575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

夏服や手でしわ伸ばし良しとする    すみ

2014-06-30 08:30:18 | Weblog
手で皺を伸ばして整えることを手熨斗(てのし)というそうです。
取り出した夏服のちょっと気になる皺を手熨斗、
これで良しとしよう、という主婦の気持ちを素直に詠んだ佳句。

辞書を引くと手熨斗とは
①江戸時代、貴人が目下の来客に応接する時の礼法の一種。
結んだ熨斗鮑のしあわびを貴人が手ずから取って与えること。
②手火熨斗(てびのし)に同じ。

手火熨斗とは、金属製の片手鍋のような容器を温めて、
その熱と重みで布のしわをのばすこと、とあります。
子供の頃にみたことがあります。

その後、炭火を使ったアイロン。さらに電気アイロンへと進化。
今では、そのアイロンも姿を消しつつあるようです。
我が家でも、どこか部屋の片隅で眠っているのでしょう?
ここ十年以上見たことがありません。

   嬰のもの手熨斗に畳む小春かな 片岡 祥子

追伸
この句、夏の暑いのにアイロンをかけるのはちょっとイヤだな。
こういう気持ちが込められているのを読み取らなくてはダメでは?
と、奥さん(佐保子)から指摘されました。
                        遅足
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基隆(キールン)に着きて船員夏服へ    佐保子

2014-06-29 12:55:29 | Weblog
船旅の句です。句を詠んだのは冬です。
九州では冬。沖縄は春の暖かさ。そして基隆に着いた時は夏の暑さです。
基隆は台湾の最北端の港町に。狭い入り江の奥に波止場が。
ここから台北へは車で一時間余りです。

えみさんが、こんな感想を寄せて下さいました。
亡くなりました叔父が基隆で産まれたので 基太郎と名前がついたそうです。
グラフィックデザイナーになって基(もとい)にしていたようです。
祖父が薬剤官だったので、戦争中いろんな所に行って、その地の名前にしたと聞いています。
キールンに着いた船員が夏服だとそれでいただきました。
キールンにもなんだかうれしくて、と。

ありがとうございます。     遅足

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夏服の父の残像国敗れ     亜子

2014-06-28 09:13:04 | Weblog
また、この時期が近づきますね。時代状況、厳しいですし、と結宇さん。

亜子さんのお父さんは旧制高校の先生。
学徒出陣する教え子に「生きて帰れ」と言ったことから、特高警察の監視下に。
そして敗戦。表現の自由を得た喜び。
ゲートル姿の暑苦しい服装から、平和な時代の夏服に戻った解放感。
そんな思い出を残像という言葉に。

結宇さんも指摘しているように、また戦前に戻そうという政治家の登場。
当たり前のことが言えない時代への逆戻りは御免ですね。

亜子さんのお父さんと同世代のM先生。
死刑台の十三階段の上に、人を登らせようとするには、腕力が必要。
しかし階段の上はパラダイスであると信じさせれば・・・
自分からあがってゆく。それが戦争への道を切り拓いたと。
半世紀前の、この言葉、今も忘れられません。

                          遅足


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夏服に雪の身体を隠しけり    遅足

2014-06-27 09:42:32 | Weblog
月下美人の花、楽しみですね。

さて、この句、雪の体をどう読むのか?
色々な読みがありました。

『アナと雪の女王』ディズニーのアニメを観て
雪の女王と読んだ麗子さん。
このアニメ、主人公が姉妹。
雪と氷の魔力を持つ姉の女王エルサ。
姉を救うため冒険の旅に出る妹のアナ。
真実の愛が氷の世界から姉を救うという物語だそうです。
(何分観ていないので不正確・・・)

亜子さんは、夏でも雪の残った山へ登った男性。
平地に帰って・・・と。
作者は雪女として詠みました。
男と一緒に生活することになった雪女。
夏は苦手だったのでは?と想像。
知識にたよった句で、体感が欠けていました。
亜子さんの読みにびっくりでした。

夏衣のほうが良かったかも・・・     遅足



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双子のつぼみ 麗

2014-06-26 16:50:41 | Weblog
これまでに何度かこのブログに月下美人の一夜のはかなさと、その神秘的な姿について書いたことがありますが、今朝ベランダの鉢にひとつの葉っぱに二つの月下美人のつぼみを発見!
今5センチくらいですが、咲く時には15センチくらいに成長します。

空梅雨からか今年の開花は早そうです。またその瞬間をお知らせします。双子の競演が楽しみです。

空梅雨や双子の成長鮮やかに 麗
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民よそに議論暴走クールビズ     立雄

2014-06-25 13:29:45 | Weblog
クールビズは、クールとビジネスのビズを併せた和製英語。
2005年、小泉内閣当時にスタート。
環境省の主導のもと、ネクタイや上着をなるべく着用せず、
冷房温度も摂氏28度までに省エネ。すっかり定着した感じ。

この夏も、クールビス姿の国会ですが、
とてもキナ臭い議論が展開されました。
戦争を禁じた憲法を変えるのは反対が多いから無理。
それなら、これまでの常套手段の解釈改憲。
内閣の考え一つで戦争できる国にしように、と。
安倍さん、前のめりになっています。
歯止めの公明党。ついに寄り切られて・・・
まさに国民は蚊帳の外状態・・・・

この間の選挙で、消費税増税は社会保障のためと明言した安倍さん。
ところが多数当選のあかつきには、生活保護費は削減。介護サービスは切り下げ。
二枚舌の政治。もう何十年も騙されてきた国民・・・

暑苦しい国会でした。      遅足


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宗匠の作品、首位

2014-06-24 17:37:54 | Weblog
 
 ・ 春の夜の時を深めて手の中の手は
   眠りへと別れてゆきぬ

中日歌壇(6月15日)の首位、松田宗匠の作品
です。

選者の小島ゆかりは「手の中の手はだれの手だろ
うか」と問いかけ、「眠りへと別れてゆきぬ」と
いう、ゆるやな寂しさの表現とリズムがすばらし
い」と評しています。

春の夜の時間のあえかな移ろい、その中で触れ合
うのは誰の手。
ミステリアスで、少々のエロチシズム、そして、
やがての微睡み。…寝つきに失敗した夜更けに、
じっくりと味わってみたい一首です。
                  鳥野
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女子生徒夏服までの腕まくり    静荷

2014-06-23 09:24:47 | Weblog
今朝は晴れ。
梅雨の晴れ間。五月晴れとは、こういう日のことだったそうです。
しかし他の地方では雨も。

            


まだ夏服には早いかと思っていても、昼過ぎには夏日となることも。
そんな時に腕まくりをする女子生徒の姿をスナップした句。
夏が近いと、季節の変化を感じます。

  夏服に腕擦る音や空上がり   結宇

この句も女子生徒を詠んだ句。
以前の新聞写真に、女子高校生が白い制服で登校する様子が。
颯爽と行く彼女らの若い姿を思い出して描いたものです、と作者。

夏服と腕の取り合わせはもう一句。

  出す出さぬまよう二の腕夏の服   晴代

年齢と共に、年を感じさせるものに「まあいいか」
「いやだな」と戦っています、とえみさん。
女性には共感の句です。

「大振袖」となった二の腕は露出したくない、と静荷さん。
太鼓腹は見せたくないという男の気持ちに似ていますね。

                        遅足
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夏服や紅顔少尉候補生   狗子

2014-06-22 09:37:53 | Weblog
少尉候補生。旧日本軍の兵隊の位。
海軍兵学校を卒業、一年間の必要な勤務を終えて、少尉に任じられた者。
昭和18年の学徒出陣で、学業途中の少尉候補生が誕生しました。
まだ紅顔を残す若者が多数、戦死しています。
そんな少尉候補生の夏服姿を詠んだ句です。

            

常滑市の小さな村の出征兵士を取材した時、
ほとんどの家庭に出征時の兵士の写真が残っていました。
父親を囲んだ一家。まだ幼い子も。少年のような者と母。
一家の大切な男たちが戦場に・・・

夏服が思い出させる悲しい物語です。     遅足

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地下鉄にかすかな峠ありて夏至    正木ゆう子

2014-06-21 09:15:57 | Weblog
今日は夏至。
梅雨曇りの空から、ちょっと肌寒いような風も。
都会生活では季節の小さな変化はなかなか実感できません。
夏至もカレンダーを見ないと気がつきません。
しかし、この日を境に季節は秋へと向かうのです・・・
そんな小さな変化を毎日のように利用する地下鉄に発見。
まるで地下鉄にあるかすかな峠のようだと。

         🚇  

街へ出ると若い人たちの黒服が目立ちます。
就職活動に欠かせない制服。
誰も強制していないのに、見事に黒一色。
違った服装で行くと、面接官に「そんな服装」と言われるとか。
個性、個性と叫ばれた時代はどこへ行ってしまったのでしょうか?
私の若い頃は紺でしたが・・・
時代にもどこかにターニングポイントがあるのでしょうね。

  就活は服喪のごとし地下鉄のホームに並ぶ黒服の列

                          遅足



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