575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

一日の色を加えて芙蓉散る     遅足

2013-09-30 10:04:40 | Weblog
夕暮れ時、庭の雑草の上に・・・何?
よく見ると芙蓉の花でした。
この花は椿などと違って閉じてから散ります。
すぐには花と分からなかったわけです。

芙蓉は朝顔と同じ一日花。
この日を選んで咲いた花・・・
夕方には命を終える運命です。

周りの家より開花が遅く今が花盛り。
明日もまた花が咲き継いで・・・
しばらくは楽しめそう。




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大かまきり刈田の跡に主人(あるじ)かな  結宇

2013-09-29 09:12:41 | Weblog
水田が青々としていた時は、螳螂の餌になる昆虫もいました。
稲刈りが終わって、すっきりした田には、一匹の螳螂が残されて・・・
ここの主であると言わんばかりの貌です。

刈田の跡は、言葉がダブっているという指摘が・・・

  大かまきり刈田の主の貌をして

カマキリの寿命は成虫になってからは数か月とのこと。
まれに冬を越えるツワモノもいるとか。
この大かまきりは冬を超えられるのでしょうか・・・

                     遅足

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蟷螂なら鏡の奥に飼っている  えみ

2013-09-28 09:52:50 | Weblog
身の内に棲みついて、可愛いのです、と鳥野さん。
誰かを螳螂に喩えているのかも。ご主人のことを詠んだかな?と立雄さん。

写生ではなく心象風景。
読者は「螳螂」を様々に読み込んで楽しめます。
螳螂を、と言わずに、螳螂なら、と表現している。
そこに螳螂と作者の距離感がうかがえて面白く読みました。

                         遅足


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かまきりの両眼に世界はどう映る    麗子

2013-09-27 08:55:09 | Weblog
目を詠んだのはこの一句。

注視のできる眼。昆虫には珍しい、と、鳥野さん。

かまきりが苦手な女性は多いでしょう。
でも向こうはもっと恐ろしいと思っているでしょう。
人間は恐竜みたいな感じかな?、作者。

研究によると、蝶は紫外線が見えるそうです。
我々とは違った世界が見えていることに。
この紫外線も色は蝶の翅にあり、雄はこの色で雌と認識。
追いかけていくそうです。
この時は、ほかのものには目もくれず・・・
食事をする時は花の色だけを見ているとか。

その時々の欲望にそって世界を見ているようです。
これって人間も同じですが・・・

さて、かまきりの目に映った世界は?食欲?恋?

   かまきりの両眼に世界は愛の色

下五を色々、考えてみるのも面白いですね。  遅足



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蟷螂や甘噛みもせず喰らひつく   亜子

2013-09-26 10:32:24 | Weblog
かまきりといえば、あの食欲。口をとりあげて・・・4句。

⑧蟷螂や甘噛みもせず喰らひつく   亜子
「甘噛みもせず」が本能のままで蟷螂の本領発揮でしょうか?と麗子さん。

⑪かまきりの蝉押さへ込む愉悦かな   静荷
食事を、愉悦かな、と詠みました。食いしん坊ですね。

⑫蟷螂がガリガリガリと蜂齧る   能登
蟷螂の句は山道での実体験です。
山口誓子の同意句があり、迷いましたが、素直な驚きを表すことにしました、と作者。

カマキリのK音、ガリガリのG音、齧るのK音がコワーい感じですね。

⑩役目終え蟷螂めすに喰われけり   立雄

雌には、自分より小さくて動くものに飛びつくという習性があります。
その相手は雄も例外ではないようです。
一方、雄が雌を食べることはありません。
それでは自分の遺伝子を残すことが出来ないから。
雄がいくつもの雌と交尾をし、体力を使いすぎて餌になっている場合もあるとか。

                             遅足


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華麗なる翅拡げたり蟷螂が   佐保子

2013-09-25 09:19:20 | Weblog
かまきりの翅に注目して・・・2句。

⑨華麗なる翅拡げたり蟷螂が   佐保子

螳螂の翅は実にきれいです。作者はレースの夜会服のようだと。

⑭かまきりの少し乱れる薄い羽  狗子

多くのカマキリは飛行が苦手だそうです。
雄は身体が小さく体重が軽いため、よく飛んで移動します。
雌は身体が頑強で重いために、雄のようには飛ばないそうです。
翅はもっぱら威嚇のために使用する、とのこと。

螳螂が飛び終わって翅をたたみます。うまくないようです。
着衣が乱れて、と詠みました。メスの螳螂ですね。

                       遅足

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どんぐりコロコロ

2013-09-24 19:46:37 | Weblog
中秋の名月も、美しく過ぎ、実りの便りも届き
始めました。
やがて、野生動物たちが、お待ちかねの木の実
の季節です。

近年、里山や森が荒れ放題。命の糧を失った動
物が人の生活圏に出没し、有害動物などという
汚名で呼ばれたり。

木の実の中で、とりわけ親しいのは「どんぐり」
植物の分類では難しく、ブナ科コナラ属を中心
とした木の実の総称とのこと。

でもやっぱり、ドングリはドングリ。ポケット
の中や庭の片隅にポツンと忘れられて、何やら
耳を傾けている風情です。

  ・ ポケットのどんぐり何でも知りたがる

                  鳥野







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蟷螂の抗いて鎌風を受く    郁子

2013-09-23 09:07:19 | Weblog
螳螂といえば鎌。鎌を詠んだ方は3人。

②蟷螂の抗いて鎌風を受く    郁子

「抗いて」と「風を受く」が好き。蟷螂にも五分の魂? と麗子さん。

作者にとって、螳螂は怖い存在ではなく、不器用な老人というイメージ。
ドンキホーテのように親しみと愛しさを感ずるものだそうです。
息を吹きかけてやると、鎌をあげて戦う姿勢を見せる。
そこがまた愛おしいとか。

④肉食系鎌ふりかざす子かまきり   すみ

こうして種は伝承されていきます、と鳥野さん。
今や肉食系は女子。この子かまきりはもしかして女子大生?と麗子さん。
そういえば、

  役目終え蟷螂めすに喰われけり  立雄

という句も・・・

⑬いぼむしり得意満面鎌が鳴る   智恵

いぼむしり、という別名が面白くて、いかにも自慢げな構え、から、と作者。

人間なら腕がなるというところを「鎌がなる」と言ったところが面白いという感想も。

鎌はその名の由来ともなっているように螳螂最大の特徴。
6本の脚のうち、前脚が鎌状に変化したもの。

「蟷螂の斧」と言いますが、カマキリの鎌のこと。
カマキリが鎌を振り上げて大きな車に向かってきたという「荘子」などの故事から。
はかない抵抗の喩えとされています。

句の背景には、この蟷螂の斧のニュアンスも隠されていますね。  遅足



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かまきりに出あいこわばる四肢と声  晴代

2013-09-22 09:19:10 | Weblog
9月句会の題詠は「蟷螂」でした。
14句の内訳は、螳螂との遭遇を詠んだもの・・・2句。
鎌を詠んだもの・・・3句。翅に注目して・・・2句。
あの食欲、口をとりあげて・・・4句。目を・・1句。
その他が2句でした。
今回は、螳螂との遭遇を詠んだ句を取り上げます。


①かまきりに出あいこわばる四肢と声  晴代

昔、かまきりが飛んできて頭に・・・
周りの人たちが「かまきり!」と叫び、パニックに。
それ以来、かまきりには過剰なほど体が反応すると、作者。
こんな体験があっては、螳螂は恐怖の存在ですね。

⑦蟷螂や見らるるわれの縮みゆく  遅足

泣き虫だった私。土瓶敷が回って転がるだけでも泣き出したそうです。
きっと螳螂を見ても泣いたのだと思うのですが。
記憶をだどっていくと・・・
目の前に螳螂がいて、あの顔が大きくなっていく・・・
映画の一シーンのようなイメージが浮かび上がってきました。

蛇も大嫌いでした。草むらでガサガサと音がすると心臓がドキドキ。
螳螂は早く卒業しましたが、蛇は時間がかかりました。
今は恐怖心が消え、なんともないのですが。

なぜ螳螂や蛇は嫌われたり、恐れられたりするのか?
最初に怖いものという観念がなければ、
不思議な存在ということはあっても、怖いとは感じないはずでは・・・

恐怖心は人から人へと遺伝子情報のように受け継がれていくのかも・・・

                         遅足

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蟷螂や美濃一国の国主たる    遅足

2013-09-21 09:32:01 | Weblog
能の敦盛を観ました。
謡で習ったので、一度、舞台を観たいと思っていました。
とても良い舞台でした。

能を初めて観た時は、なぜこんなにテンポがゆっくりなのか・・・
昔の人だって退屈じゃないのか?と、思いました。
世阿弥の時代はもっと上演時間が短かったと聞き、さらに不思議に。
上演時間は長くなっていったことになります。なぜ?

理由は、観客である武家たちが、ゆったりとした時間を楽しんだためとか。
私たちはこんなに時間をたっぷり持っているというメッセージとのこと。

そうした楽しみ方が納得できるようになったのは、ごく最近のこと。
定年退職して時間を持て余すようになってからです。
平和がもたらした豊かさなのでしょうか・・・

明治以降、西洋に追いつくために時を惜しんで働いてきた日本人。
そろそろ身の回りを見直す時代になったのかも。




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