575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

我が国は梅雨候の寝覚め哉      朱露

2009年06月30日 | Weblog

    国情気象共に暗雲垂れ込める六月末。
    「心の時代」が鳥越俊太郎と榊寿之。
    中年ジャーナリストとアナウンサー。
    自慢も誉めもしない男二人に大拍手。

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ユスリカのお話 鳥野

2009年06月30日 | Weblog
 揺すり蚊、はてな、どんな蚊だったっけ?
 春から秋までの長い間、ところ構わず集団で現て蚊柱を作り、まとわりついて離れない、あのチッコイ生き物です。

 この種類、世界に一万種、日本だけでも一千種はいるそうです。

 刺すこともなく、血を吸うこともなく、口も消化器もないので一切の餌は摂らない。なのに幼虫はアカムシとして、釣り餌に珍重されるという。

 ほかにも、幼虫が池や川の底質を改善したり、富栄養化した水に大量発生して水質の危機を知らせたりと、有益です。

 うるさい、洗濯物を汚す、不潔などと嫌わないで。

  赤い灯に集まり舞えるゆすり蚊の果てしもあらず夏の夜話

                         鳥野

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北海道の俳人たち       愚足

2009年06月29日 | Weblog
★北海道に旅することになったので、北海道の俳人たちの句が知りたくなって「北海道俳句協会」のHPを開いてみた。この団体で賞を受けた方の作品が載っていたので紹介します。少し北の大地のにおいがします。わたしも初夏の道北で句作に励むつもりですが???
 
 第28回鮫島賞 受賞作品 句集「青 韻」久保田哲子

「青 韻」抄

  流氷の去ってかがやく畳かな

  囀りや水のあふるる洗面器

  桃の花象の眼は皺の中

  馬の名は嵐と言へり水の秋

  樏や蛇のねむりを踏むやうに


 第41回北海道俳句協会賞

「時刻表」抄  小林布佐子

  水底のまりも触れ合ふ良夜かな

  冬の駅画鋲で止める時刻表

  片仮名の古地図の地名雪蛍

「蜩 に」抄  森 早和世

  箸一膳洗ひに立てり夜の秋

  十二色つかひ尽くして大花野

  ゆるがせにならぬ一言いわし雲

「野 分」抄  石川美智子

  声という声がまんまる水芭蕉

  非常口たしかめ背高泡立草

  鳥渡る糊効いているオブラート






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今更に死なば死なめと思へども心にそわぬ命なりけり   良寛

2009年06月28日 | Weblog
入退院を繰り返す母。92歳。
口癖は「長く生きすぎた。早くあちらへ行きたい・・・」
ケア・マネさんにお聞きしたら、やっぱり、同じ様なことを言う
お年寄りを沢山、担当しているそうです。
昔のように、ひとり縁側でうつらうつらする
老人を見かけることはなくなりました。
病院に入れるのは幸せ。
でもココロは必ずしも、シアワセではなさそうです。

医療や介護は、昔に比べたら天と地の違い。
でも、この天上の世界、それほど心地よくはないようです。
たしかに、病院も介護も人手不足、お年寄りの話しを
聞いたりする余裕はありません。

老いの嘆きは良寛さんも感じていたようです。

   うつつにも夢にも人の待たなくに
         訪ひ来るものは老にぞありける

   今更に死なば死なめと思へども
         心に添わぬ命なりけり

いつ死んでもいいと思っているのに、こころに添わぬ命だなあ、
というココロは今も昔もかわらぬもののようです。

年とともに、さまざまな能力が落ちてしまっています。
老後も楽しめるといって、俳句などにも挑戦していましたが、
言葉をあやつる力は早く失われてしまうようです。
母も俳句のまねごとをしていましたが、もうダメと言っています。

母をみていると、特に、
時間の観念が失われていくのがよく分かります。
昨日のことはスッカリ忘れ、
明日という観念も弱くなっていくようです。

こんな歌もあります。宮友子さんの歌。

   眼をあけて暗闇に寝て思ふこと
          未来なし未練なしわれ明日なし

夜中に起きて、どうしてこんなになってしまったのか・・・・
と泣く母です。
                   (遅足)




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俳句教室より    遅足

2009年06月28日 | Weblog
荻原俳句教室。
もう一つの宿題は「かたつむり」


にたようないちにちづつをかたつむり  晴代

先生のコメント
全部平仮名表記は面白い。
中七がちょっとこなれた表現でないのが惜しい。
「ひとひひとひ」として

にたようなひとひひとひのかたつむり

にしては。
また平仮名で通す時に、ゆっくりと読者が
読み解いていく工夫のひとつとして
歴史仮名遣いを使う方法もある。

にたやうなひとひひとひのかたつむり

(ゆっくりと声にして)

  

雨降れば角と目玉の蝸牛かな  Aさん

先生のコメント
雨降れば、を、作者が傘をさして外にでた状況にして
傘させば、としたら。

傘させば角と目玉の蝸牛かな

家背負いどこへ引越す蝸牛  Bさん

先生のコメント
家を背負い、と、引越し。
イメージだぶっているので、どちらかを消す。
たとえば、家背負いの上五を、雨の状況に変えて

どしゃ降りをどこへ引越す蝸牛

(いずれも読者が読みやすくなっていると思いました)

  

かたつむり銀河の水をのみにゆく  遅足

先生のコメント
下五の主語は?
ゆく、が意思なら作者。
推測ならかたつむり。
どちらともとれる。
この句の場合は、のみにゆく、と
私がというニュアンスも残したほうが良いかも。



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俳句教室便り    遅足

2009年06月27日 | Weblog
荻原俳句教室、先回の宿題は「冷房」。

冷房のなかに生死を閉じ込める   遅足

先生のコメント
イメージを具体的なものとする手がかりがない。
例えば、
冷蔵庫なかに生死を閉じ込める
でも、良いのでは?
冷房の空間をハッキリと分かるようにしたほうが良い。
例えば「六畳」という空間。
散文的にいえば、
冷房のきいた六畳の間に生死を閉じ込める

冷房のよくきいている男かな   遅足
(冷房のよくきいている男女かな)

先生のコメント
男女はダメ。男女というと暑苦しい感じ。
夫婦なら良い。
男かな、は良い。さわやかな男がいると読める。
下五は、いろいろに変えて詠めるのでは?
「場所」とか、「もの」とか。

冷房車降りて陽ざしのありがたさ   狗子

先生のコメント
よく分かる情景。
冷房車降りて陽ざしもありがたし
と、冷房もありがたかったが、過ぎたるは・・・
と、少しニュアンスを変えたほうが
読者の共感を得られるのでは?

  今日も30度を越す暑さに。





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涼風やプレスリーから軍歌まで    朱露

2009年06月27日 | Weblog

        昭和ヒトケタの私のひどいレパートリー。
        「徐州徐州と人馬は進む」と侵略応援歌。
        成人してプレスリーからビートルズまで。
        兄や姉になると歌わないまま死んでいる。

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ヤマユリ          草女

2009年06月26日 | Weblog
小学生の低学年の頃、学校へ通う道に規制はなかった。この季節は少し遠回りしてお寺の北側をよく通ったのは、白くて大きなユリが咲いていたからだ。暗い森のはずれは、水田より一段高くそこに4,5本あった。野辺にあるものは見つけた人のものとおもっていたけれど、あまりの美しさに手をだすことができなかった。
 今思えばそれらはヤマユリに違いない。そしてこんなにも野山の歩いているのに・・それ以来自生のヤマユリに出会ったのは一度、それも天竜川下りの船のなかから、絶壁に咲いてのを見かけただけ、もう30年も前のことだ。
ヤマユリは絶滅危惧種に指定されてはいないが、数は激変していると思っている。19世紀には海外への輸出が始まり、また百合根としても最高なヤマユリは減り続けている。そんなヤマユリの球根を見つけたのは、連れ合いに付き合ってカーマホームセンターに行き、所在なさげに球根売り場を見ていた時である。1球980円にも驚いたが、もっと驚いたのは「オランダ産」の表示があっから。4月の初め、植える時期にはもう遅いし、球根は見るからに干からびているしかし、長年見たいと思い続けてきた球根がそこにある。咲かなくていい思いつつ、わが庭の中で一番適しているだろう場所にその夕方埋められた。
 DNAを調べれば日本に自生しているヤマユリとは違うかもしれない。しかし山から盗掘したものとは違いはるかに育てやすいはず。そこに人の手が加わっているからだ。
 そして、咲いた、咲いた、オランダ産のヤマユリ。3個しか花をつけなかったけれど。60年ぶりに近い再会を素直に喜んでいる。
 カサブランカ、マルコポーロなど豪華なユリが花やの店頭を飾っているが、元をただせば、日本のヤマユリであり、カノコユリである。誇らしいことではあるが、それらの自生種がかくも激減していることと、60年ぶりの再会はオランダ産であることは今の日本の現実なのだ。
  
 もうひとつ、驚いたことがある。生産地の蘭にオランダのシールが貼ってあったので、注意深く剥がしてみると、茨城県と印刷されていた。このヤマユリはいまの日本の姿そものもを映しているのだ。一体この百合は何処が産地なのだろう?長い間消費者を騙し続けてきたのは食品ばかりではないらしい。

 ヤマユリは雨にも負けず豪華に咲いているが、秘められた隠し事と欲望のまま野山を開発した日本人の心を映している。

   くもの糸ひとすぢよぎる百合の前     高野素十
   百合の芯皆りんりんとふるひけり     川端茅舎
   山百合へ逮夜の窓が開けてある      橋本いさむ
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梅花藻の咲きたる村に天女住む    能登

2009年06月25日 | Weblog
この句の天女について能登さんにお尋ねしました。
こんな返事でした。

  去年、醒井に行った時のことです。
  その村に住むおばあさんの顔が良く
  まるで天女のようでした。

醒ヶ井には梅花藻がさいていますね。
私も見たことがあります。
でも、おばあさんに天女を発見するには
さすがに能登さんですね。
             遅足
   



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梅雨晴れ間   麗

2009年06月25日 | Weblog
早くも連日の真夏日が続きます。
ついにクーラーと扇風機が登場しました。
梅雨の晴れ間とあって今日は
洗濯にいそしんでいます。ぐるぐる洗濯機が回ります。

ふと今日が祖母の命日だったことを思い出し合掌。生前祖母が私にくれた
真珠のネックレスをつけてみました。

      梅雨晴れ間祖母の真珠を胸につけ 麗
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梅雨晴や一人旅立ち一人居留守   朱露

2009年06月25日 | Weblog

      品川の妹宅へ数日行くのが夏恒例行事の妻。
      行く所がないから行く気もない私は留守番。
      デズモンド・バグリー「高い砦」に捕まる。
      「留守番」じゃなく私は「居留守」にする。
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行基居る谷間の寺は梅雨の中   朱露

2009年06月24日 | Weblog

    我が家の前の山裾に真言宗赤岩寺がある。
    八世紀初め行基が建ててコンニチに至る。
    行基が居なければただの谷間に過ぎない。
    この三十年一番世話になったのは行基か。

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荻原俳句教室より    遅足

2009年06月24日 | Weblog
先回の宿題は「父の日」と「枇杷」


父の日のコントラバスな父の声   遅足

先生のコメント
「コントラバスな」が、読者に想像力を働かせる。
読者の想像力が、羽を伸ばすためには、離れすぎてもダメ。
近すぎてもダメ。
コントラバスな、なら、読者は、
それぞれに自分の答えを見つけることが出来るのではないか。
文芸の鑑賞の答えはひとつではない。
いくつも正解がある。
また形容詞がカタカナで、音のもっている感じも良い。


父の日や徒然草をひらきける  遅足

先生のコメント
父の日、と、徒然草が、取り合わせとしては面白いが、
ぼんやりとして、ひとつの像を結ばない。
離れすぎているというより、近すぎるのかも。
また、徒然草をひらくのが、「父」なのか「子」なのか?
読み手が揺れるのも、意味をよみとりにくくしている。

   

「枇杷」

煩悩を覗いてみれば枇杷の種  狗子

先生のコメント
面白い句。中七の表現も良い。
抽象的なことを言っているのだが、
下五の枇杷の種、で、イメージがくっきりと立ち上がる。
焦点が枇杷の種にピッタリとあっている。
読者に、そうかも知れないと思わせてしまう句。
桃の種ではダメ。


たましいがぽっとはきだすびわの種  遅足
たましいもぽっとはきだすびわの種

先生のコメント
後者が良い。
ぽっと、という音の感じも効果的。
たましいもぽっとはきだす枇杷のたね
と、枇杷を漢字にしたほうが良いのでは。

   




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鴉、愛い奴    鳥野

2009年06月23日 | Weblog
最近、マンションの掲示板に警告が張り出されました。

「カラスの繁殖期に入り、ゴミ被害の多発が予想されます。生ゴミは新聞紙などで目隠しをしてから、ポリ袋にいれてください」

趣旨はよく分かりました。がはたして、カラスはそんなことで誤魔化されるでしょうか。

カラスの知恵に舌を巻くのはいつも人間様なのです。

ところで、カラスとヒトの仲が悪くなったのは、何時ごろから?そしてなぜ?

 ♪ カラスといっしょに帰りましょ・・・

 ♪ かわいい七つの子がいるからよ・・・

せいぜい、”ゴンベが種蒔きゃカラスがほじくる”とぼやいていた程度の仲だったのに。

いたずらに手を焼いても、カラスはやっぱり、魅力的。身近な生き物です。

 鴉らの影また黒しにんげんの影よりわずか濃き烏羽玉に

 選ばれて鴉となりし者ならむゆらりと初冬の路に降り来て

                       大塚寅彦

 恋う恋うと聞きわけのなき大鴉 あれは夕日に溶けたとゆうに

                       鳥野

                       

                        

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青田風理想は高く眼は暗く   朱露

2009年06月23日 | Weblog

     田んぼの向こうのゴルフ練習場へ。
     欲はなく決して怒らずいつも静か。
     それは見かけで納得の打球を追う。
     絶対自分を許さないとは恐ろしや。

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