず、ボール遊びなどで手をそれた球を草の中に探すうちに
衣服にびっしりと、とんでもない模様がついたりしました、それがくっつきむし。
縋るる とは、しゃれた言い回しですね。
イノコヅチは、トゲのある種子が並んでいて、触れると一列にはりつきます。
剣士になりきった男子に後ろから一撃を受け、イノコヅチの刀傷が!
こらー!と追いかけるお転婆時代の私がふいに思い出されました。
今なら、鬼滅の刃ですか。古き良き時代です。 郁子(笑)

母親の小言ズボンにゐのこづち 楯野正雄
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冬構え庭木ハサミの音高く  郁子

2020年12月08日 | Weblog
「冬構え」。冬を迎える用意で北窓をふさいだり、風除けを設けたり、庭木にこもを巻いたりと寒さへの備えを指すようです。この句では年末を前に庭木の剪定の冬支度ですね。
職人さんのハサミの音でしょうか?それともお隣のご主人?
乾いた空気感と突き抜ける青空。ハサミの音もよく聞こえます。情景と共に音も聞こえるいい句ですね。ただ下五の「音高く」にもうひとひねり欲しいかな?と思いました。

竹葉さん:「空気の澄んだ晴れた冬空のもと木を切るパチンとなる音が響いてるスッキリする句でとてもいいと思いました。

ちなみに「剪定」は春の季語と以前晴代さんに教わりました。そこも踏まえて「冬構え」という季語を選定(笑)されたところもさすがですね。
皆さんのお宅の冬構えはいかがですか?麗子
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「おでん句会」近づく

2020年12月07日 | Weblog
関西出身の私の実家ではおでんのことを「関東だき」と言っていました。じゃがいもや里芋を丸ごと入れていました。
そして名古屋に来て「味噌おでん」に驚愕し、未だ、関東のおでんの代名詞「ちくわぶ」は入れたことがありません。
その家々におでんのこだわりがあることと思います。

今年最後の句会の兼題は「おでん」です。おでん種の具でもいいことになりました。皆さんの好きなおでんの具はなんでしょうか?私は「大根」「卵」
「こんにゃく」かな?あつ、もち巾着もかかせませんね。

        ふっくらと押し合うてをるおでんかな  荻原玲香

東海地方は小春日和が続いていますが、寒くなるとおでんが恋しくなりますね。句会ではどんなおでんが出来上がるでしょうか?
締め切りは10日木曜日です。どうぞよろしくお願いします。麗子

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「江戸のラプソディー」

2020年12月06日 | Weblog



諸九尼<しょきゅうに> 1714年 九州久留米藩の庄屋の
五女として生まれ。幼名「なみ」26歳の時に俳諧師の
有井湖白<ありいこはく>と駆け落ちします。

「行く春や 海を見て居る 鴉の子」<諸九尼>

有井湖白は1702年 福岡藩士の生まれで文武両道に優れ、
松尾芭蕉の十哲のひとりとされた志太野坡<しだやば>
より15歳から俳句を学びます。福岡藩の逸材と期待され
た湖白でしたが結核により挫折。藩への出仕を諦め医家
となります。

「残り雪 草になる迄 見て立ぬ」<湖白>

湖白は結核により十年の療養生活を余儀なくされます。
療養の無聊を慰めるため俳句に熱中。久留米で開催さ
れた句会で庄屋の妻「なみ」と恋に落ちます。

「千畳に 一畳凉し 肱まくら」<諸九尼>

湖白は医業を捨て「なみ」と駆け落ちして一緒に暮ら
すことを決意。京都の湖白庵に居を構え俳諧師として
成功します。この時、妻となった「なみ」も俳句の研
鑽を重ねます。しかし、湖白が61歳で急逝。「なみ」
は湖白の百ケ日の忌に剃髪し、諸九尼と名を変え女宗
匠となります。

「目にも立つ 人目も忍ぶ 頭巾かな」<諸九尼>

1771年3月 尊敬する芭蕉の奥の細道を辿る旅に出かけ
ます。旅は諸九尼の老僕と法師の四人。全行程550里、
2,150kmを4ケ月で踏破しています。路銀に乏しく放
浪に近い壮絶な旅だったと思われます。

「今一里 ゆく気になりぬ きじの声」<諸九尼>

俳諧紀行「秋かぜの記」は諸九尼の代表作とされてい
ます。しかし、旅の厳しさにより諸九尼が体調を崩し
たこともあり仙台からの記述がほとんどありません。
そのため、1960年に編纂されるまで未完の紀行文と
されてきました。

「秋かぜの記」の冒頭を引用。「奥のほそ道といふ文
を、讀初しより、何とおもひわく心はなけれど、たゞ
その跡のなつかしくて年々の春ごとに、霞と共にとは
思へど、年老し尼の身なれば、遙なる道のほども覺束
なく….」

ところで、ラプソディーとは自由奔放な狂詩曲。駆け
落ちする諸九尼の生きざまといった感。ちなみに、晩
年は郷里の人たちとの交流を再開。穏やかな日々を過
ごしたようです。諸九尼。享年67歳。

「もとの身の もとの在所や 盆の月」<諸九尼>


写真と文<殿>
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「純潔の額」

2020年12月05日 | Weblog



金子兜太<かねことうた> 1919年 埼玉の生まれ。
父親は医師で俳号は「伊昔紅」。水戸高校在学中
に学生俳句誌「成層圏」に参加し、竹下しづの女
や中田草田夫らと交流。1941年 東京大学に入学
後、加藤楸邨より本格的に俳句を学びます。日銀
に就職しますが、海軍の主計中尉としてトラック
島に出征。下記は戦地で詠んだ句。

「海に青雲 生き死に言わず 生きんとのみ」<兜太>

1947年 東大の同窓である沢木欣一「風」の創刊
に参加し社会性俳句運動へ傾倒していきます。新
興俳句の西東三鬼と俳句の造形論を提唱し自らの
俳句においても、創作方法を理論化していきます。

「梅咲いて 庭中に青鮫が 来ている」<兜太>

1960年 無季俳句で知られる林田紀音夫や前衛俳
句の旗手といわれる堀葦男らと「海程」を創刊し。
主宰者となります。1983年 現代俳句協会会長や
朝日歌壇の選者となり2005年には日本芸術院の
会長となります。2015年 中日新聞と東京新聞の
選者をタレントのいとうせいこうと務めるなど分
野にこだわらない活動を行います。

「れんぎょうに 巨鯨の影の 月日かな」<兜太>

金子は、作者と対象との間に俯瞰した意識を設け
る俳句を提唱しています。これは造形俳句六章へ
発展を遂げていきます。また、種田山頭火研究に
没頭。漂泊の俳人を高く評価しています。金子は
個性を重んじるため、細かな添削は行わず作者の
自由にまかせたといわれています。母校に招かれ
た時も、子どもたちの句に笑顔で頷くのみ。指導
はしていません。

「おおかみに 蛍が一つ 付いていた」<兜太>

金子兜太。享年100歳。最晩年まで社会性を失わ
ず「アベ政治を許さない」のプラカードは金子の
揮毫。

「縄跳びの 純潔の額を 組織すべし」<兜太>


写真と文<殿>

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新蕎麦の湯気に包まれリズミカル  泉

2020年12月04日 | Weblog
 
楽しそうな句に魅かれました。
何がリズミカルと言っているのでしょうか。
手際のよい蕎麦屋の大将の動き?それとも期待で自分の気持ちが弾むのかな。

 この句をとった晴代さんは
「湯の中の蕎麦も 掬い取る動作も リズミカル」 とコメントしてくださいました。 
確かに茹でられている蕎麦も踊っているように見えますね。

※作者の言として
「新蕎麦を湯気につつまれながら つるつると リズミカルな音をたてながら食べる美味しさ」とありました。

なんと!つるつると食べる音を詠んでいるのですね。
とても面白い視点と思います。ただ残念なことに
「音」を想像させるには少し弱かったかもしれません。
しかしその分、読み手の見える光景が広がる味わいもありますね。

作者の思いと、その句をとる方の理由、
両方を知りうる麗子さんと私。これからもこの場をお借りして
ご紹介していきたいと思います。

  このように添削したらどうかなというご意見はコメント欄でよろしくお願いいたします。郁子

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冬来る破れ羽の蝶蟻が引く  能登

2020年12月03日 | Weblog
智恵さん:「羽は破れて、飛べないけど、まだ、生きています。でも、小さな蟻は、力強く食料を運びます。」
紅さん:「動物界の生々しさを感じます。」
泉さん:「 動物達は皆 冬支度。近年、熊は里山におりて、餌を求めて、人に出会い、襲っている。蟻も冬の準備をしている様子がわかる。

私も頂きました。ちょうど立冬の日に近江富士を見て私も自由題を作りました。能登さんの俳句はいかにもカメラマンの目で小さな世界の立冬を詠まれました。
生物界の食物連鎖。死んだ蝶が蟻の餌になります。「破れ羽」が悲しいけれど実際に見た人でないと作れない句だと思いました。

私事ですが、春に母が亡くなってからこの夏はよくアゲハチョウに遭遇しました。一度は車のフロントガラスにまで飛び込んで来ました。なんとなく母が会いに来てくれたようで嬉しかったです。冬に入りもう会えなくなってしまいましたが、全ての蝶は冬に入り、その命を終えたのでしょうか?
でも蟻たちの餌になりまたどこかで生まれ、来年の春には会えますね。輪廻の世界を垣間見る思いでした。麗子
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歩をのばし新蕎麦手繰る小昼かな 晴代

2020年12月02日 | Weblog

◆ 少し遠回りしても新蕎麦を食べようという強い気持ちが感じられてとてもいいと思いました。(竹葉)
◆ 「のばし」「たぐる」ふたつの動詞が効果的。爽やかな読後感。(殿)
◆ さらっと、きれいに詠まれた句だと思います。(紅)

本当に、毎回さらっと洗練された句を詠まれる作者。さりげない風景をとてもお上手に描写されます。
題詠決めのときに「食いしん坊だから食べ物の句がいいな」と、私ならともかく
スレンダーな彼女にしては意外な言葉を発したのが印象に残っています。
おそらく
旬のもの、初ものにはこだわりがあるのかな。
せっかく食べるのであれば、お店も選ぶのでしょう。

この句は多くのかたの共感を得るものと思います。
ただ表現が、歩をのばす、手繰る、小昼・・・と格調高い!
作者の豊富な語彙で、上品なご婦人の新蕎麦の句になっているように思います

 新蕎麦のランチ求めてウロウロと  
私ならこんなところ(笑) これじゃダメ、 勉強になります。

言葉がどんどん簡略化、幼児化しています。
「やばい」「ぴえん」「胸キュン」の世界をどのような言葉で紡いでいきましょう。郁子



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神無月輿に乗る神乗らぬ神  遅足

2020年12月01日 | Weblog
 神無月に輿に乗る神様、乗らない神様。どの神様かわかりませんが、なんだかにぎやかな神界の様子がうかがえました。出雲では神無月のことを「神在月」というそうですね。そんなことも思い出しました。
皆さんのコメントです。

能登さん「出雲へ出かけなかった神なのか、それとも呼ばれなかった神なのか、神にも分断の時代があったのでしょうか。」

殿さま「 輿の乗るのは「国津神」 輿に乗らない「天津神」と解釈。韻による調べが秀麗。」

智恵さん「神無月輿に乗る神乗らぬ神 なんだか、神様にも嗜好があって、いとをかし。 」

今日から師走です。コロナ禍で迎える年末。年神様をお迎えするお掃除も気になるところです。
苦しい時の神頼み。来年は初詣も三密を避けるため色々苦労しそうですが、なんとかこのコロナを払い清めたいものです。   麗子



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