575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

咲く躑躅車道の風が吹き飛ばす   朱露

2009年04月30日 | Weblog


      ツツジは漢字で書いてもらいにくい花だ。
      歩・車道の仕切りに使われるのは何故だ。
      常緑樹で上に伸びない慎ましさのためか。
      車の風圧で千切られる、花の命は短くて。


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新型    麗

2009年04月30日 | Weblog
豚インフルエンザのニュースで聞き慣れない言葉が
たくさん出てきました。

まず「フェーズ」。今朝、「フェーズ5」に引き上がりました。
英語で「phase」「段階」を表すそうです。「stage」より堅い言葉だとか。。。
この難しい言葉が新型インフルエンザの恐怖をあおっている気もします。

CNNでニュースを見たら豚インフルエンザのことは
「swine flu」と言っています。「pig flu」
ではないのですね。
英語の先生に聞いてみたら「豚に真珠」と言うときに
「swine」を使いますよと教えてくれました。ちなみに英語では
「throw pearls before swine」というそうです。

もう一つ「世界的大流行」を意味する「パンデミック」。英語で「pandemic」。
新型インフルエンザの認定とともに私たちの日常に
新しい言葉も出てきました。医学用語は出来るだけ日本語で説明してほしいですね。

      新型のことばも流行る春の霜   麗
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心電図窓の向こうは青葉闇   朱露

2009年04月29日 | Weblog


      七十四年打ち続ける心臓に触るな。
      昨日今日の女が気楽に物を言うな。
      莫大な健保金を取られているのだ。
      その上血まで抜き取るとは何事だ。


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写生について    遅足

2009年04月29日 | Weblog
「写生とは、比喩的な効果のある取合せを、
比喩のかたちを前面に出さずに、
できるだけ自然らしく表現する手法でもある」。

これは以前に荻原先生が、どなたかの文章を引用、
俳句の写生についての一番、妥当な考えとされた一文です。

とても、この域には行けませんが
最近、ようやく分かってきたことが、
「説明ではなく描写をです。」

中京大学の講座でよく先生が指摘されることです。

 白蓮や蕾はいつも北を指す

 白蓮や蕾そろって北を指す

同じ様な句ですが、「いつも」は説明、
「そろって」のほうが描写に近い。
私は頭でつくるので、どうしても説明的な表現に
なってしまいます。

   (写真は角寿さんの柿の木です。
   ありがとうございます。)

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こころから御冥福を  鳥野

2009年04月28日 | Weblog
先週の「荻原教室近況」で、先生のお作を紹介したところ、師匠に、コメントをいただきました。

 ・ ところどころ濃さの異なる闇が来て若くてもひとに死はくる

の一首に関するものでした。

先生のこの歌は、笹井宏之さんへの挽歌と思われます。

笹井さんは、第一歌集「ひとさらい」を出し、歌葉賞を受賞。そのあと本年一月に急逝されました。
享年26歳、惜しい想いでいっぱいです。

 ・ それはもう「またね」も聞えないくらい雨降ってます ドア閉まります

 ・ 天上と私のあいだを一本の各駅停車が往復する夜

 ・ 水田を歩む クリアファイルから散った真冬の譜面を追って

 ・ 猫に降る雪がやんだら帰ろうか 肌色うすい手を握りあう

 ・ ふわふわを つかんだことのかなしみの あれはおそらくしわせでした

 

 
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ふつつかに家鳩鳴くや夏近し   朱露

2009年04月28日 | Weblog

    家のどこかであの間抜けな鳴き声がする。
    途端にやる気が失せて家鳩クラスになる。
    真鶴ではコジュケイが叫ぶチョットコイ。
    軍隊か警察みたいでドキッとしたものだ。

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吹き荒れてささくれつつも夏来る   朱露

2009年04月27日 | Weblog
      例年のことながら春の終りは吹き荒れる。 
      風が西に変わった快晴の空も吹き荒れる。
      強風の往復ビンタで私の心が吹き荒れる。
      遂に空一面が唸り人を虚無に誘い入れる。

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ゆく春や蓬が中の人の骨

2009年04月27日 | Weblog
 週刊日本の歳時記で大岡信氏が晩春を詠んだ句として挙げている名句の一つである。
 作者は江戸時代後期・俳諧中興期の女流俳人「榎本星布」である。
 時は天明、大飢饉の時代である。

 「暮春の原野に旺盛に生命力をみなぎらせて蓬が生い茂っている。あたりには、極寒の中で餓死した人々の骨が散らばっている。
 俳句では、まして女流俳人では、詠み得た人は稀だった主題だろう。いな、近代になってからでもまことに稀有な句である。」

 と大岡氏は結んでいる。   (愚足)
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「塔」句会の結果です。   

2009年04月26日 | Weblog
4月22日に行われました。
自由題で3句づつ提出、各人が5句選句しました。


散るさくら風のかたちをなぞりつつ(江本)竹内 角谷 松ヶ崎      
淡墨桜や天蓋となり迫りくる(角谷)清水 荒川
一弦に白木蓮の咲きにけり(松田)
花吹雪耀ふ空に昼の月(石田)清水 角谷 江本
いざ花見一弦琴を聴きてより(寺井)小泉 松田
さざ波の廣き水面に残り鴨(清水)松ヶ崎 荒川 中野
一年生精一杯に春背負う(荒川)清水 竹内 大橋 松ヶ崎 石田 松田 江本
太極拳伸ばす手の平春を乗せ(竹内)荒川 江本
残像をみせて花散る草書体(江本)中野
折鶴を孫に習いて城の春(小泉)
古寺のガラス波打つ花の冷(松ヶ崎)大橋 石田 松田 江本
花疲れしたるかに臥し逝きたまふ(松ヶ崎)松田
海上の森岐阜蝶追って見失ふ(竹内)
春月や故郷遥か波の音(小泉)  
褒美とて指揮者が配る菫草(寺井)
チューリップ迷子案内いくたびも(大橋)清水 角谷 寺井
蜥蜴みて蛇みて御油の松並木(大橋)小泉 角谷 寺井 松ヶ崎 中野
行けど行けど別れ難しや花の道(石田)寺井
初燕自由自在に十字斬る(清水)竹内 石田
桜てふ駅過ぎにけり花は葉に(松ヶ崎)小泉 大橋 寺井
竹の子は十二単で生れける(竹内)大橋 荒川
藤浪や城の石垣そそり立つ(小泉) 
花屑を巻きあげ零す水車かな(江本)清水 石田 中野
サクラ散る一直線に走り去る(荒川)
無人駅櫻ダイヤの客あふれ(角谷)竹内 寺井 石田 中野
締まりよき尾錠の光桜道(寺井)小泉
春愁や大仏殿の緋毛氈(清水)
転生のバナナが皮になっている(松田)大橋
花筵英字新聞手にひとり(大橋)小泉 松田 江本
時空越え流るるままに花筏(荒川)
大胆な水のあつまる杏かな(松田)
たゆたひて果ては涅槃か花筏(石田)角谷 松ヶ崎 中野
はなやぎて里人迎ふ老櫻(角谷)

   

朧月散り舞う花は声もなく(中野)
傘たたみ人の行き来や花の雨(中野)
夕焼の城壁はんなり花吹雪(中野)
      
※中野さんの句は手違いで出句されず、選句の対象になりませんでした。

   

中野さんの
傘たたみ人の行き来や花の雨
は好きです。             遅足





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行く春や読みに読みゆく文庫本   朱露

2009年04月26日 | Weblog


    ハードカバーは高いから端から相手にせず。  
    去年藤沢周平今年は帚木蓬生で明け暮れる。
    帚木さんはラジオの声を聴いて飛びついた。
    ハハキギ・ホウセイ。絶対読めませんです。

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古草           愚足

2009年04月26日 | Weblog
 若草・若葉が話題になっているので、歳時記をめくってみた。

 若草の隣に「古草」というのが載っていた。

 独立した季語で、前年の草が枯れる事なく若草の中に混じっているのを言う。

 なんだか、老人には嬉しい季語ではある。

  古草もまたひと雨によみがへり    高浜年尾

  古草や識らぬ木太り識る木失せ    富安風生
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柿若葉②    角寿

2009年04月25日 | Weblog
先日の柿の木、三日みぬまのなんとやらで、
もうこんなに成長していました。

花芽も顔を見せているようです。


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ものの芽の音かと思うしじまかな    朱露

2009年04月25日 | Weblog


     春萌える植物の芽を「ものの芽」と言う。
     一斉に芽吹くあれこれの芽という気分か。
     山野が芽吹く音が聞こえたら素晴らしい。
     高血圧の耳鳴りと聞き間違えるかもなあ。  

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ヤエムグラ(八重葎) 草女

2009年04月24日 | Weblog
 高遠の桜を見に行くことができた。満開は過ぎてはいたもののまだ十分に美しく、そして小さなピンクの花びらがはらはらと散ってくる。渋滞を避けたため高遠のお城に夕方近くに着いた。
高遠の桜は、マメザクラまたはキンキマメザクラとエドヒガンの交配種で、平成2年高遠で開かれた「国際さくらシンポジュウム」でタカトウコヒガンザクラと命名されたという。城址公園全体がピンク色に染まっている写真をみたことがある。
 歩いていてはあの俯瞰の景色をみることはできないんだとか思いつつ登って行った。                                    すると、えっなに?という植物があった。その地面だけ紐でしきられていて、ムラサキハナナと20cmくらいの背丈で白い花を上から下間で付けている草がある。思わず駆け寄って、笑ってしまった。ヤエムグラに桜の花びらがいっぱいくっいているのだ。
幼い頃、ヤエムグラを見かけると、摘んで服にくっけて遊んだ。アカネ科ヤエムグラ属の1~2年草でどこにでもはえている。茎に4稜があり、稜の上に並んだ下向きの刺でものにひっかかり、成長する。その刺で桜の花びらをひっかけていたんだ
 万葉集など和歌に詠まれている八重葎はいまのヤエムグラではなく、カナムグラ(クワ科カラハナソウ属)をさすというので、かねがね変だとおもっていた。ところが和歌を読みなおしてはたと気がついた。
 八重むぐら茂れる宿のさびしきに 人こそ見えね秋はきにけり (恵慶法師)
 ヤエムグラは春の草で、カナムグラは夏の終わりのころ草だもの、これで納得。
 これもブログを書くために調べたおかげである。

山賤のおとがひ閉づる葎かな       芭蕉 
揚羽とぶ花ぬれてゐるむぐらかな     飯田蛇笏 
葎のみ茂り戦跡崖残す           北野民夫
高遠のむぐら一面花衣           愚
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アダージョの風    麗

2009年04月23日 | Weblog
前回の句会で投句された晴代さんの

     アダージョの風のかたちに雪柳

音楽用語使ってゆるやかな風のかたちを表現。
白い雪柳の軽やかさと共に心惹かれました。
今日は若葉寒のような少しひんやりした朝。

アダージョ・アンダンテ・モデラート・アレグロと速度は上がります。

     若葉寒アレグロの風吹き荒れて

晴代さんの真似をして作ってみました。
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