575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

秋冷と天空へ上る(ノボル)野良着かな     結宇

2014年10月31日 | Weblog
句に詠まれているのは、新潟県の秋山郷。
日本の秘境100の1つ。平家の落人伝説が残る郷。
かってはクマ狩りや焼畑を行っていたところ。
農家は山を上へ上へと耕して、天に届かんばかり・・・
野良着が天空へのぼっていくと捉えました。

同じような山村のひとつに長野県の遠山郷があります。
集落は標高千メートルの斜面にあります。
ここも耕して天空にいたる郷で、日本のチロルとも。

            

K県、熊本県にいってきました。報告したいと思います。

                       遅足

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冷やかに捜さないでの置手紙     狗子

2014年10月30日 | Weblog
ドラマのような一シーン。映画のよう、と言う声。
作者もテレビドラマからヒントを得たとのこと。
捜さないでの、という中七。刑事ドラマのようですね。
しかし、この中七は言い過ぎでは?
置手紙の中身は読者の想像にゆだねたほうが良いかも。

  冷やかや走り書きなる置手紙

                    遅足

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希望の光    麗

2014年10月30日 | Weblog
昨日、友人から素敵なプレゼントをいただきました。

先日、ノーベル賞を受賞された名古屋大学の赤崎勇特別教授が1989年の発明された青色LEDを使った名古屋大学の名前の入ったライトつきキーホルダーです。
名古屋大学の生協で売っているそうです。

受賞直後は入荷待ちになってしまった名古屋大学グッズの人気商品。ボタンを押すと明るい白い光が。夜、鍵穴を探すときにも暗闇でも便利。

赤崎先生、天野先生の快挙で名古屋大学の未来もますます明るくなりましたね。いただいた私まで明るい希望の光に思えました。
名古屋のおみやげとして重宝しそうです。
ちなみにコースターもあるそうですよ。

追伸  今日生協に行った人の話によるとまだ売り切れ状態で11月中旬に入るそうです。
その時はノーベル記念館も行って見て下さいね。
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山羊さんの話   鳥野

2014年10月28日 | Weblog
私が愛読している日刊の地方紙。身近な
記事が、タブロイド版に溢れるほど載せ
られています。
取り分けて、動物に向けられる眼差しは
暖かい。
ペットの里親探し、迷イヌの情報、食害
動物の動向や対策など、人間以外の出来
事にも細心です。

先日は「山羊を貰ってください」の写真
付き囲み記事が。生後5か月のオスで名
前は桃太郎、美しい蕎麦畑の景観で知ら
れる中山高原育ちで、大人しい子とのこ
と。

山羊をあげます、なんて、都会では考え
られない呼びかけ。アルプスの少女ハイ
ジとペーターの世界です。
記事から2旬が過ぎ、蕎麦の刈入れも終
わりました。
あの山羊さんは何処へ貰われて行ったの
でしょうか。

 ・地に降りしスターダストか蕎麦の花
       
             鳥野
             
            
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冷(すさ)まじや千の団栗踏みしだく     静荷

2014年10月27日 | Weblog
通学路に落ちていた団栗。一人が踏んづけると、次々に・・・・
子供達が一斉に踏みしだいている様子を詠んだと、作者。

鳥野さんは、ドングリの実をひき潰すタイヤ。
容赦のない音、と読みました。
私も鳥野さんと同じようになにか大きなものが
団栗を踏んでいると感じました。

踏みしだく、という言葉は車も連想させます。
また、冷まじや、という音が「凄まじい」という意味を
強く感じさせるためでしょうか。

今日から数日、K県へ旅行に行ってきます。  遅足



            
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冷やかに告白軽くいなされて    立雄

2014年10月26日 | Weblog
あの夏の日の恋。秋になって思い切って告白・・・
アッサリかわされてしまいました。

この句、散文にすると、
私の告白は冷やかに軽くいなされてしまいました。
となり、季語が働いていない感じがします。
季語を生かすには「冷やかや」と上五で切ったほうが良いと思います。

もう一句。

  冷やかに視線をはずす元夫婦   すみ

この句の場合も「冷やかや」とするか「秋冷」を使って

  秋冷の視線をはずす元夫婦

としたらどうでしょうか?       遅足


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石像の兵らの佇立冷(すさ)まじや   亜子

2014年10月25日 | Weblog
冷まじや、は晩秋の季語です。冬の寒さがもうすぐそこに。

日清、日露戦争。昭和の15年戦争。敗戦。
日本は半世紀、戦争の連続でした。
町や村から若者が出征。凱旋したり、遺骨になって帰ってきました。
神社や寺院の一角には、出征兵士の名を刻んだ石碑があります。
父の故郷には、叔父さんの名の入った石碑も。
なかには石像をつくる所もあったようです。
この句の石像は日中戦争と太平洋戦争で戦死した兵士たち。
一体づつ故人に似せてつくられた石像は、私たちに何を訴えているのでしょう?

父の里に行く途中、セメントで作られた兵士の像がありました。
何時の頃からか、姿が消えていました。
戦争の記憶が一つ一つ消えていきました。
そして今、安倍さんは軍事国家をきずくことを政治の目標に。
ものが言えない政治の冬がやってこないように。
この一句はそんな気持ちが込められています。
                         遅足

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冷やかや牧水の書を床の間に    遅足

2014年10月24日 | Weblog
季節ごとに取り替えていらっしゃるのでしょうね、との声。
聞けば、床の間のない家だそうです。
私もマンション住まいの時には床の間はありませんでした。
中古住宅を改築をした際、床の間を作りました。
不相応なくらい広いのですが、大体ものが積まれて・・・
退職を機に床の間として復活。
春夏秋冬と掛け軸や絵をかざっています。
時々、若山牧水の拓本の掛け軸をかけています。

秋なら酒を詠んだ歌。

  白玉(しらたま)の歯にしみとほる秋の夜の
            酒はしづかに飲むべかりけり

と行きたいところですが、これはありません。
想像して一句にしました。

庭の蜜柑、柚子が色づき美味しそう。
南天の実も赤みを増してきました。
一歩、一歩、晩秋から冬へ。
季節が動いていきます。
お酒が飲めたら楽しみも倍以上でしょうね。
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介護百人一首 麗

2014年10月23日 | Weblog
たまたまテレビで見た介護百人一首というEテレの番組。
どのうたも心揺さぶられるものばかり。
思わず涙が溢れた一首。

雷や地震に弱き私ゆえ認知の夫にひしとすがりぬ

山形県の横山圭子さんの作品。
子供さんのいないご夫妻だったそうですが、亡くなった旦那様の
お墓の前でこの短歌を読み上げるシーンで落涙。
秋は涙もろくなります。

このあと1時5分から続きが放送されますよ。
俳句もいいけど短歌もね!というこの頃です。
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冷やかに月蝕すすむ雲合間    佐保子

2014年10月22日 | Weblog
秋の雨が3日続いています。秋晴れが恋しくなりました。

10月8日。皆既月食が見られました。ひさしぶりです。
雲の出た時間もありましたが、赤い満月となりました。
大気によって太陽の光のうち波長の長い赤系の光が散乱。
それが月を赤くしているとのこと。

「ブラッドムーン」(血の月)ともいうそうです。
ちょっと薄気味が悪い感じ。
不吉なことの前兆とされたのも分かります。

見ているうちに身体が冷えてしまいました、と作者。
冷えてきて最後まで見られませんでした、と麗子さんも。

次回の月蝕は来年の4月4日だそうです。
                       遅足

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ひときわの赤   鳥野

2014年10月21日 | Weblog
ひときわ濃い赤、やや大きめの葉、遠目にも群を
抜いて美しい。地元の人に尋ねると「イワガラミ
でしょう」と。
後で調べてみると、イワガラミはユキノシタ科の
蔓性植物。美しく紅葉することはないらしい。
それは恐らく「ツタウルシ」ということになりま
した。

それにしても、ツタガラミとは、言い得て妙。絡
みついて這い上がる蔓性植物は強い。
岩であろうと大樹であろうと、これと思えば種の
保存のためにと、絡みつきます。
付き纏う、絡める、まつわる、絡みつく、・・・
絡まれた側も、迷惑を承知の上での共存。
羨ましい自然界のバランスと教えられた紅葉の山
でした。

 ・ 寄り添っていよよ紅葉ツタウルシ 鳥野
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冷やかに光の朝のカトラりー    晴代

2014年10月20日 | Weblog
カトラリーは食卓用のナイフ・フォーク・スプーンなどをまとめていう語。
光の朝の、という中七が良いですね。
冷やか、という季語で光の美しさを詠んだのはさすがです。

好天を約束された秋の日の朝。食卓の用意、完了です。と鳥野さん。
カトラリーはおしゃれ。特別な朝ですか?と、麗子さん。

毎日の朝食、テーブルにランチョンマット。
ナイフ、フォークをきちんと並べて・・・
一日の始まり、朝食を大切に、という心配りです。

句会ではカトラリー派とお箸派と半々くらい。
なかにはお箸でスープを食べるという人も。      遅足






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冷やかやあったかパジャマ揃えおり   麗子

2014年10月19日 | Weblog
急に肌寒くなったこの頃。
冬支度として家族のパジャマを取り揃えている様子が思い浮かびます。
あったかパジャマという中七に乙女チックな語感がカワイイという声も。

パジャマの語源は、なんとヒンディー語とのこと。
もともとは民族服のズボンを指す言葉。
インドに駐留していたイギリス人が寝巻として使用。
それが世界中に広まっていったそうです。

子供のころ、寝る時は浴衣のような寝間着でした。
いつからパジャマになったのか?記憶にありません。
いつの間にか日本中がパジャマ党に。

目下のおしゃれはパジャマのみ。冷えに弱いです、と作者の声。

                          遅足
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秋冷や黄瀬戸の肌の温もりを   えみ

2014年10月18日 | Weblog
黄瀬戸(きぜと)は、安土・桃山時代に美濃を中心として焼かれた古陶。
鉄釉によるあたたかい黄色が大きな特色。
銅釉の緑で文様を施されたものもありますと辞書に。

黄色の茶碗と秋冷との取り合わせが優雅な世界を作り上げています。

暖かいお茶が入っているかしら?と麗子さん。
句会でも茶席での一服と読んだ人。
美術館で茶碗を鑑賞しての句と意見が分かれました。
できれだ、黄瀬戸で一服頂くような豊かな生活に憧れますが・・・

                        遅足


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10月句会の最終結果です。     遅足

2014年10月17日 | Weblog
10月句会の結果です。8人の出席。
題詠は能登さん、自由題は亜子さんが最高点でした。
(写真はサンゴ草です)


題詠「冷やか」
①秋冷や黄瀬戸の肌の温もりを(えみ)能登・佐保子・智恵・静荷・郁子
②冷やかやあったかパジャマ揃えおり(麗子)佐保子・結宇
③冷やかに光の朝のカトラりー(晴代)鳥野・遅足・すみ・結宇
④冷やかに月蝕すすむ雲合間(佐保子)麗子・えみ・静荷・晴代
⑤冷やかや牧水の書を床の間に(遅足)智恵・亜子・立雄
⑥石像の兵らの佇立冷(すさ)まじや(亜子)能登・智恵・遅足・立雄
⑦冷やかに告白軽くいなされて(立雄)狗子
⑧冷(すさ)まじや千の団栗踏みしだく(静荷)鳥野・亜子・晴代・すみ・立雄
⑨冷やかに捜さないでの置手紙(狗子)静荷
⑩秋冷と天空へ上る(ノボル)野良着かな(結宇)郁子
⑪おはようの猫の鼻先ひやひやと(郁子)麗子・えみ・狗子・すみ・結宇
⑫冷やかに視線をはずす元夫婦(すみ)能登・狗子
⑬秋冷や警策(きょうさく)の音床に鳴る(能登)えみ・鳥野・佐保子・亜子・郁子・晴代
⑭幾年月青く冷えたる光追い(智恵)麗子・遅足


自由題  
①コスモスや風に飛翔のきざしあり(静荷)
②果てしなく果ての果てまで彼岸花(亜子)麗子・えみ・鳥野・佐保子・智恵・郁子・すみ・立雄
③木犀の香りに濡れる言葉です(遅足)麗子・静荷
④そっと置く父母の写真に彼岸花(立雄)晴代
⑤幾度も見に来し萩の散り果てぬ(佐保子)えみ・鳥野・能登・遅足・結宇
⑥失恋の肩にポツリと木の実かな(狗子)佐保子・郁子・立雄
⑦一葉づつ染めて散らして秋の雨(晴代)智恵・狗子・静荷・亜子・すみ・立雄
⑧秋麗駅に降り立つ父と母(麗子)遅足・亜子・郁子・結宇
⑨恋わずらい軽症ですが秋深し(えみ)麗子・能登・遅足・狗子
⑩卒寿母医者は要らぬとりんご買う(すみ)亜子・晴代
⑪白蝶の野分のあとの弱りかな(結宇)狗子
⑫秋風に唱歌の和音なぞりおり(郁子)能登・智恵・晴代・結宇
⑬御嶽山ひつぎの通る草もみじ(能登)えみ・佐保子・静荷・すみ
⑭カメラ群赤き陽狙い無言なり(智恵)鳥野

次回は11月19日(水)午後1時  東鮓
題詠は「なわとび」です。
竹馬とともに冬の子供たちの遊びとして季語となっています。







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