575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

気になることば遣い   麗

2007年05月31日 | Weblog
大学生と接するといろんなことばを教えてくれます。


「ふいんき」  雰囲気のこと。

「ピンクい」  ピンク色の。

「もりこぎ」  自転車を力いっぱいこぐこと。

このあたりは笑ってすませられますが
女子大生が
「てめぇ」「うぜぇ」「ありえねぇ」などと汚いことばを平気で使うのは
許せません。
これらのことばを発する裏側にはどんな心理が隠されているのでしょうか?
そこを尋ねると
「気分」
というこれまた短い答えが返ってきました。
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天国と地獄デジカメ運動会   朱露

2007年05月30日 | Weblog

    オッフェンバックの「天国と地獄」が
    流れ、デジカメたちがキラキラ輝く。
    おじいさんおばあさんの席に座る私。
    運動会の季語は秋だけどここは五月。

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「みずすまし」は「あめんぼう」?   遅足

2007年05月30日 | Weblog
 水すまし水に跳ねて水鉄のごとし  村上鬼城

この「水すまし」は、水馬(あめんぼう)のこと。
でも、私にとって、水すましといえば、ミズスマシ科の黒くて小粒な昆虫。
脚をスクリューのように回転させ、水中を泳ぎまわる、可愛い虫です。
泳ぎながら、空中と水中の両方を見る複眼を持っているそうです。
くるくると、水面を回ることから、まいまい虫とも。

 まひまひや深く澄みたる石二つ  村上鬼城

同じ昆虫を、二通りに詠む。
俳句ならではの世界ですが・・・
ちょっと待った!
これでは私は混乱してします。

    

水馬(あめんぼう)は、水蜘蛛、川蜘蛛と呼ばれるように
ちょっと見ると蜘蛛のようですが、脚は6本。
このうち4本が長く、この脚で水のうえに浮いています。

 水馬青天井をりんりんと 川端茅舎

あめんぼ、の名は、捕まると、水飴のような匂いを
出すことから付いたそうです。

あめんぼ、のことを、関西で水すましといい、
これが混乱の原因らしいのですが・・・

本当ですか?

    






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見上げれば藤波白き山路かな      草女

2007年05月29日 | Weblog
 花が終わり、いよいよ自分の番が来たとばかりに我が家のフジ蔓は四方八方に枝を伸ばし始めた。切っても切っても伸びる蔓は迷惑しごくである。
 我々現代人にとっては、せいぜいリースや花器の素材にする位しか使い道が無いフジ蔓であるが、古代人の人々にとっては生活に無くてはならぬ必需品でありロープとして生活に重要な役割を果たした。また、大変な労力と時間をかけて藤布を織ったりした。
 布は、イチビ、クズ、タイマ、カラムシ、バショウ等のの草やフジ、オヒョウ、コウゾ、等の木の繊維から織られた。藤布もその一つである。
 先日、丹後半島宮津市の郷土資料館で、昭和六十年頃に織られ現存する唯一の藤布を見る事が出来た。
 見ながら脳裏に浮かんだのは古事記の花衣伝説。兄弟神のうち弟神が弓矢と母が織った藤蔓の衣服をまとって求婚に行き、姫の前で弓矢と衣服に満開の藤の花が咲きめでたく結婚できたと言う。この話しは藤布が基になって出来たに違いないと思いつつ、眼前の布の丈夫だが粗く肌触りの悪そうな布と作業着を見つめていた。
 余談だが日本に自生しているフジは二種類。我が家の美しき厄介者はノダフジといって蔓が右巻きで、もう一方のヤマフジは近畿以西に分布し蔓は左巻きである。
 告白すると蔓の右巻き、左巻きが何度説明してもらっても分からず、自分の頭は左巻きだぁと居直っている。
                     

※ 写真は丹後の資料館にあったポスターで、昔のフジ蔓の皮むき作業の様子が写されている。
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泉の句の添削           愚足

2007年05月28日 | Weblog
 緑も濃くなり、夏日などのニュースに早くも冷たい水の恋しい季節になってきました。 緑に囲まれた泉の清らかで冷たい水を一口。 自然の最高の贈り物。
 しかるに、我々は「泉」の三文字に苦労させられているばかりではないかと、自らを振り返りご同情申し上げる次第です。

 そこで、泉の句の作り方を、先週に引き続き正木ゆう子先生のNHK講座よりお教えします。
 応募の句の中から正木先生が添削された句例です。

 原句      泉より奥は道なき山の鳥
 添削ヒント・・視覚ばかりでなく
         泉より奥は道なき○○○

 原句      陽をちりぢりにして泉むすびけり
 添削ヒント・・素直な言葉でリズム良く
         ○陽をちりぢりにして泉○○

如何ですか? 私は成る程と思いました。 答えは後ほど。

※ 写真は養老の滝の近く養老神社の「菊水泉」です。この泉もお酒に変じたとか、しかし、ただの 冷たく美味しい清水でした。
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黴             愚足

2007年05月27日 | Weblog
 ブログを書こうと食材図鑑を眺めていて黴食品に目が止った。
 小学校以来「黴」の効用については、その時々の先生が力説した。ペニシリンを筆頭に発酵食品の大活躍を生徒に力説するのだ。
 私自身も教師になって時に触れ「黴」の効用を力説したものだ。何故なんだろう? 教師は黴が好きだ。
 ところで俳人は?俳句で黴を詠んだ人があるだろうかとおもわず歳時記を開いて驚いた。
 夏の季語「黴」・・黴の宿、黴の家、黴の寺、黴の香、黴煙り、黴の花、黴畳、青黴、白黴、黒黴、麹黴、毛黴、・・・・
 黴は俳句にも大貢献。俳人は「黴」が大好き。

   懐紙もてバイブルの黴ぬぐふとは     飯田蛇笏
   美しき麹の黴の薄みどり         須藤菊子
   としよりの咀嚼つづくや黴の宿      山口誓子
   交響楽運命の黴拭きにけり        野見山朱鳥
   黴の香の中にいきいきナイフとぐ     加藤楸邨
   たらちねの母の御手なる黴のもの     中村汀女
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新横浜欅若葉のビュッフェ道   朱露

2007年05月26日 | Weblog

  新横浜は新幹線の駅名に過ぎない空間。
  駅裏東横インに泊まり、ローソン食う。
  直線の欅並木を歩きビュッフェを思う。
  直線にぶつかるとビュッフェの重病人。

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”それ”ってなーに     鳥野

2007年05月25日 | Weblog
つけ放しにしてあったNHKのラジオが面白いことを言っていました。

すでにご存知の方にはゴメンナサイ。

手毬うたの「あんたがたどこさ」

あんたがたどこさ、ひごさ、ひごどこさ、くまもとさ、
くまもとどこさ、せんばさ、と問答風に続きます。

せんばやまにはタヌキがおってさ、それをりょうしがてっぽでうってさ、にてさ、やいてさ、くってさ、
それを木の葉でちょいとかぶせ。(または、かくし)

 ここに飛躍と省略。「それを」のそれってなんだ?と、NHKの人は面白がっていました。

私も笑っちゃた。
答えはうふふっ。

俗謡とはいえ、しゃれていて奥ゆかしいよね。

  ・ この里に手毬つきつつ子どもらと遊ぶ春日は暮れずともよし
  
  ・ 霞立つ永き春日を子どもらと手毬つきつつこの日暮らしつ   良寛

毬つきは、遠い昔の遊びに成り果てました。
最後の一突きに勢いをつけて、背中に回した両手でちょいと受ける、懐かしいー。



 

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メールのことば2    麗

2007年05月24日 | Weblog
驚愕の若者のケータイメール内ことば。

①乙

②桶

③裏山

これらは一体どんな意味でしょうか?

正解は。。。




①お疲れさま

②OK

③うらやましい

だそうです。漢字変換のなせる技ですが、私たちの世代には意味不明な暗号です。

小さな「ぁ」「ぃ」「ぅ」「ぇ」「ぉ」の多用は甘えたな言語という気がしますが
「そうだねぃ」とか「やっほぉ」というように打つそうです。

♪や絵文字がないと「淋しい」「嫌われているのかな?」と行間を深読みする若者たち。

最後に「KY」とは何でしょう?

それは「空気が読めない」という意味の略語。
「空気を読む」というのは「その場の状況、雰囲気にあわせた言動」というこれまた若者のことば。
あまり口やかましく言って学生たちに「KYだねっ」といわれないようにします。
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揚羽蝶   遅足

2007年05月23日 | Weblog

知らぬ間に庭に来る蝶が大きくなっています。
揚羽蝶の季節です。俳句では夏の季語になっています。
夏の蝶、梅雨の蝶、烏蝶とも。
梅雨の蝶なんて、ちょっと良いですね。

 夏の蝶高みより影おとしくる 久保田万太郎

揚羽蝶の仲間は、蜜柑など、柑橘類に卵を産みつけます。
それが春になるとイモムシに。
今年もブロッコリーの葉を穴だらけにしてくれました。
烏蝶のような真っ黒の蝶も美しいですが、
私は、アオスジアゲハ、ちょっと小型で可愛らしい蝶が好きです。
山道の真ん中で、小さな水溜まりがあると、
集団で水を飲んでいる姿を見ることも。

 若夏過ぎるや青すじ揚羽群なして 金子兜太

揚羽蝶を図案化した紋様は平家一門が使ったそうです。
のちに平氏を名乗った武将も揚羽蝶を家紋にしました。
織田家も平氏を名乗り、同じ家紋を用いたそうです。

 青すじを立てし揚羽と雨宿り  遅足



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イチョウの花         草女

2007年05月22日 | Weblog
 桜の花散る同じ頃、イチョウの雄花が役目を終えて舗道に落ち、風に吹かれて溜まっている。
 イチョウはイチョウ科イチョウ属で一種のみ現存している。中生代ジュラ紀、恐竜の全盛期に出現し、今に至っているので生きた化石とも言われている。
 日本にもその当時自生していたが、百万年前氷期間氷期の終わる頃絶滅したらしい。その後鎌倉時代前後に中国から渡来したと考えられている。
 イチョウは、雌雄別株。雌木は葉が芽吹くと同時に葉脈に小さな目立たない花を付ける。私たちの目線より上で、しかも葉に隠れているので余程気をつけていないと見つからない。
 雄木は長さ二センチ程の穂になった雄花を付ける。その面倒のみかたが凄く、一本の雄木は二キロメートル四方にある雌木の面倒をみるそうだ。そして、風で運ばれた花粉は雌木にたどり着いた後、胚珠の中に入り込み9月まで生きている。
 八月ごろ緑色のサクランボのようなギンナンを見かけるが、あれは雌木の胚珠が大きくなつただけのものでまだ受精していない。9月頃になってやつと花粉は精子を作り卵子と受精する。すると、果実は黄熟して落ち、我々は拾ってギンナンとして食べるという具合だ。

 銀杏の花や鎌倉右大臣    内藤鳴雷

 日本史年表によると、源実朝が落命したのは1219年1月27日。
 冬の落葉したイチョウ、今でこそ大木になった鶴岡八幡宮のイチョウだが、公暁を隠すことが出来たとは思えない。
 それはまた、イチョウの葉の切れ込みには二稜形と三稜形があってズボンとスカートに見立て、雄木、雌木を当てるのと同じくらいに眉唾物だと思っている。

※添付の写真は、イチョウの雄花。 
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「泉」の十二句          愚足

2007年05月21日 | Weblog
 来月のお題が「泉」に決まってしまった。「しまった。」である。句会の終わり慌ただしい中で、パッと開いた歳時記の項目が「いずみ」。 口火を切っただけのつもりが、決まってしまった。
 「泉」など見たことも無い縁遠い存在。清らか、尽くせぬ生命力、メルヘン・・知っているのは欲張り樵の斧の話くらい。 困った・・・・

 ところが、何と言う偶然。朝テレビをつけたらNHK俳句のお題が「泉」、正木ゆう子先生の選、解説による30分。メモを取りながら拝聴した。
 では、私同様お困りの方のために入選十二句を転載します。

 入り口の如く眩しき泉かな      上田和代
 森あって子の声あって泉かな     関野憲司
 生み立ての卵のやうに掌の泉     立石直国
 杉の木の全長ゆるる泉かな      山田浅夫
 菌うちし榾木を浸す泉かな      豊崎綾子
 瓜坊のうっかり出で来山清水     蒲池玲子

 手話のテを沈め泉のこゑをきく    沢崎だるま
 ちちははの声ききにゆく泉かな    後藤幸次郎
 泉辺や塩たっぷりの握り飯      板坂壽一
 一すぢの日矢たちのぼる泉かな    関野憲司
 人去りて泉の音のもどりけり     土岐和男
 茶道部へ差し入れに汲む泉かな    和田
 
さてこの中で特選三句は、どれ? もうご存知かもね。

 ※添付の写真は、「羊蹄山の湧き水」です。
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いま花はみちのくあたり義経忌  江本絵悶

2007年05月20日 | Weblog

今日の中日俳壇に載った江本さんの句です。
義経は旧暦4月30日に、奥州平泉で戦死。
みちのくの花と散ってゆく義経の姿が見えるようです。


 弁慶が踏み残したる菫草  遅足


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豌豆   遅足

2007年05月20日 | Weblog

今日は すがすがしい一日。

春にエンドウの苗を買ってきて庭に植えました。
花は咲き、やがて実が。
初めは珍しいので、一生懸命に実をさがして食卓へ。

 ゑんどうの凛々たるを朝な摘む  山口青邨

 豌豆の実のゆふぐれに主婦かがむ 山口誓子

我が家は、主夫かがむ、です。
エンドウはマメ科の一年草または多年草とありますが、
我が家のエンドウは一年草。
お役目を終って、今は、一本しか残っていません。
これはグリーンピースに。

子供の頃、グリーンピースのマメを取り出したあとの莢をもらって、
マッチ棒を使い、舟をつくって遊んだものです。

 ゑんどうむき人妻の悲喜いまはなし 桂信子

   

絹莢は、お味噌汁の実などに。
グリーンピースは肉じゃがや、玉子とじに。
初夏のみどりが食欲をそそります。

食卓で夫婦二人、話題はいつしか猫の悪口に・・・
見ると、寝ている猫の尻尾が動いています。

 莢豌豆猫に話を聞かれたり   遅足




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雨暗く紫陽花園の生中継   朱露

2007年05月19日 | Weblog

   こんなシチュエーションをどう切り開く?
   というシミュレーションでまず句にした。
   紫陽花園と私の、味も素っ気もない関係。
   暗い雨の中どう楽しく放送するかの冒険!
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