575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

青い夢   麗

2008年01月31日 | Weblog
母からの電話で俳句の話に及びました。
先日NHKラジオで聞いたという
イギリス人のブライス先生が作った俳句を教えてくれました。
(早朝の深夜便を寝ながら聞いていたそうなので間違っていたらごめんなさい)

禅に関心のある学習院?のブライス先生が若い頃日本語で作った俳句だそうです。それは

  葉の裏で青い夢見るかたつむり

というもの。ひっそりと生きるかたつむりの青い夢。なんて美しい俳句でしょう。
俳句は余分なものをそぎ落としていくので禅に通じるものがあるようです。
深夜便ファンの朱露さんはお聞きになっていなかったでしょうか?
日本人だけの文芸ではなく俳句は世界に共通する文化になっているのですね。

私も青い夢を見てみたいです。
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ちょっと長いですが・・・    遅足

2008年01月30日 | Weblog
木登りが好きで、ツリーハウスに住んでいるタレントの
ジョン・ギャスライトさん。
なぜ、そんなに木の上が好きなのか?

先日、こんな話を聞きました。

   

子供の頃のジョンさん、父母は離婚、父のアルコール中毒。
さらに学校ではいじめられていました。
ある日、おじいさんがジョンさんを木登りに誘いました。
大きな木のうえで、ジョンさんは自分の知っているほかにも
広い世界があることに気づきます。

おじいさんは友だちをつくるヒントを教えてくれました。
面白いことをすれば友達はやってくるというのです。
ツリーハウスをつくったジョンさんは沢山の友だちが出来たそうです。

大人になったジョンさんがツリーハウスに住むようになったのは
別の動機があるのでしょうが、原点は子どもの頃の体験でした。
木はココロを閉じていません。人がココロを開けば木はちゃんと
話をしてくれるそうです。

   

この話はハイクをつくる時のヒントを与えてくれました。
まずココロを開いて自然と遊ぶ。
この体験が多ければ多いほど、豊かなココロに。
特別めずらしい自然でなくても、身近な自然のなかを
ユックリと歩くだけでも十分。


それだけでハイクが出来るわけではないのも事実。
身近な自然に気づくには、ものの見方を変える必要があります。
ジョンさんは、こんな話をしてくれました。


地球温暖化と白熊の危機について、子供に話す時、
こんな風に切り出すそうです。
みんなが北極で、白熊に出会った。
さあ、握手しようと、どちらの手をだしますか?
えっ?

   

人間の十人のうち九人は右利き。
白熊は100%左利き。
さあ、左手を出して、と。

身近な自然と話をするには、自然に対する知識が必要です。
しかし、白熊が左利きとしっているだけではダメです。
白熊と握手するという場面を想像する力がないと、
子どものココロをつかめません。

この想像力、俳句にも必要。

私は、想像力が乏しいので、強制的にコトバを置き換えます。
フレーズのなかのコトバを入れ替えていきます。
これまで関わりを持たなかったコトバとコトバを
フレーズのなかに置いてみる。

技量が低いので多くは一人よがりに。
失敗句は、現実の体験に裏打ちされていない場合が多いです。
現実の体験がコトバによって、新しいなにかに変化した時、
きっと良い句が・・・

成功すれば、それは新しいコトバの種となって、
誰かのココロのなかに根付き花を咲かせることもあるのではないのか?
一句でいいからそういう句をつくりたいというのが夢です。






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オニが泣いています   鳥野

2008年01月29日 | Weblog
2月4日は立春。もうすぐ春です。
その前夜の節分の豆まきは、楽しい年中行事でした。
おおかた、どの家もこの夜ばかりは、お父さんが主役。「オニは外・・・」と大声を張り上げたのもです。

追儺、鬼やらい、などと言われ、忌み嫌われている「オニ」だけど、きっと言い分はあるに違い無い。それが聞きたくて先年、丹後の大江山へ出かけました。

「日本の鬼の交流博物館」は鬼文化研究所という別名もあって、さまざまなオニが結集していました。

仏教や陰陽道で邪神、亡霊、怪物とされているオニが堂々と自己主張していて、成程。時間を忘れる面白さです。

  ・ 大江山のおに見届けたしと山に来ぬ 美しき稚児とう草紙のうれし

  ・ 酒呑童子の旨酒に酔う大江の夜 鬼よ訪い来よ連れ立ち行かな

  ・ 大江の里の人みな温し千年を鬼の悲哀とともに棲みきて

  ・ 大江山に醜草あらず山裾に鬼の馳走と山藤ゆれる

福はうち鬼もうち・・・と唱えて、国中から追われたオニを呼びよせて宴するのは、吉野の金峯山寺。
節分の日に盛大に行われる<鬼火の祭典>は、ぜひ見学したいものです。






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漢字を詠む               ゛愚足

2008年01月28日 | Weblog
 ひらのこぼさんが、漢字についての俳句を紹介しています。

蛞蝓といふ字どこやら動き出す       後藤比奈夫
   (じっと見直したら確かにそうだ)
伊勢といふ字のさながらに飾海老      鷹羽狩行
   (伊は胴体、勢は頭だ。)
薫風といふ字立派に一書簡         宇多喜代子
   (一度、薫風という言葉を使ってメールを書いてみよう。)
褒美の字放屁に隣るあたたかし       仲原道夫
   (ハハハハ・・・・なるほど。)

漢字の句作りの秘訣は「実感で詠むことだそだ。)

酒池肉林心乱さぬ文字となり          愚足
凸凹と分かりやすき字の小春かな
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ごまめ(田作)              愚足

2008年01月27日 | Weblog
 ごまめ(田作)は、カタクチイワシの幼魚を水洗いし、天日干ししたもの。
 炒って砂糖・醤油・みりんなどで煮たもので正月料理に必ず出る。
 姿は小さいがお頭付で縁起が良いものとして武士の間でも好んで食されたらしい。別称の田作はかつてイワシを田の肥料にしたからとも、田植えの祝儀魚として用いられたからともいわれている。
 ごまめが好きなのだが、最近はすっかり歯が弱くなって「ごまめ」の前のイワシの幼魚の「ちりめんじゃこ」の釜揚げのほうが柔らかくて良くなった。

  世の中に馴れぬごまめの形かな       正岡子規
  独酌のごまめばかりを拾いおり       石川桂郎
  齢重ねなほなほ田作のほろ苦き       鷹野 映
  噛み噛むや歯切れこまかにごまめの香    松根東洋城
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初句会の結果です。  遅足

2008年01月26日 | Weblog
童子さんの選句が届きました。

題詠

①去年今年テレビにふわり前総理(朱露)静
②門松の紙貼ってある学生寮(狗)能・鳥・遅・亜・静・麗・童
③元日の日の耀(かがよ)ひてはや海に(静荷)郁・愚
④黒々と神おわす山初参り(晴代)鳥・立・遅
⑤手をかざす火焔の高さ淑気満つ(亜子)郁・立・晴・狗
⑥門松や男兄弟ばかりなり(遅足)能・朱・静・晴
⑦初洗濯日常ぐるぐる回りけり(麗子)郁・朱・遅・亜・晴
⑧柏手の間合い似てきた初詣(郁子)能・麗・狗
⑨片言を二人で聞きし初電話(立雄)鳥・愚・亜・麗・童
⑩初詣隣の美女のなが祈り(能登)朱・愚・狗・童
⑪臥す妻の願いの破魔矢真白なり(愚足)立


自由題

①いつの間に寄り添うているスワンかな(愚足)郁・朱・立・遅・亜・童
②十光年離れてすわる冬座敷(遅足)能・静・麗・亜
③冬の時化一村すべて耐えて待つ(能登)鳥・立・遅・愚・晴・麗・童
④囲炉裏ばた年守る人の深きしわ(郁子)立
⑤ひょいと抱き親子で鈴を鳴らしをり(立雄)能・郁・鳥・朱・愚・亜・静・麗・童
⑥玉砂利を踏みしめて行く初詣(麗子)
⑦踏み入れる淑気の山の辺の道に(晴代)
⑧茹で玉子逃げる包丁始めかな(亜子)鳥・朱・遅・晴
⑨ローマから電子メールの寒波来る(狗)愚・静・麗
⑩両手つき婆(ばば)に挨拶春着の子(静荷)能・郁・亜・晴
⑪天翔るもの燃え尽きる夜の雪(朱露)狗

    

次回は2月20日(水)午後6時 安田屋です。
題詠は「梅」です。


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天翔るもの燃え尽きる夜の雪 朱露

2008年01月26日 | Weblog

 朱露さんの句についての句会でのお話し。

 天翔るものとは?
 ペガサス?
 ギリシャ神話の登場する翼のある天馬のこと。
 英雄ベレロフォンの愛馬ですが、
 天に昇ろうとするペレロフォンを振り落として自ら天に。
 いまは、北天に出る星座となっていると言われています。

 この句の、天翔るもの。
 ペザサスかも知れません。あるいは人間の夢、希望なのかも。
 それが遂に燃え尽きる夜。
 夢の残骸のような雪が静かに降り始める。

 ロマンに溢れた句、狗さんだけがとっています。

                 (遅足)



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蛇の鬚の実             草女

2008年01月25日 | Weblog
 1月の初旬、海上の森を歩いていてジャノヒゲの濃いコバルトブルーの実を見つけた。房状に成り一本の柄に10個ほどの実がついている。いつもは数個くらいしかついていない。これほど見事な実に出会ったのは初めてである。
 子どもの頃、この美しいコバルトブルーの実を剥いて半透明な小さな球を弾ませて遊んだ。スーパーボールなどない頃、その弾み方は子どもの常識を超えていて楽しかった。
 ユリ科ジャノヒゲ属の多年草で別名リュウノヒゲという。細い葉を蛇や竜の鬚にたとえたものであろう。蛇に鬚があるかという疑問もあるが、それはさておきあのコバルトブルーの実が問題である。
 じつはあのコバルトブルーの実は種子なのである。ユリ科のヤブラン属とジャノヒゲ属だけは、果皮が薄くて脱落しやすく種子が剥き出しのまま成長する。
 幼い頃剥いたブルーの皮は果皮ではなく種皮ということになる。
 この事は柿の種を考えると良く分かる。柿の種は茶色の部分が種皮で中に乳白色の胚乳があり柿の種となっている。もしジャノヒゲの様に柿の種がそのまま枝にぶら下がっていたらどうだろう? 奇異だし何より美味しい柿が食べられない。
 ジャノビゲもヤブランも余分なものを一切捨てて究極の種子だけの姿を外に見せている。そしてそれが見事に美しい。特にジャノビゲの種子は、ラピスラズリやトルコ石より美しく、それらの宝石より光沢があり透明感があるように思える。
 身に着けることは適わないが森の大切な宝石である。

   人の手に惜しみ返へしぬ龍の玉       皆吉禅寺洞
   陸はもと海なり青き龍の玉         中村苑子
   この中の誰雨をんな龍の玉         宇佐美魚目

   小さき手を逃げて追われし龍の玉      愚足
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初句会   麗

2008年01月24日 | Weblog
今年初めての句会。「新年」が兼題ということでほほえましい楽しい句が
多かった気がします。おしゃべりもにぎやかでしたね。

愚足さんの

 いつの間に寄り添うているスワンかな

と遅足さんの

 十光年離れてすわる冬座敷

の対比がおもしろかったですね。
愚息さんからスワンというコトバが意外?
でも、遅足さんの句が
生者と死者の冬座敷とは思いませんでした。

立雄さんは欠席で残念でしたが

 ひょいと抱き親子で鈴を鳴らしをり

は初句会のトップ賞に。
初詣のほんの一瞬をまさに軽やかにとらえた句に賞賛の声。
写真展に応募出来そうな一コマ。
「日常をひょいと切り取る。」私の今年の句の目標が
できました。今年もどうぞよろしくお願いします。
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初謡    遅足

2008年01月23日 | Weblog
八事福祉会館の謡の講座に通いはじめて数年。
今年も先日、初謡がありました。

今年の課題曲は「高砂」でした。
私はシテではなくワキ。
例の「高砂やこの浦舟に帆をあげて・・・」
この一節はワキの担当。
大きく声一杯に謡う。
これを強吟というのですが、どうも苦手です。
弱吟になってしまいました。

   

高砂のなかに、こんな部分がありました。

 長能が言葉にも、有情非情のその声、
 みな歌に洩るることなし、
 草木土砂、風声、水音まで、万物に籠もる心あり、
 春の林の、東風に動き秋の虫の、
 北露に鳴くも、みな歌の姿ならずや。

長能は藤原長能という人のことです。
自然との一体感がよく表れた一節ですね。

近代以降の俳句も、この自然観を引き継いでいるのだ
と思いました。



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初句会の句がそろいました。  遅足

2008年01月23日 | Weblog
今年最初の句会の投句がまとまりました。

題詠

①去年今年テレビにふわり前総理
②門松の紙貼ってある学生寮
③元日の日の耀(かがよ)ひてはや海に
④黒々と神おわす山初参り
⑤手をかざす火焔の高さ淑気満つ
⑥門松や男兄弟ばかりなり
⑦初洗濯日常ぐるぐる回りけり
⑧柏手の間合い似てきた初詣
⑨片言を二人で聞きし初電話
⑩初詣隣の美女のなが祈り
⑪臥す妻の願いの破魔矢真白なり


自由題

①いつの間に寄り添うているスワンかな
②十光年離れてすわる冬座敷
③冬の時化一村すべて耐えて待つ
④囲炉裏ばた年守る人の深きしわ
⑤ひょいと抱き親子で鈴を鳴らしをり
⑥玉砂利を踏みしめて行く初詣
⑦踏み入れる淑気の山の辺の道に
⑧茹で玉子逃げる包丁始めかな
⑨ローマから電子メールの寒波来る
⑩両手つき婆(ばば)に挨拶春着の子
⑪天翔るもの燃え尽きる夜の雪


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星恋い   鳥野

2008年01月22日 | Weblog
一年中でもっとも星の美しい季節です。
冬銀河、冬の大三角形、オリオン、スバル、赤いぺテルギウス、白いプロキオン・・・名を聞くだけで心が洗われそうです。
中で、どの星よりも明るく耀くのはシリウス。

「1、5等星、都会の夜空でもよく見えます」とガイドブックにはあるのだけど、どしてどうして。
吾が塒は、夜も人工照明の只中。航空障害灯のキラキラを眺めながら、星恋いの夜が続きます。

  ビル明かりとテールライトの赤い灯の間いに星と吾れの息する  

シリウスの和名は「天狼」、主宰の誓子氏には、星の秀句がたくさんあるようです。
学ばねば、と思っています。
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これはこれは         愚足

2008年01月21日 | Weblog
 鳥野さんが電話で昨日の「中日歌壇」に載ってるM氏は、このブログの遅足氏ではないかという。新聞を見て「俳壇」でなくて吃驚。「歌壇」である。
 
  「人の手の耳にやさしく囁けば仔象は冬のなかに出でたり」

 選者の岡井隆氏の評は・・「仔象」の耳を「人の手」がやさしく愛撫したのを「囁けば」と見立てたのは秀逸。そして「冬のなかに」出て行く姿も嬉しいではないか。

 まったく同感である。不安げな孫を説得する婆ちゃんの景である。
 日ごろ難解な句を得意とする氏とは別人のようである?
 やや調べというかリズムは気になったが。でも友人として誇らしい。

もしがM氏が彼であれば、今後は俳句の師匠でも長年の友人でもある彼に短歌も教えてもらう事にしよう。


 
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寒中お見舞い申し上げます。   遅足

2008年01月20日 | Weblog
寒中といえば小寒から大寒までとか。
寒中見舞いということは、これまで余り考えたことがないのですが、
寄る年波か?今年の寒さは身にこたえます。

午前中、センター試験の会場となっている
名古屋大学の構内を散歩しました。
ところどころに、係りの人が立っているほかは、
シーンとしたなか、緊張感が漂っていました。


 お神籤(みくじ)のまじる落ち葉の吹き溜り

今朝の中日俳壇に載っていた江本絵悶さんの句です。
選者の栗本やすしさんは、
「願いを込めてひいた御神籤が落ち葉の吹き溜りに混じっているという。
あわれとおかし味が一緒になっている」と、評しています。

困った時の神頼みは人間の性。
受験生の皆さんのひいたおみくじは?

    のちか?

明日は大寒です。

 大寒の石となりたる尾骨かな   遅足






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初鏡品格探す鏡の裏    朱露

2008年01月20日 | Weblog
  坂東真理子の「女性の品格」が売れる。
  品格がある女は必要ないから買わない。
  品格なんかない女は始めから買わない。
  すると、誰が買えばあんなに売れるの?


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