575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

佐保姫の由来解説新学期  佐保子

2023年02月27日 | Weblog

高校の先生をされていた佐保子さん。毎年、初めての授業に自己紹介に合わせて、佐保姫の説明をしていたそうです。卒業生から「佐保姫の話だけ覚えている、あとは何にも覚えていない」なんて言われたこともあるそうです。(笑)小さな親戚の子からは、「竿の子だから、竹の子だあ~」とはやされたことも懐かしい思い出だそうです。お父様がつけてくださったこのお名前を佐保子さんは短歌に詠まれています。

三月に生まれし次女に佐保子とふ名前つけたる亡き父おもふ」

そんな佐保姫様とご結婚された遅足さんが採られています。そして佐保姫を夜中に呼んでお世話をしていただいているのでしょう。あるいは眠れぬ夜でしょうか?

     午前三時闇に名を呼ぶ佐保姫よ  遅足

想像上の女神ではなく、実像の佐保姫様。いとおしい佐保姫を呼ぶ遅足さんの気持ちが伝わって来ました。いつまでも遅足さんのミューズですね。

自然界ではようやく佐保姫の気まぐれも収まり春らしい今週になりそうです。ほっとしますね。麗子

 

 

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佐保姫の目覚め翠微の山野かな  晴代

2023年02月24日 | Weblog

「翠」は緑、「微」はかすかの意。「翠微」を調べると

①山の頂に近い所、山の中腹

②うす緑色に見える遠くの山とありました。

ということは②の意。さすが博識の作者。木々が一斉に芽吹かせることで見せる早春の山肌の色合いを見事、漢字二文字で言い表しました。

千香子さん、佐保子さんの票がはいっています。

 

 佐保姫や山の若芽に薄衣  泉

こちらも同じ山肌を詠んでいるように思います。

山全体が淡くぼかしたように見えるのは佐保姫の薄い衣のなせる業か。。実は私も「乳白色のうすごろも」というのをつくりました。

柔らかく霞んで見える景が浮かんできます。

 

そして結宇さんは、さらに温度感を。

 佐保姫の領巾(ひれ)振る風の温みかな  結宇

竹葉さん: 佐保姫は着物姿に決まってます。それを領布を振るで表しそれが温かい風を起こすというダイナミックな句でとても気に入りました。

泉さん: なんだか情景が浮かぶ。領布振るが気に入りました。

 

別れの季節ではありますが、風の温みを感じることも多くなります。

佐保姫の情のように思えます。  郁子

 

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雨つれて佐保姫お成り音もなく  亜子

2023年02月23日 | Weblog

気がついたら音もなく春雨が降っています。一雨ごとに春めいて来る季節。春の女神佐保姫様はお供に雨をつれてしずしずとやってくるようです。

晴代さん: 芽おこしの雨。

須美さん:雨連れてお成りがいい。

 

私も頂きました。

「お成り」という表現に神様を敬う気持ちが伺えました。お供に雨を連れて春は静かにやって来るのですね。

    佐保姫の転調の指示軒しずく  能登

こちらは佐保姫の指示で雨が降って来たのでしょうか?

結宇さん:いよいよ春という意味の表現として、転調と言われたのでしょうね。 やっと春ですが。

亜子さん:春の調べのスイッチが入ったのでしょうか?「軒しずく」でつららや雪が解ける様子が伺える。

        ★★★

「転調の指示」という表現に魅かれました。今日は祝日。細かな雨が音もなく降っていました。これも佐保姫様のなせる技ですね。よい休日をお過ごしください。麗子

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佐保姫の行きつ戻りつ野を渡る  須美

2023年02月17日 | Weblog

三日寒い日が続くとそのあと四日暖かくなる三寒四温。この週末もかなり気温が上がるようですが、もう一度冷え込みがやってくるとか。油断して薄着をしないように気をつけなくてはなりません。

こんな目まぐるしい気温差は佐保姫が行きつ戻りつしながら野を渡っているからなのだと作者は詠み、多くの票を集めました。

寄せられたコメントです。

能登さん: 何事も行きつ戻りつで、どうにもなりませんが、佐保姫の逍遥は許してしまう気がします。

晴代さん:行きつ戻りつ人間をじらしていますね。

麗子さん: 中七の「行きつ戻りつ」に気まぐれな春の天気を思わせてくれます。それも佐保姫のなせる技ですね。

亜子さん:  「行きつ戻りつ」で春らしくなっても寒さがぶり返して行ったり来たりする様子をうまく表現している。「野を渡る」で花、虫、鳥などいろんな生物が動き始める様子が想像できる。

泉さん: 佐保姫が野に春を告げる様子がわかる。

遅足さんもとられました。

今回は想像の春の女神さまをどのように思い描いたかがわかり楽しいです。

紅を差す妖艶な佐保姫さま、気の向くまま行ったり来たりの佐保姫さま・・

ひょっとして野原で花を摘んで夢中になっていたのかもしれません。。

そう読むとこの句が響きあいます。

  陽うらうら佐保姫様やみーつけた  竹葉

須美さん: 陽うらうらとみーつけたがよく合っている。かわいい句

能登さん: うれしさを子供目線で表現!いいですね。

行きつ戻りつしながらも、季節は確実に春の様相を濃くしていきます。

郁子

 

 

 

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佐保姫やこの世に淡き紅を差し  麗子

2023年02月16日 | Weblog

今月の兼題は「佐保姫」(さおひめ、さほひめ)でした。春をつかさどる女神。平城京の東にある佐保山に鎮座しておられるとか。古代中国の季節を方位の関係では春は東にあたるそうです。(ちなみに秋をつかさどる女神は龍田姫です。)

これまでにやったことのない春の季語でした。三月生まれの佐保子さんの親友の竹葉さんがこの季語を選んでくださいました。

佐保姫は想像上の神様なので実像がなく難しかったです。なんとなく女神が目覚めてからお化粧をして淡き紅を差すように、この地球にもちょんちょんと紅を差してくれるかな?と思って作りました。

頂いたコメントです。

竹葉さん:神の世からいよいよこの世に登場!やっぱり、春の温かみを出すのにお化粧とは凄いと思います。竜田姫には淡き紅は似合わない感じです。

能登さん:佐保姫には薄い紅が似合います。

晴代さん:淡き紅がもうすぐぱっと春爛漫緒。

郁子さん:佐保姫さまはどんな方なのでしょう。空想でしかありませんが、春を告げるアクションとして紅をさすのだというのが素敵。この世が良い。

結宇さん:春到来で、女性の美を飾る気持ちも動いてきたところでしょうね。

亜子さん:◎の句。二つの解釈ができる。ひとつは、この世にあらわれた佐保姫のおかげで春の兆しがあらゆるところに出てきた。もうひとつは、佐保姫自身が紅を差しこの世に現れた。いずれにしても「淡き紅」という表現が春のイメージにぴったり。

須美さん:淡き紅が好き。

泉さん: のどかな感じがする。

         ★★★

思いもかけず高得点をいただきありがとうございました。まだまだ気まぐれな佐保姫ですが、明るくなって来た日差しには着実に佐保姫のお姿が感じられますね。

                        麗子

 

 

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2月「佐保姫」結果発表!

2023年02月15日 | Weblog

題詠「佐保姫」

  1. 佐保姫の由来解説新学期   (佐保子) 遅足
  2. 陽うらうら佐保姫様やみーつけた (竹葉) 遅足 能登 須美
  3. 佐保姫の行きつ戻りつ野を渡る (須美) 遅足 能登 晴代 麗子 郁子 亜子 泉
  4. 佐保姫の転調の指示軒しずく (能登) 結宇 亜子
  5. 午前三時闇に名を呼ぶ佐保姫よ  (遅足) 佐保子 麗子
  6. 雨つれて佐保姫お成り音もなく (亜子) 晴代 麗子 須美
  7. 佐保姫の目覚め翠微の山野かな (晴代)  佐保子 千香子
  8. 佐保姫やこの世に淡き紅を差し (麗子) 竹葉 能登 晴代 結宇 郁子 亜子 須美 泉
  9. 佐保姫の領布(ヒレ)振る風の温みかな (結宇) 竹葉 千香子 泉
  10. 佐保姫のかすみ前線富士すそ野 (千香子)
  11. 佐保姫や山の若芽に薄衣 (泉) 千香子 郁子
  12. ほのほのと佐保姫の笑みほころびぬ (郁子) 竹葉 佐保子 結宇

 

自由題

  1. 臨月や魚氷に上り心浮く (須美) 佐保子 千香子 郁子
  2. 立春や招待状の届く午後 (麗子) 晴代 須美
  3. 春立つや夫八十の誕生日  (佐保子) 竹葉 遅足 麗子
  4. 米を研ぐ水の尖りて春寒し (亜子) 能登 晴代 結宇 麗子 須美 泉
  5. ぽつぽつと枝動きだす春隣 (晴代) 竹葉 結宇 麗子 郁子 亜子 須美 泉
  6. 足場解く金づちの音春めいて (郁子) 佐保子 千香子 亜子
  7. 糸切れば何処を住処のいかのぼり(結宇) 晴代
  8. 風花や郵便受けは空のまま (千香子) 遅足 能登 結宇 郁子 泉
  9. 母縫ひし着物は眠るはや二月(竹葉) 能登
  10. 公園のつららの羽翼舞いあがれ (泉)
  11. ひたひたと軍備増強わすれ雪 (能登) 竹葉 遅足 佐保子 千香子 亜子

   

題詠のトップ賞は 麗子さん。 自由題は 晴代さんでした。

おめでとうございます

春の訪れとともに、いろいろと規制も緩和されそうです。

575の会も淡く紅を差して動き出しましょう 

 

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「佐保姫」句会の投句が揃いました。

2023年02月14日 | Weblog

春を告げる女神さまの句が集まりました。どの句が微笑むでしょうか?

二月題詠「佐保姫」

①        佐保姫の由来解説新学期   

②        陽うらうら佐保姫様やみーつけた 

③        佐保姫の行きつ戻りつ野を渡る 

④        佐保姫の転調の指示軒しずく 

⑤        午前三時闇に名を呼ぶ佐保姫よ  

⑥        雨つれて佐保姫お成り音もなく 

⑦        佐保姫の目覚め翠微の山野かな 

⑧        佐保姫やこの世に淡き紅を差し 

⑨        佐保姫の領布(ヒレ)振る風の温みかな

⑩        佐保姫のかすみ前線富士すそ野 

⑪        佐保姫や山の若芽に薄衣 

⑫        ほのほのと佐保姫の笑みほころびぬ

自由題

①        臨月や魚氷に上り心浮く 

②        立春や招待状の届く午後 

③        春立つや夫八十の誕生日  

④        米を研ぐ水の尖りて春寒し 

⑤        ぽつぽつと枝動きだす春隣 

⑥        足場解く金づちの音春めいて 

⑦        糸切れば何処を住処のいかのぼり

⑧        風花や郵便受けは空のまま 

⑨        母縫ひし着物は眠るはや二月

⑩        公園のつららの羽翼舞いあがれ 

⑪        ひたひたと軍備増強わすれ雪 

 

 

 

 

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ひげ当たりベッドの上に年迎え  結宇

2023年02月10日 | Weblog

今日2月10日は、2と10でふとんの日とか・・作者はお正月、お気の毒にも布団の上だったのでしょうか。

須美さん: ご病気でしようか。それでも新年は髭をあたり清々しく身を整える様子がうかがえます

千香子さん: 寝正月と決め込んでベッドの上で年を迎えたのではなさそうです。

髭を剃って身なりを整えベッドの上で迎えた新しい年、良いことがありますように。

能登さん: 身につまされ、いただきました。

 

それぞれのお正月が垣間見える新年の句でした。

この句を選んだ須美さん、能登さんはコロナに感染。

能登さんは「ワクチンを5回もうち、対策も怠らなかったのに・・皆さまも気をつけてください」と添えられていました。

作者・結宇さんは新年早々、派手に転んでしまわれたそうです。

歩道の段差だったか落葉に滑ったか、ご当人に自覚なしとおっしゃっていましたが、結構こたえますね。私も経験者です(笑)

何も正月から・・という思いとそれでも新年を迎える用意としてベッドの上であろうが綺麗にひげを当たるところに俳諧味があるのでしょうね。パジャマも新しくされたかもしれません。

 

  双六の賽の目またもふりだしに  郁子

麗子さん: 双六はどこか人生にも共通するような。。。また振り出しに戻ったことありますよね。でも必ずゴールできるはずです。

能登さん: 世の中すべて、ふりだしに戻っているようです。昭和初期には戻ってほしくないのですが

     

思考がグルグル回り出したら、ふりだしに戻るのもよいかと思います。

『モモ』に出てくる時間泥棒ではありませんが、世の中全体が急ぎ過ぎて急かされているようです。

立ち止まったり、もう一度考え直すことも必要ですね。足がもつれて転ばぬように。。。  郁子

 

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マッチ擦る炎一閃年明くる  亜子

2023年02月09日 | Weblog

お一人暮らしの亜子さん。お正月は小さな鏡餅と布製の小さなウサギを亡きご主人の遺影に供えて、ろうそくを灯しお香を焚いたそうです。静かな年越しのセレモニーです。マッチをするその瞬間を詠まれたそうです。

シュッとする音まで聞こえそうな気がしました。炎の明るさもいつもの日とは違って見え、まさに「一閃」きらめいたことでしょう。亡きご主人が寄り添ってくださったはずです。

郁子さん:年が明ける一瞬。カウントダウンや時計の秒読みで見守る一瞬を、マッチする一閃と表現する感性の鋭さに参りました。

竹葉さん:炎一閃でピリッとした新年の感じが出ていいと思いました。

             ★★★

奇しくも同じ「一閃」という言葉を使われた千香子さんの句は

       寒林へ一閃残し夕日かな

最近は日没が遅くなってきましたが、1月の日暮れは早く、まさにこのような景色を私も目にしました。「寒林へ」がうら寂しい中にも一日を終えた安堵感、そして明日への希望が見えるようです。

泉さん:静かな夕暮れの林に光が差し込む様子がわかる。

亜子さん:夕日が沈む直前の一瞬。明るく照らして沈んでいく印象的な夕焼けの風景。一枚の写真を見るようです。

 

それにしても「一閃」とは一瞬のきらめきを表すとてもいい言葉だと思いました。麗子

 

 

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初詣甘酒もらふ車椅子  佐保子

2023年02月08日 | Weblog

神社でいただく甘酒は本当に美味しいですね。

家では見向きもしない娘らも、この時だけは手をのばします。

手渡す瞬間にいれてくれるすりおろし生姜も欠かせません。一口飲めば寒さに縮こまった身体に血が巡るのを感じます。飲む点滴と言われるゆえんですね。

 

 選者のコメントです。

結宇さん: 甘酒が、一時の慰めか。 不自由な暮らしを察してくれたのでしょうね。 そうでなくても、慰労です

千香子さん:様々な人が行き交う様子が浮かびます。初詣のにぎやかな明るい様子 甘酒まで配られているのかと思いました

能登さん: 新年の迎え方さまざま。少しでも平穏な日が続きますように。

亜子さん: このままの句ですが、車椅子で初詣に出かけてふるまい酒をもらったのでしょう。車椅子だけど無事に出かけられた。周りの活気も伝わって来る。

 

遅足さんもとられました。

温かい湯気が見えるような一句です。  郁子

 

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初空の四方に祈る母といて  麗子

2023年02月07日 | Weblog

母が亡くなって間もなく三年。生前、元旦には誰よりも早起きしていそいそと庭に出て東西南北への四方拝をしていた姿を思い出しました。そんな母の姿を思い出し、私も一人庭に出て一年の健康と平和を祈りました。ふと母もそばにいるような気がして作ってみました。

竹葉さん:新年の空に向かって慎ましく祈っておられるお母様のお姿を愛情込めて見つめる詠み手の姿に打たれるものがあります。

須美さん:お母様は何を祈っているのでしょう。もちろん子供の幸せと子供に世話をかける様な事が自分の身に起らないことを祈っているのでしょう。

ありがとうございました。「四方拝」という季語を改めて調べてみました。

本来は元日の早朝、天皇が皇居で天地四方の神などに豊穣と天下泰平を祈る宮中行事だそうです。それになぞらえて人々も元朝に願いを込めて四方を拝することも含めていうそうです。これも絶滅季語になりそうな気がします。でもこのところの凶悪犯罪を見ると安全だと思っていた日本も変わって来て悲しい限りです。高齢者を狙う犯罪など許せません。皆さま今日も一日ご安全に。麗子

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銀竹? 土瓶割?  千香子

2023年02月06日 | Weblog

それ何 ?という季語が「絶滅寸前季語辞典 」(夏井いつき編)にありました。

 

夏井さんもこんな季語にぶつかると、「正直言ってお手上げだ」と。それで誰かれとなく聞いてみたら「確か銀行貯金の略語だったと思います」と即答された 。(氷柱の事)

土瓶割(尺取虫の異名 夏)

 木の枝にそっくりなので、そこに土瓶をかけようとして割ってしまうほど似ているということでついた名。

これに対して夏井さんは 「どこの誰が何のために土瓶をかけねばならんのじゃ」と書かれています。

私は参考にならずこれらの季語を使うこともないからと、ちらっと見るつもりが文章も面白くついつい読み続けました。

全く想像もできなかった三つ目は 従兄煮( 事始めの副題、春。事は催事の意味、農作業に関連している )。

 

私が経験したことのある 季語もいくつか。

麦踏。 蚊帳。 天瓜粉。 納涼映画。 蝗捕り。 火吹竹。

練炭。 障子貼る。湯婆。など。

いずれも遠い昔のこと。 子供の頃を懐かしく思い出していました。

 湯たんぽは今も毎日使っています 。

この本を読んで一つ俳句ができました。

      「絶滅寸前季語」「春闘」の載る    千香子

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新成人足袋の履けないド派手爪  須美

2023年02月03日 | Weblog

作者・須美さんは、成人式 振袖の着付けの仕事をされました。

今の若い女性を間近で観察できるだけに面白いところを掬い取りました。「ド派手爪」が強烈ですね。

爪を着色する文化は古代エジプトからあったそうですが、最近のネイルアートはどんどん立体的になり

ストーンやホログラムといったラメのようなものがちりばめられ、爪をカンバスに見立てた立派な芸術作品です。

何割増しかに伸びた指先で器用にスマホを操る様子は神業と言えますが、さすがに足袋までは無理だったようですね(笑)

 

  泉さん: ユーモアがあり、楽しい!思わず笑いました。

 千香子さん: ド派手の使い方に度肝を抜かれる思い 、爪のマニキュアは上手にできても足袋のこはぜがはめられない。 アンバランスな感じが面白いと思いました。

 亜子さん: クスっと笑える句。目のつけどころが面白い。ど派手なつけ爪。足元を大胆に飾る今の若い人の時事句のようです。

 

新年の初笑いでクスっと笑えるもう一句。

  実南天雫に映るおかめ顔  竹葉

 

真っ赤な南天の実が濡れそぼり雫を抱えている。。なんて美しい情景!と思ったとたん、その雫に映るのがおかめ顔とは!

 結宇さん:  ご自身の顔と言ってしまうと、叱られそうだけど。 ああ、雫だから拡大するのかな。正月飾りでもするのかしらん。雰囲気を感じます。 

遅足さん、晴代さんもとられました。

 

実際、雫を覗き込んだとしても鏡のようになるはずはないと思いますが、

雫の可愛らしい形状に映るとしたら、しもぶくれのおかめ顔かな?と思う作者の茶目っ気がこの句の魅力なのでしょうね。

今日は節分です 福はうち!!   

 

 

 

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寒鰤や育ちし海の碧纏ふ  能登

2023年02月02日 | Weblog

2月に入り光に明るさが出て来ました。

さて自由句のトップ賞に輝いた能登さんの秀句。寒鰤の表面にはうっすらと青色が混じっています。それを「育った海の碧を纏う」と言い切ったところがすばらしいと思いました。鰤を通して青々とした日本海が見えるようでした。海の碧さをよく知る能登さんならではの俳句だと思いました。

夏の鰤はすらっとしていますが、冬の鰤は背中までさしが入り、でっぷりとしています。エネルギーを蓄えた鰤は11月下旬ごろになると北海道から日本海を通って九州まで南下するそうです。その途中、日本海で水揚げされた鰤を寒鰤と呼ぶそうです。旬は11月下旬から2月初旬。まもなく終わってしまいますね。富山の氷見漁港も有名ですが、能登半島でとれる7キロ以上の「天然能登寒ぶり」。身の脂含有率が30パーセントを超える脂の乗り切った鰤だそうです。一度食べてみたいです。

では皆さんのコメントです。

郁子さん:青光りする魚の肌は故郷の海の色をまとっているのだという作者のやさしさ。迷いくじらの淀ちゃんのふるさとの海を思い切なくなりました。

須美さん:「碧纏う」が好き。さぞ脂ののった美味しい鰤でしょう。

結宇さん:北陸では、これがまさに正月のはじめですよね。 最近は、養殖ブリのほうがおいしいなんていうから。

晴代さん、遅足さん、佐保子さんも採られています。能登さんも年末年始コロナに感染されて辛い日々を過ごされたようです。お見舞い申し上げます。明日は節分で旧暦の大晦日に当たりますから、ここはひとつ仕切り直して、鰯もいいけど、故郷の寒鰤で英気を養ってくださいね。   麗子

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