575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

山寺や巌を割って蝉の声  遅足

2018年08月31日 | Weblog

山形県の山寺・立石寺。
芭蕉の奥の細道に次のように書かれています。

慈覚大師の開基にして、殊に清閑の地なり。・・・
日いまだ暮れず。麓の坊に宿借り置きて、山上の堂に登る。
岩に巌を重ねて山とし、松栢年旧り、土石老いて苔滑らかに、
岩上の院々扉を閉ぢて物の音聞こえず。
岸を巡り、岩を這ひて、仏閣を拝し、
佳景寂寞として心澄みゆくのみおぼゆ。
 
  閑かさや岩にしみ入る蝉の声  

名文ですね、声に出して読むとまた味わいが深くなります。
先日、また行ってきました。今回は蝉が鳴いていました。
石段を登っていくと、ある時は右から、左から。
また前から後ろから。上からも、下からも。

途中にせみ塚。芭蕉が山寺を訪ねてから半世紀後、
俳人壷中(こちゅう)らが、建てたものだそうです。

写真は杉木立の途中から見上げた崖。この上に五大堂。
今回も仁王門までしか登れませんでしたが、
蝉の声が聞こえ、満足でした。
今回は、このあと芭蕉の足跡を訪ねて出羽三山へ。
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高野山   麗

2018年08月30日 | Weblog
台風一過。先週、高野山に出かけました。
南海電車で極楽橋下車、ケーブルカーに乗って高野山へ。そこからバスに乗って奥の院へ。標高900メートルの御大師様の聖地です。

6年前に伯母が亡くなり、高野山の墓地に眠っています。戦争未亡人で生涯一人で過ごし、生前から高野山の永代供養を申し込んでいました。

この写真の入り口から御廟までの奥の院の約2キロの参道両側に20万基とも言われる墓碑が、そびえる杉木立の中に並んでいます。
徳川、織田、豊臣、明智を始めとする戦国武将の苔むした供養塔や名だたる大名家、企業関係者、震災戦争被害者の供養塔と、歴史を感じながらひんやりとした空間を歩くことが出来ます。

戦国時代の武将が敵味方なく弘法大師さまのもとで眠っているのはなんだかほっとします。
伯母も多くの方と一緒に高野山で眠り淋しくないことでしょう。

高野山名物の真っ白な生ごま豆腐を父のお土産に買って帰りました。

           高野山眠る武将に秋の風  麗
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流星や声なき声のメッセージ   麗子

2018年08月29日 | Weblog

心に迷いのある時、困った時、ふと天を仰ぐことも・・・
そんな時、天は決して人を見捨てはしないようです。
具体的な助言ではありませんが、励ましのメッセージを感ずるのです。

それは天の意志だ、とか、天の心、という言い方をします。
起きてしまったことは、すべて決まっていたことだからと仕方ない。
あるがままに受け入れるべし、と。
では、これからのことも、もう決まっているのでしょうか?
私は、天の意志だから、未来の事も決まっていると考えてきました。

しかし、これは間違っていたようです。
人間より大きな存在に気づく時、自己を客観的に見る位置に身を置くに。
その時、自分がこだわって、こころが硬直していることに気づきます。
執着した心から自由になった時、未来は自由意志と行動次第に。
これが本当の「天の意志」という意味だったようです。

この句、俳句としては中七下五に具体性が欠ける感じです。

  流れ星声なき声に耳すます

これは良くない例ですが、読者が共感できる具体的なものがあったほうが
良いと思います。(遅足)
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またも中日歌壇!

2018年08月27日 | Weblog
今日の中日新聞
小島ゆかり氏選のトップに宗匠の一首。

オホーツクの海の上にて目を覚ます昨日の蝶を空の栞に

  {評}船上の旅の朝だろうか。非日常の時間の新鮮さが、美しく冴えた感覚を
     もたらした。ひと続きの空の時間をすいと過ぎさった「昨日の蝶」。
     それを「空の栞」と捉えた、イメージも表現も魅力的である。


歌も解説評の言葉も素敵です!
おめでとうございます。  郁子

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流れ星志士しかと踏む国境(くにざかい)  結宇

2018年08月26日 | Weblog

国境を越える志士の覚悟が感じられる、とすみさん。
物語の見えてくる句です。

大河ドラマの「西郷どん」で活躍する志士の多くは脱藩。
脱藩は重罪とされる国禁。国境を越える時の気持ちはどんなだったのでしょう?
作者は「志士しかと踏む国境」と詠んでいます。
志士としか、とが頭韻を踏んで足取りを強調するようです。
そんな志士の目に映った流れ星。
吉凶、いずれの前兆でしょう?ドラマチックですね。(遅足)


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敗戦日ひとりテレビに黙禱す  静荷

2018年08月25日 | Weblog

  普段着で人を殺すなバスジャックせし少年のひらひらのシャツ

栗木京子さんの歌。この歌には詞書きがあります。
「そして平成十二年、十七歳の少年が・・」

歌集のなかでは、この歌の前に、社会党の浅沼稲次郎委員長の
暗殺事件が詠まれているそうです。
昭和三十五年、演説中に浅沼さんが右翼少年に刺殺された事件です。
この少年も、バスジャックの少年も同じ十七歳。
右翼の少年は学生服。バスジャックの少年はシャツ姿。
時代を隔てて、その対比が詠まれています。

出来事の間にある類似性を補助線にして詩歌を読む。
静荷さんの句からも73年前のあの日との類似点を発見しました。

昭和20年8月15日。国民はラジオの前に集まり、昭和天皇の放送を聞きました。
それから73年経った今、国民はテレビの前でひとり黙禱を捧げています。
放送というメデイアはラジオからテレビに変りましたが、
国家の意志を放送を通して国民に伝えるというシステムは変らぬまま。
日本国中で同じ光景が繰り広げられている。その不可思議さを感じました。

テレビの時代も終わりが近づいています。
平成のあとの新時代にはどんな光景が見られるのでしょうか?

浅沼さんが暗殺された時、私は同じ十七歳でした。
この暗殺事件の衝撃は忘れられません。(遅足)



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8月句会の結果です。  遅足

2018年08月24日 | Weblog
狗子さんから選句を頂きました。全員の選句が揃いました。

題詠「流れ星」

①流れ星志士しかと踏む国境(くにざかい)(結宇)すみ・遅足・静荷
②流星や声なき声のメッセージ(麗子)静荷・狗子
③満天の星また一つ流れけり(等)能登・麗子
④孫の手の一期一会や流星群(能登)結宇・郁子
⑤恐竜の深き眼に星流る(郁子)智恵・結宇・能登・すみ・遅足・麗子・亜子・晴代・狗子
⑥流れ星すいこまれゆく青い闇(晴代)狗子
⑦合宿所睡魔吹っ飛ぶ流れ星(すみ)
⑧拘置所の開かずの窓や流れ星(亜子)佐保子・千香子・智恵・遅足・等
⑨人工衛星と七歳の声浜の夏(千香子)
⑩闇に寝て流れ星待つキャンプかな(静荷)佐保子・千香子・郁子
⑪流星にあこがれ出づる船の旅(佐保子)千香子・等・晴代
⑫絶滅種あまた流るる星あまた(遅足)佐保子・結宇・すみ・亜子・郁子
⑬銀河よりこぼれて二つ流れ星(狗子)智恵・能登・麗子・等・静荷・亜子・晴代

自由題

①C調が哀調になり法師蝉(郁子)結宇・すみ・麗子・静荷
②婆さまの後ろむくむく入道雲(晴代)すみ・遅足・郁子・狗子
③脱け殻のしがみつきおり今朝の秋(能登)智恵・結宇・晴代・狗子
④青きわたつみ能登で迎へし終戦日(等)佐保子・千香子
⑤新涼や水撒く朝の人心地(麗子)静荷・晴代
⑥山法師筆の滲みや(にじみ)風の揺れ(結宇)等・晴代
⑦敗戦日ひとりテレビに黙禱す(静荷)遅足・麗子
⑧人魂(ひとだま)の声なき声や原爆忌(亜子)佐保子・千香子・智恵
⑨雉鳩の今日はよく啼く秋めきて(佐保子)麗子・狗子
⑩どんぐりというたのしさを手の窪に(遅足)智恵・結宇・能登・すみ・等
⑪反戦の幟持つ人皺の汗(千香子)佐保子・能登・遅足・等・静荷・亜子・郁子
⑫処暑の風赤子の声の落ち着いて(すみ)亜子
⑬炎天の中サイレンの音止まる(狗子)千香子・能登・亜子・郁子

次回は9月19日(水)午後1時20分 愛知県芸文センター12階
題詠は「栗」です。

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流れ星句会   麗

2018年08月23日 | Weblog
またまた厳しい残暑となった昨日。新装なった芸文会議室で句会が行われました。郁子さんから
両口屋の「旅まくら」の差し入れあり。ご馳走さまでした。
また今回から「千香子さん」が新入会されました。どうぞよろしくお願いいたします。

なかなか夜空を見上げる機会が少なくなった昨今。「流れ星」のお題は難しかったでしょうか?そもそも流星とはなんぞや?理系の安藤さんがお休みだったのが残念でした。
(宇宙塵が大気中に飛び込み摩擦のために高温を発して燃え尽きる現象だそうです。)
ちなみに右から左に走る流れ星は着物の懐に入るので、縁起がいいという言い伝えもあるそうです。

そんな中、圧倒的な得票を集めた恐竜の一句。発想のセンスに恐れ入りました。
では一言講評です。

題詠「流れ星」

①流れ星志士しかと踏む国境(くにざかい)

西郷どんのような維新の志士たち、脱藩浪士の龍馬でしょうか?物語性のある一句です。流れ星より「星走る」としたらより決意が伺えるとの声もありました。

②流星や声なき声のメッセージ

星からの最後のメッセージに何かを感じ取ったことを詠みたかったのですが、具体性にかけます。

③満天の星また一つ流れけり

そのままの素直な一句。「また一つ」に喪失か喜びか?

④孫の手の一期一会や流星群

お孫さんと見る流星群。「孫の手の」の「の」に再考のアドバイスあり。貴重な一瞬ですが。


⑤恐竜の深き眼に星流る

一気に恐竜のいたジュラ紀までさかのぼった壮大な一句。恐竜たちも流星を見たのでしょうか?「深き」にもう一ひねり欲しいという特待生ならっではの注文も。お見事でした!!


⑥流れ星すいこまれゆく青い闇

こういう感じわかります。「青い闇」が苦労されました。

⑦合宿所睡魔吹っ飛ぶ流れ星

思い出の一句でしょうか?やや説明的というアドバイスがありました。


⑧拘置所の開かずの窓や流れ星

鉄格子から見る流星。なんとなくやるせない気持ちになります。もしかしたら無実の人も。


⑨人工衛星と七歳の声浜の夏

人工衛星を流れ星と見たのですね。

⑩闇に寝て流れ星待つキャンプかな

セブンズ園原で実際に星を見た作者ならではの一句。キャンプしてみたいです。


⑪流星にあこがれ出づる船の旅

満天の星空を船上から見る贅沢。そんな旅、あこがれます。実際にはお天気悪く見られなかったそうです。残念!


⑫絶滅種あまた流るる星あまた

地球上から消えゆく多くの絶滅種。そして、宇宙から消えゆく多くの流星。これまた壮大な一句。こちらも恐竜から発想したそうです。


⑬銀河よりこぼれて二つ流れ星

「こぼれて二つ」がなんともロマンチック。織り姫と彦星と詠んだ人も。

いかがでしたでしょうか?

今回の運座(この言葉初めて知りました)で議題に上ったのは「報告句」の難しさ。単なる報告でなくそこに読み手の想像力や共感を得られることが大切なのでは?という名人からのお言葉でした。
凡人からの脱出はなかなか険しいです。
来月は秋らしい「栗」がお題です。
皆さん、特待生目指してがんばりましょう!!


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8月句会の投句が集まりました。

2018年08月22日 | Weblog
8月句会の投句が集まりました。今回の題詠は「流れ星」です。
新しい方がひとり参加されました。
残暑句会、どの句に風が集まるのでしょうか?  遅足

題詠「流れ星」
①流れ星志士しかと踏む国境(くにざかい)
②流星や声なき声のメッセージ
③満天の星また一つ流れけり
④孫の手の一期一会や流星群
⑤恐竜の深き眼に星流る
⑥流れ星すいこまれゆく青い闇
⑦合宿所睡魔吹っ飛ぶ流れ星
⑧拘置所の開かずの窓や流れ星
⑨人工衛星と七歳の声浜の夏
⑩闇に寝て流れ星待つキャンプかな
⑪流星にあこがれ出づる船の旅
⑫絶滅種あまた流るる星あまた
⑬銀河よりこぼれて二つ流れ星

自由題
①C調が哀調になり法師蝉
②婆さまの後ろむくむく入道雲
③脱け殻のしがみつきおり今朝の秋
④青きわたつみ能登で迎へし終戦日
⑤新涼や水撒く朝の人心地
⑥山法師筆の滲み(にじみ)や風の揺れ
⑦敗戦日ひとりテレビに黙禱す
⑧人魂(ひとだま)の声なき声や原爆忌
⑨雉鳩の今日はよく啼く秋めきて
⑩どんぐりというたのしさを手の窪に
⑪反戦の幟持つ人皺の汗
⑫処暑の風赤子の声の落ち着いて
⑬炎天の中サイレンの音止まる

今回から会場が栄の愛知芸文センターです。


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肉食の大群衆と待つ花火   遅足

2018年08月21日 | Weblog

大学生の頃ですから、50年以上前になります。
アメリカ・ワシントン州のウェナッチという小さな町に
ホームステイしたことがあります。
小学生の高学年になると女の子はお化粧をしたり、
女子高校生が将来の夢はお金を儲けること、と言ったり
小さなカルチャーショックが幾つかありました。
そんななかの一つに体臭の違いがありました。
食べ物が違えば当然ですが、肉食の人特有の匂いが感じられたのです。

あれから半世紀。お米と魚が中心だった日本の食卓も欧米風に。
日本にパン食を根付かせるために様々な工作があったという話も・・・
米食だと頭が悪くなる、といった話がまことしやかに囁かれたことも。

みんなが同じように変われば、変ったことに気づきません。

  暗く暑く大群衆と花火待つ  西東三鬼

この句の詠まれた頃とは群衆の体臭も違うのでは?
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日本脱出したし 皇帝ペンギンも皇帝ペンギン飼育係りも  塚本邦雄

2018年08月20日 | Weblog

教科書にも載ったことのある歌。
皇帝ペンギンは天皇を指し、飼育係は国民をさしている。
天皇も国民も日本を脱出したい、と思っている。暗喩の歌。
敗戦後の日本という文脈のなかで読まれてきました。
確かに私も解説を読んで、納得したように覚えています。

しかし永田和宏さんは「前衛短歌を振り返る」と題した講演のなかで
こうした意味偏重の読みにふれ、次のように話していました。

「意味が分かったら、その歌を理解したことになるのだろうか。
そういう意味中心の読み方は歌を痩せさせるのではないか。
分からなくても、歌をそのままに受けいれるという読み方。
これも大切ではないのか」

  ほほえみに肖(に)てはるかなれ霜月の火事のなかなるピアノ一台

同じ塚本邦雄の歌。永田さんは意味が分からなかったそうです。
私は今も意味はよく分かりません。分からないので忘れていました。
改めて読んでみると、歌の呼び起こす鮮明なイメージ・・・
繰返し口ずさむと、なんとなく良い気持ちになってきます。

この話を聞いて、俳句の夏井いつきさんの新聞の特集記事を思い出しました。

「・・・俳句は意味を伝えるものではありません。
作者が映像を言葉に変換した句を、読む人が自分の記憶に変換することで懐かしさを感じます。
他人の俳句を五感で読み、自分の体を喜ばせるという作用もあります。・・・」

短歌や俳句が伝えるもの、それはいったい何?どう読み取ったらいいのか?
歌謡曲を聞く時は、意味もさることながら、メロディーやリズムも含めてを楽しんでいますが・・・
帰りの新幹線。ぼんやり外と眺めながめて考えていたら、あっという間に名古屋駅でした。

(昨日、浜松で開かれた「塔」のシンポジュームへ行ってきました。遅足)



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星流れちょっと地球を留守にする  遅足

2018年08月19日 | Weblog

夜空には一体、何個の星が輝いているのでしょうか?
無数の星で混沌とした夜空・・・
星座は、今から5000年ほど前、メソポタミア地方に住んでいた
カルデア人らによって考えだされたといわれます。
羊の見張り番をする人々が、星と星をむすび、いろいろな動物に
見立てたのが始まりとされています。

紀元前2世紀には、アレキサンドリアの天文学者プトレマイオスが
48の星座としてまとめ、星空の地図をつくりました。
コペルニクスの登場で天動説から地動説に。新しい星座がつけ加えられ、
現在では星座は88と定められています。
88とは不思議な数字ですね。
日本からはカメレオン座のように全く見えない星座が3つあるそうです。

  くちびるに遊ばせてみる春の夜の知れるかぎりの星座の名前 目黒哲朗

いったい幾つ星座の名が言えるのか?心もとないです。
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最果ての風の岬のアマツバメ 君の翼は軽すぎないか

2018年08月18日 | Weblog

♪襟裳の春は 何もない春です

森進一の歌う「襟裳岬」
この歌を聞いてから一度は行ってみたいと思っていました。
 
十勝港から、多額のお金がかかったことから黄金道路と
呼ばれる国道336号線を南下することおよそ30分強。
そこがあの襟裳岬でした。
なにもない観光地も魅力的かな、思っていましたが、
売店や風の館という観光施設がちゃんとありました。

北海道の背骨・日高山脈が太平洋に落ち込んでいく岬。
点々と海上遠くまで岩礁の列が伸びています。
沖合で暖流と寒流がぶつかることから霧の名所でも。
灯台には霧笛が備えられているそうです。
風の岬とも呼ばれ、風速10メートル以上の日が年間290日もあるとか。
訪れた日は残りの70日のなかの一日で穏やかな日和でした。

襟裳岬はアザラシの生息地としても有名ですが、
この日は姿を見ることは出来ませんでした。残念。
アマツバメの飛ぶ岬から、帰心矢の如く帰った名古屋は酷暑でした。

                        (遅足)
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中日歌壇

2018年08月17日 | Weblog


  地下街をぬけて炎天ふと思ふこの国の戦中に我は生まれし


島田修三氏選のトップに
宗匠の歌が掲載されておりました。

{評}涼しい地下街から真夏の街路に出た。灼熱の炎天下である。
   そこから連想される「戦中」のイメージは空襲で炎上する街区ではなかったか。
   戦災と深く関わるみずからの生誕を噛みしめるような一首

「戦中」ではないけれど、ほぼ隣り合わせに生まれ育った私たちの世代は
前だけを見て生きてきたような。。いろいろ考えさせられます。郁子
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ロシアとの平和条約なきことを旅の航路に気付かされをり  佐保子

2018年08月17日 | Weblog
函館、小樽、稚内、網走と北海道を時計回りの船旅、最後は十勝へ。
網走から知床半島に向かうと思っていた船。来た航路を戻っていきます。
船員さんに尋ねましたが、明確な返事はありませんでした。
どうもロシアとの国境問題が関わっているようです。

ソ連との国交が回復したのは1956年。
当時の鳩山首相とソ連のブルガーニン首相が日ソ共同宣言に署名。
戦争状態の終結と国交回復が実現しました。
しかし領土問題の対立は続き、平和条約は結ばれませんでした。
それから60年以上たった今も、国境は定まっていません。
そんなところを航海することはとても危なくて出来ませんね。
平和ボケした頭にガツンと一発喰らった思いでした。

網走の花火を楽しんだ夜、船は最後の寄港地、十勝港に向かいました。(遅足)
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