575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

朝顔の萎れし花に雨の真珠  等

2022年09月30日 | Weblog

 

今月の兼題「朝顔」を提案してくださった 等さんの美しい句です。

 

毎日、ひと花ひと花咲きのぼる朝顔はとても強くて明るいイメージがありましたが、よく見れば花の時間は短くて

その陰にひっそりと萎れた花がらがありました。その花に落ちる雨粒が真珠のようだと作者は感じたのでしょうか。

泉さんは、

「少し元気がなくなっていたが、雨が降り花も生き返る」と解釈しました。なるほど再び生き生きと蘇る朝顔には真珠の雨粒も似合いそう。

等さんはどのような景を詠んだのでしょうか

 

 朝顔のしぼみし皺に露光る  竹葉

 

とても似た句のように思いますが

こちらは確実に花の終わりを詠んでいます。大輪の朝顔ではなく、盛りを終えてしぼんだ花がら。。

皺という表現が人間味をおびて「お疲れさま」というねぎらいの言葉とともに露が涙のように思えなくもありません。

作者のやさしさを感じます。   郁子

 

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朝顔のアパート上る一人部屋  結宇

2022年09月29日 | Weblog

我が家のご近所にも二階のベランダまで蔓をのばした朝顔があります。暑い最中、青、紫、赤と色とりどりの花をたくさんつけて目を楽しませてくれました。今は随分花は少なくなりましたが、まだ咲いています。そのお宅は数年前、奥様を亡くされご主人が一人暮らし。毎朝その花から元気をもらっておられるようです。朝顔の力強さ、楚々とした美しさ。午前中だけの短い花の命ですがあたりを明るくしてくれますね。

結宇さんのこの句は、単身者のアパートでしょうか?一人暮らしの部屋に少しでも彩りをと大家さんが植えた朝顔かも知れません。朝顔の勢いが感じられます。

皆さんのコメントです。

等さん:朝顔の花も昔とは様子が随分変わりました。多分この部屋の朝顔も寂しいものでしょうね。

能登さん:一人部屋の住人が気が付かないうちに、朝顔が上って行ってしまったのか、それとも一人部屋へ向かって上っているのか、色々想像できて面白い。

千香子さん:朝顔に癒されている人の顔が浮かびます。

郁子さん:朝顔の生命力はすごいです。一人部屋には学生かまたは男の一人住まい?花とは無縁な殺風景な男所帯の気がしてくすっと笑える。

竹葉さんも採られています。

           ★★★

季節は進み、朝顔からコスモス。そしてあぜ道には曼珠沙華がいつの間にか咲いています。

花との対話も楽しみたいものです。麗子

 

 

 

 

 

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朝顔や寄り所なく蔓ゆれて 千香子

2022年09月23日 | Weblog

朝顔は蔓を伸ばし何かに巻き付きながら成長します。

お手本のような写生句ですね。こちらもたくさんの票を集めました。

 

能登さん: 「寄り所なく」が良いと思います。

須美さん: 蔓の様を寄り所なくと表現した所が面白い。

泉さん::  蔓を巻きつかせる支えがなくて、ゆらゆらと揺れている。

佐保子さん、竹葉さん、私もいただきました。

何かにつかまろうと空をまさぐる蔓が風に揺れる・・

「寄り所ない」という言葉を選択することで秋の寂しさやご自分の心の揺れを見事に表しています。

 

同じく蔓に焦点を当てた私の句。蔓の先端に生への執着、生き物の頭脳というか力が結集しているように思いました。

 藪を這うアサガオ蔓に磁力あり  郁子

 

晴代さん: 蔓に磁力ありとの見方がよい 

須美さん: 磁力ありが面白い。

 泉さん:  地面を這う植物は強い!

 

     

アサガオの表記は漢字がよいのではとご指摘いただきました。

確かにカタカナでしたね。漢字が続くと「蔓」が目立たないかなと迷いました。

横書き表記にするからでしょうか。   郁子

 

 

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亡き母の朝顔の種茶封筒  須美

2022年09月22日 | Weblog

朝顔句会で見事トップ賞に輝いた須美さんの秀句です。

投句の際、「母が亡くなって遺品の整理をしていると、文箱の茶封筒に朝顔の種が入っていました。植えるつもりでいたのかと思うと切なかったです。」という一文が添えられていました。須美さんのお母さまは植物がお好きだったのでしょう。

お母さまが大切にしていた朝顔の種。茶封筒というところが具体的で、朝顔からお母さまの面影まで浮かぶ優しい句ですね。それにしても一粒の種からあれほど花が咲きたくさんの種が採れるのは本当に不思議です。

皆さんからのコメントです。

等さん:昔は朝顔の種を収穫し、仕舞っておいて翌年に撒きました。今では花の咲いた鉢を買って来るだけになったようです。

能登さん:生前の御姿が見えるようです。

千香子さん:朝顔は私も毎年採種しています。 咲いた花からお母さんを思い出せるのは いいですね。

結宇さん:そろそろ遺品整理でもせねばと思いますね。 案外なところに思わぬものが

     残されたりしてますね。 元気なら、咲いているころでしょうか。

亜子さん:茶封筒の中の種がカサカサと触れ合う音が聞こえてくるような句。亡くなった方とこれからの命の芽生えの対比がよい。その昔、母が「種はうらぎらない」と言ったことを思い出しました。

遅足さん、竹葉さんも採られています。

実は私も同じ経験をしています。我が家の庭の朝顔は、生前母が採っていた種を持ち帰り植えたものです。亡くなったあと実家の庭のガラスケースからこぼれるほどたくさんの種が出て来ました。毎朝、朝顔を見ると「お母さん!今日も咲いたね」と語りかけています。夏の終わりからたくさんの花をつけてくれた朝顔の花も、一昨日、最後の花となりました。今は蔓にたくさんの種が大きく膨らんできています。私もまた種を取ります。麗子

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朝顔句会の結果発表です!

2022年09月21日 | Weblog

2022.9月兼題「朝顔」

  1. 今朝の分ひらき朝顔空ひろげ (晴代)遅足・佐保子・麗子
  2. 朝顔や目覚め競ひしはるかな日 (亜子)晴代
  3. 朝顔の萎れし花に雨の真珠 (等)泉
  4. 朝顔や寄り所なく蔓ゆれて (千香子)能登・佐保子・須美・郁子・泉・竹葉
  5. 亡き母の朝顔の種茶封筒(須美)等・能登・遅足・千香子・麗子・結宇・亜子・竹葉
  6. 朝顔や種落ちて咲く野の花に (泉)佐保子・千香子・結宇
  7. 藪を這うアサガオ蔓に磁力あり (郁子)晴代・須美・泉
  8. 色水のために朝顔あつむる児 (佐保子)等・晴代・遅足
  9. 朝顔の生き急ぐごと五つ六つ(麗子)結宇・亜子
  10. 朝顔のアパート上る(のぼ)一人部屋(結宇)等・能登・千香子・郁子・竹葉
  11. 永い夏耐え朝顔の健気かな (能登)須美・麗子・亜子
  12. 朝顔のしぼみし皺に露光る (竹葉)郁子

自由題

  1. 島は秋オリーブ色のポストかな(千香子)等・晴代・麗子・結宇
  2. 名月やかかる岐阜城シルエット(泉)佐保子・千香子・麗子・竹葉
  3. 長良川篝火揺れて山に月 (郁子)須美・泉
  4. 団子手に名月何処と探しをり (等)能登・遅足・亜子
  5. 朝ごとの雲との対話秋涼し(亜子)等・晴代・遅足・須美・千香子・麗子・泉・竹葉
  6. 校庭に嘉助呼ばわる二百十日 (結宇)佐保子
  7. 秋暑し赤子じっとり腕の中 (須美)結宇
  8. 幾百の法師蝉啼く雨上り (佐保子)能登・郁子・泉・竹葉
  9. 哀しみを抱えて過ごす晩夏かな(麗子)能登・佐保子・郁子・亜子
  10. 無残やな盛りを伐られ百日紅 (晴代)等
  11. コロナ禍の不義理を詫びて墓洗ふ(能登)晴代・遅足・須美・千香子・郁子・結宇・亜子
  12. 風呂に入り吾を呼ぶ虫の声高し (竹葉)

 

いかがでしたでしょうか?いろんな朝顔が花開き、しぼみ、種をつけました。トップ賞は兼題が須美さん、自由題では亜子さんでした。おめでとうございました!!

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朝顔句会の投句が揃いました。

2022年09月20日 | Weblog

大型の台風に気をもんだ三連休でした。朝顔も花の季節を終えたようです。投句が揃いました。明日の結果をお楽しみに。

兼題「朝顔」

①      今朝の分ひらき朝顔空ひろげ 

②      朝顔や目覚め競ひしはるかな日 

③      朝顔の萎れし花に雨の真珠 

④      朝顔や寄り所なく蔓ゆれて 

⑤      亡き母の朝顔の種茶封筒 

⑥      朝顔や種落ちて咲く野の花に 

⑦      藪を這うアサガオ蔓に磁力あり 

⑧      色水のために朝顔あつむる児 

⑨      朝顔の生き急ぐごと五つ六つ

⑩      朝顔のアパート上る(のぼ)一人部屋 

⑪      永い夏耐え朝顔の健気かな

⑫  朝顔のしぼみし皺に露光る 

 

自由題

①      島は秋オリーブ色のポストかな 

②      名月やかかる岐阜城シルエット 

③      長良川篝火揺れて山に月 

④      団子手に名月何処と探しをり 

⑤      朝ごとの雲との対話秋涼し 

⑥      校庭に嘉助呼ばわる二百十日 

⑦      秋暑し赤子じっとり腕の中 

⑧      幾百の法師蝉啼く雨上り 

⑨      哀しみを抱えて過ごす晩夏かな 

⑩      無残やな盛りを伐られ百日紅 

⑪      コロナ禍の不義理を詫びて墓洗ふ 

⑫  風呂に入り吾を呼ぶ虫の声高し

 

 

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八月や白木の箱に石ひとつ  亜子

2022年09月16日 | Weblog

選句された皆さんのコメントを紹介します

竹葉さん: 八月は戦争を考える月ですが、帰らぬ人を思う悲しみと怒りを静かに訴える珠玉の句だと思います。

結宇さん: 身に沁みます。小生の父の白木の箱が2個ありましてね。国からのは、一片の紙切れ。他方は戦友が現地から持参してくれました。中は炭化した人差し指でした。 失礼。

能登さん: 合掌あるのみ。先の愚戦の無責任参謀たちは、戦後をのうのうと生き抜いた人も多かったとか。

千香子さん: 「 八月や」 が語られるうちはまだ大丈夫という声もありますが 「 戦争が廊下の奥に立ってゐた」と渡辺白泉が詠んだのは1939年 太平洋戦争の始まる前でした。戦争の愚かさを いくら語っても語り尽くすことはないと思います 朝ドラでも沖縄の遺骨収集の場面が出てきました

 

 作者の亜子さんは八月には必ず戦争の句をつくると決めていらっしゃるそうです。この575の会にも毎年投稿されています。

 どんなに時が経とうと、語る人、語り継ぐ人がいる限りこの事実は風化しません。私も今年は「原爆忌」の句をつくりました。

 

  蝉奏づ哀しみの通奏低音  郁子

竹葉さん: 蝉のなく8月の哀しみを「通奏低音」という音楽用語を使いながら、何となくその語感から意味が分かる凄い句だと思います。

麗子さん: 「通奏低音」という専門用語を俳句に用いたところが斬新でした。日本にとって、8月は哀しみの月。この時期、蝉の鳴き声がより一層哀しみを深くし忘れることはできません。①(白木の箱)の句は戦争の記憶の具体的な俳句ですが、こちらは蝉の奏でる哀しみという抽象表現。今回はこちらをいただきました。

亜子さん:  蝉の声を「哀しみの通奏低音」と表現。その哀しみは蝉自身の命の短さか、あるいは日本の戦中、戦後の人々の哀しみか。比喩として「一つのテーマが流れている」というこの通奏低音という言葉を俳句に取り込むのは難しいが蝉の声とよく合っている。

 

 黙とうの最中いっそう響き渡る蝉の声が今も何か問いかけているように感じました。  郁子

 

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メモ見つつ投票すみし母へ古茶  千香子

2022年09月15日 | Weblog

死に票を投じて帰る西日中    池内真澄

朝日俳壇に載っていた句です。

投票で母の事を思い出しました 。90代になり認知症を発症した母ですが、なんとか投票してほしいと思い、家で何度も練習しました。

ゆっくりできる期日前投票に行き、なんとか書いていたと思うのですが、

ある時{「○○党」と書くんだったね}と家にいる時の調子で聞いてきました。うなずくよりほかにありませんでした。

他に人はおらず、係りの人も苦笑していただけですが、それ以後投票に行けなくなりました。

死に票とわかっていても、車椅子でも投票に行く人がいる一方で、投票率は年々下がっています。

衆議院議員選挙の場合2012年から投票率は50%台になってしまい、この7月の参院選も52.5%、10代では34.4%でした。

2021年ドイツの連邦議会選挙は投票率76.6%だった、とドイツ在住の高橋萌さんという人が書いています。半分は郵便投票だったということです。

日本国内でも2004年から一定の条件のもとで郵便投票が可能だと知りました。

選挙は   養花天選挙合戦空ラ響き  高澤良一

     選挙連呼街はやかまし漱石忌  山口青邨

     の句のように賑やかというイメージがあるのですが。

  空ラがどうしてラが入っているのでしょう。                  千香子

 

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竹中敬一さんの本が出版されました!

2022年09月12日 | Weblog

この575の会のブログに記事を掲載してくださっている竹中さんが、テレビ草創期からのドキュメンタリーディレクターの軌跡として、「終わりゆくテレビ時代に」という本を出版されました。以前、ブログにも書いていただいたカメラルポルタージュの裏話や、平塚らいてうさん、三岸節子さんなど歴史上、貴重なインタビューの思い出などこれまでの仕事を振り返っておられます。常に「事実」を伝えようとドキュメンタリーの制作に奔走した日々をつづり、これからのメディアに何が必要とされるのか?と次の世代に問いかける一冊となっています。表紙にはご子息の絵も登場。竹中さん、ご出版おめでとうございます!!麗子

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新涼や朝刊めくる音静か  麗子

2022年09月09日 | Weblog

今日は重陽の節句です。

ようやく「秋気」を感じるこの頃、朝刊をとりに玄関から一歩踏み出す瞬間が楽しみとなりました。早起きならでは味わえる爽やかな瞬間です。

この句からは、清涼な朝に新聞に見入る作者の知的な横顔が想像されます。

コメントの紹介です。

 結宇さ: 朝一番の朝刊、印刷の香りとも楽しみですよね。秋となり、静かな朝でしょうか。

 泉さん: 夏も終わり、世間が静かになり、いつも読む朝刊もめくる音がする。

他に竹葉さん、晴代さん、遅足さんもとっておられます。

 

秋の訪れとともに、しだいに遠ざかるものも。。

 秋扇カバンの底に潜りおり  須美

 

能登さん: 「潜りおり」がいいですね。

泉さん: 夏によく使った扇子もいつの間にか忘れてカバンに入ったままの様子がわかる。

亜子さん: まさにその通りで私のハンドバックにも扇子が潜んでいます。、

  

秋扇 秋団扇 秋簾・・季節が移りだんだん不要になるものに着眼するのも俳句の魅力かと思います。

そういえば、夫の部屋の簾は一年中掛けっぱなし。「目隠し」の役割もありますが何年になりますか・・

年季の入った色となり記録更新中。そろそろ簾の別れですかね。  郁子

       

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病む君のわがまま残暑ながながし  竹葉

2022年09月08日 | Weblog

自由題で見事トップ賞に輝いた竹葉さんの秀句。

体に堪える残暑。健康な人でも辛いのに闘病中ならなおさらです。わがままも言いたくなるでしょう。「わがまま」と「ながながし」がどこか響きあっている感じがしました。そして、作者はこのわがままに寄り添っておられる気がしました。

皆さんからのコメントです。

結宇さん:実景なれば、よく気分が出てますね。お大事に。 

千香子さん:夏を乗り切った 勢いで頑張って下さい。

須美さん:病む君のわがままを苦々しくは思っているのだろうけれどなんだか憎めない愛を感じる。

亜子さん:少しわがままを言って甘えている様子。それが長く続いて作者は少し疲れているのかも知れないが、俳句に詠むことで介護ストレスを解放して欲しいと思う。愚痴っぽくならずに巧みに詠まれている。「ながながし」がいい。

晴代さん、佐保子さん、能登さんも採られています。

       ★★★

「トップ賞おめでとうございます!!」と竹葉さんにお祝いのメールをお送りすると、あろうことか、句会の結果発表の前日にご主人様が亡くなられたという訃報が届きました。あまりに突然のことに、おかけする言葉も見つかりませんでした。。。

それでも、「夫がいてくれたから句ができて、これからが思いやられます。最後に報告もでき嬉しく思います。ご心配ありがとうございました。」と大変な時に早速お返事を下さいました。

闘病を支え続けた竹葉さん。「秋めく」の兼題では

    秋めきてただただ眠る夫の顔

という句を作っておられます。やはりご主人のことを詠んでおられました。優しく見守る竹葉さんの姿が見えるようです。

郁子さん:夏の間、体調が悪かったのでしょうか。少ししのぎやすくなりよく眠れるようになったのでしょう。夫の寝顔を見ながら安堵すると同時に、その静かな時間に寂しさも感じているような。人生の秋がオーバーラップします。

須美さん:夏の疲れがでたのでしょうか?それとも秋めいて落ち着いて寝られるようになったのでしょうか。眠り込んでいる夫の顔を覗き込む妻の安堵というか愛を感じる。

          ★★★

あれから2週間経ち、竹葉さん、少しは落ち着かれたでしょうか?いろんな思いが入り乱れて俳句どころではないかも知れませんが、これからまたご主人との思い出を句にされることによって少しでも淋しさがまぎれればと思います。ご主人もきっと竹葉さんの俳句を楽しみにされていると思います。一同、心からお悔やみ申しげます。麗子

 

 

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暮れかかる林の葉擦れ秋めきぬ  千香子

2022年09月02日 | Weblog

まだまだ厳しい炎天続きではありますが、日の暮れになると今までと少し違った肌感覚を感じることがあります。

林を通り抜ける風が葉を揺らす・・・その擦れ合う音に作者は秋の訪れを感じたのでしょう。静かな環境と繊細な感性ならではの一句と言えそうですね。

 

皆さんからのコメントです。

 晴代さん:風がまず秋の気配を運んできますね。

 亜子さん:「林の葉擦れ」が「秋めく」によく合います。以前、北海道の余市のプラタナスの葉擦れの音を聞きました。それは美しく、しばらく佇んでいたことを思い出しました。

 能登さんもとられました。

 

 

【 秋来ぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる 】

 不勉強な私が今もそらで言える数少ない一首(国語の先生に感謝)

 さやかに見えなくとも風で知る秋の気配です

秋風の傍題として、「金風」「爽籟(そうらい)」があります。

  金風というのは、木火土金水の五行説で秋が金に配されることから。

  爽籟(そうらい)の 「籟」は三つの穴のある笛の音ということから秋風の爽やかな響きを意味するそうです。

他にも素敵な秋風の異名を見つけました。

〇色なき風

 秋は一面質素な色合いであり、春や夏の華やかさがないことから、色がない季節=色のない風が吹く季節とされる。

〇雁渡し 

 初秋から仲秋にかけて吹く北風。雁が渡ってくるころの風から。別名「青北風(あおぎた)」ともいい、この風が吹くと海も空も青く澄むよ
うになるという漁師から生まれた言葉

〇黍嵐(きびあらし)

 黍の穂を倒さんばかりに吹く秋の強風をいい、里芋畑では大きな葉っぱが風に揺れて裏返る様子が見られることから 芋嵐 とも言います。

 

強風と言えば。猛烈な台風11号の動きが気になる週末となりそうですね。

大きな被害が出ないことを祈っています。 郁子   

 

 

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遠浅のま白き波頭秋めきぬ  亜子

2022年09月01日 | Weblog

今日から9月です。子供たちが大きな宿題をかかえ、少し疲れた様子で登校して行きました。我が家でも毎朝、朝顔が5つ6つ健気に咲いて、やはり朝顔は秋の季語なんだな~と実感しています。台風も接近し、蒸し暑いながらも秋の気配が日ごと深まって来ています。

さて、亜子さんのこの句。これぞ秋の気配という秋のはじめの波の様子です。

亜子さんのご親戚が知多半島の河和におられ、以前、遊びに出かけた思い出を詠まれました。そこには美しい遠浅の海が広がっていたそうです。お盆を過ぎると波頭に白波が立つ。それは夏の海の景色とは違い、季節の移ろいを感じたそうです。いつまでも心に残る風景のようでした。

皆さんのコメントです。

竹葉さん:「遠浅」だからこそ波頭は穏やかでより秋を感じさせてくれると思いました。

千香子さん:波も夏の勢いが微妙に緩くなっているように見えたのでしょうか。

泉さん:越路吹雪の「誰もいない海」の歌を思い出した。

遅足さん、私も採らせていただきました。これぞ俳句。美しい絵画を見るようです。真夏の白波ではなく、どことなく秋めいて来た夏の終わりの海が目の前に広がった気がしました。亜子さんは思い出の句を詠むのが大変お上手です。それは日々を丁寧に過ごしておられるからだと思います。 麗子

 

 

 

 

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