575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

木の実降る四角い窓の内と外     遅足

2012年09月30日 | Weblog
以前、外国旅行から帰ると、日本のマスコミの報道に
違和感を覚えた記憶があります。
一週間もすれば、また慣れてしまったのですが、
今は、外国に行かなくても、違和感が起きてしまいます。
とくに原発事故報道以降・・・
一体、なにが変ってしまったのでしょう?
報道の現場が、人々の生活の場ではなく、
政治家や行政の広報機関に限られていれば、
普通の人の感覚から、だんだん離れて行くのでしょうか?

台風の場合は、予想進路から被害の報道まで、実に懇切丁寧です。
しかし政治がからんでくると不透明な報道に・・・
どこか危うい感じがするこの頃です。

たんなる年寄りの愚痴なのかも・・・

いよいよ雨が降り始めました。


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先ず味見葡萄を描く姉妹かな    立雄

2012年09月30日 | Weblog
幼い姉妹が目の前に置かれた葡萄の味見してから、描いています。
微笑ましい景です。
ちょっと惜しいのは、どんな葡萄を描いたのかが見えてこないところ。

 味見しておおきく葡萄描く姉妹

これはイマイチですね。○のなかを埋めて下さい。

 味見して○○○○葡萄描く姉妹

葡萄といえばイソップにこんな話がありました。
キツネが、たわわに実ったおいしそうなぶどうを見つける。
食べようとして跳び上がるが、みな高い所にあり届かない。
何度跳んでも届かない。キツネは怒りと悔しさで、
「どうせこんなぶどうは、すっぱくてまずいだろう。」
と捨て台詞を残して去ったというもの。

このキツネが描くと、どんな葡萄が出来上がるのでしょうね?

大型の台風が接近中。我が家は、昨日、家の回りを整頓。
みなさんも気をつけて下さいね。
                       遅足

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口づけの余韻のやうに葡萄の香      亜子

2012年09月29日 | Weblog
葡萄を食べて、ふっと、その香りに気づく。
その香りを口づけの余韻のようだ、と言いとめました。
意外とありそうで、ない句だと思います。

「そうなんですか、納得しました」と鳥野さんも。

葡萄の匂いを詠んだ句を見つけました。

  葡萄熟れきったる匂ひしてきたる  井上喬風

この句の場合、爛熟の葡萄。
口づけの句は、まだ青さの残る葡萄?
あるいは、熟れ切った葡萄?
なにも言っていませんが、丁度、食べごろの葡萄が良いですね。
ちょっと甘い?という意見も聞こえてきそうですね。

この句、「吸う」というコトバが隠されています。

  妻へのみ通るわがまま葡萄吸ふ   原田孵子

こんな甘え方もあります。    (遅足)
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血圧を葡萄で下げる心意気    朱露

2012年09月28日 | Weblog
この句、どう読んだらいいのか?尋ねました。
作者はこう言っています。
血圧の敵は、塩分とカンシャク、です。
私は、腹背に敵をかかえて生きています。
では、葡萄は血圧に良いんでしょうか?
答えは、葡萄は血圧を左右しません、とのこと。
何がなんでも高血圧と闘うという心意気でしょうか?

ところが、インターネットに、こんなお話がありました。
米国の研究チームがマウスを使った実験で、
ブドウに血圧を下げる効果がみられたとのこと。
朱露さん、人体実験中なのでしょうか?    (遅足)


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そして   麗

2012年09月27日 | Weblog
遅足さんの句集、「そして」を読ませて頂きました。
思わずう~んとうなる秀句ばかり。すばらしい句集を頂けたことを感謝しています。
本日郁子さんと、遅足さんの句について語り合いました。

「秋の夜のさみしきパンを厚く切る」
ちょっとせつない句もいいですよね。

私が好きなのは
「鳥獣戯画ぬけだして冬日向まで」

それを短歌にした
「一匹に一羽と続く鳥獣戯画抜け出て冬の日向へ」

二人の絶賛短歌は
「生れ落ちこの世へひらく掌に雪の香はあり前の世の雪」
この短歌は我が母の日記にも記されています。
ますます楽しみな遅足さんの俳句・短歌。
すばらしいことばの贈り物を頂きました。ありがとうございました。麗
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秋高し小缶ビール目覚ましに    朱露

2012年09月26日 | Weblog
     快晴無風七時半人間共は姿を見せぬ。
     ビル・エヴァンスのピアノ「枯葉」。
     ジャズの「枯葉」なので滅茶苦茶だ。
     そこへ私のフランス語だから大混乱。


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青ぶどう部活バイトにあけくれて      静荷

2012年09月26日 | Weblog
青葡萄とは、
①色づき始める前の未熟のブドウ。
②皮が緑色のブドウのこと、とあります。
この句の青葡萄は、①の意味で夏の季語です。
学生を青葡萄を見立てた句と読みました。

夏休み、学生はバイトや部活に明け暮れました。
秋には甘い実となる青葡萄。
学生たちにも汗の見返りは確かにあったようです。

子供の頃に、こんな話を読んだ記憶があります。
お父さんが、死を前に、怠け者の息子にむかって
「あの畑には宝物を埋めておいた」と遺言。
父の死後、息子は一生懸命に畑を掘って探します。
しかし、ついに宝物は見つかりませんでした・・・
ところが、秋になると、畑に立派な葡萄が出来ていたというもの。

平成の学生生活はどうなんでしょうね。    遅足


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秋の朝自転に沿って雲西へ     朱露

2012年09月26日 | Weblog
    科学的に正しいかどうか知らない。
    自転のように見えたからそう書く。
    「それでも地球は動く」誰だっけ。
    ガリレオ・ガリレイ。頑固な名前。



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雀も少子化   鳥野

2012年09月25日 | Weblog
稔りの秋です。
かっては、田が色づき始めると、畦には案山子が立ち、穂波のまわりに、光り物がぶら下げられたものです。
そんな日本の秋の情景も、めっきり少なくなりました。
すずめの食害が減ったのでしょうか。

米を食べるから農水省、数の変化は環境省とそれぞれの分野で追跡しているようですが、
その結果、半減から5分の1という数とのこと。

住宅様式の変化、農業の機械化など雀にとっては、辛いことばかり。
親雀が連れている子雀の数も減少。少子化は明らかです。

原因はなべて人為。

俳句の季語に「雀蛤となる」がありますが、そう思うのも、せめてもの贖罪でしょうか。

  ・ 蛤になるべく雀砂浴びす  上野一考
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鳩の雛呑んだる胴と別にある尻尾が動き頭が動く    遅足

2012年09月24日 | Weblog
鳩が二羽の雛を育てていました。
かなり大きくなって、間もなく巣立ちかな、と思っていた矢先。
一羽の雛を車の下で発見。
巣に返してやろうと、5メートルほどある木蓮の木に登ったところ、
大きな蛇の胴体が・・・一羽を丸呑みして休憩中。
やがて欠伸を一つしてから、ゆっくり動き始めます。
・・・
10分ほどをかけて地上に達すると、草むらに消えていきました。
引っ越してきたばかりの時に小さな蛇を見ましたが
もう20年近く姿を見たことはありません。
一体、どこからやってきたのでしょう?

緊急避難をして地上に落ちた雛。
奥さんが箱に入れてベランダにそっと置きました。
しかし親鳥は、近くまで来ているのに近づきません。
二日目に死んでしまいました。
庭が急に静かになりました。

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許そうかぶどうの色に染まる爪    えみ

2012年09月23日 | Weblog
まず、許そうか、という上五にドキリ。
諍いがあったのでしょう。誰とでしょうか?
恋人?ここは身近な人との諍いとして置きましょう。

葡萄を食べながら、許すべきか、許さざるべきか?と反問。
葡萄をまた、一粒、剥いて・・・また一粒・・・
目は爪が染まっていくのを見つめています。
怒りはだんだん和らいでいくようです。
上五の、許そうか、は自分にむかっての問いかけと、作者。
もう怒りはおさまってきたようです。
そういえば「怒りの葡萄」という小説がありましたね。

                    遅足

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秋霖やなきに等しい前途楽し    朱露

2012年09月23日 | Weblog
      秋霖は秋の長雨で昨日から蟄居中。
      「秋霖人を愁殺す」と誰かの言葉。
      名前は知っているが言うのが嫌だ。
      彼も私などに言われては嫌だろう。



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多米の秋時の過ぎ行くままに聴き     朱露

2012年09月22日 | Weblog
    昔の米映画「カサブランカ」の主題歌、
    「アズ・タイム・ゴーズ・バイ」に涙。
    バーグマンとボガートはもう居ないさ、
    と書きながら鬼の眼に涙とはこのこと。


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宅配の幟はためく葡萄道     麗子

2012年09月22日 | Weblog
道の両側に「宅配します」の幟がはためいています。
向かっているのは葡萄園。たわわに実った葡萄棚。
その香りが漂ってくるような力のある句、と亜子さん。
観光ぶどう園、それぞれが盛況の秋です、鳥野さん。

この句のキーワードは葡萄道。
道というコトバが目的地へ向かう動きを。
はためく、という動詞が躍動感を感じさせます。

葡萄といえば山梨県を連想しますが、この葡萄道は愛知県。
作者の住んでいる小牧は、実は葡萄の産地です、のこと。
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この秋も多米連山へ片思い    朱露

2012年09月21日 | Weblog
      愛知と静岡の県境の山並み多米山脈。
      「山脈」では多米の山はテレるかな。
      「丘」と呼べば「ハイ」と答えます、
      と歌の文句みたいに言ってはにかむ。



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