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575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

藤の花旅立つ祖母の白襦袢  郁子

2025年04月25日 | Weblog

俳句は目の前にあるものを詠み、そこから発見や想像、詩情が生まれ読み手とともに世界が広がっていくところに醍醐味があると言われます。

今回のお題「藤の花」今真っ盛りですが、この句をつくる頃は少し早すぎて、私としては花を見ることが叶わずイメージ先行の句となりました。

< 紫ではなく白藤だと思う。清楚な品の良い祖母ではないか。

藤の咲くころになくなられたのでしょうか。

旅立つ際の死に装束、悲しいけれど美しい旅立ちを詠まれた >

句会に参加された皆さんから素敵な感想をいただきありがとうございます。

 

実はこの句は私の夢で見た景から浮かびました。このあとは「ちょっと怖い・・」という感想が漏れたお話です。

(  祖母が亡くなったのはちょうど50年前、88歳でした。私はまだ高校生、大好きな祖母の顔も正視できない程の涙のお別れをしました。それから〇〇年。第一子を産んで退院した夜、とてもリアルな夢を見たのです。祖母が真っ白の装束で、誰とはわからないけれどニコニコ笑う何人かとともに輝きながら現れました。「お祝いにきてくれたのだ」とすぐわかりましたが、優しい笑顔と襦袢模様である藤の花がとても印象に残ったという夢です。

あとで聞いたのですが、祖母は綺麗な藤の花の襦袢を着せられて棺に納められたということです・・・ ) 

ここで麗子さんが「寒い~!」と一声。お部屋の温度が下がりました(笑)しかも祖母の旧姓は 藤江寿々といい、ここにも「藤」がありました。

亜子さんからは、襦袢の白と藤の薄紫がしみじみと響き合い、季語が動かない。他の花ではこうは行かず、ぴたっとはまっていると言っていただきました。

「季語が動くか?」句つくりの大事なポイントですね。

 

 日ごと伸ぶる藤の花芽の薄紫  佐保子

垣根をはうように成長する野田ふじを詠まれたそうです。

ご自分のお庭や生活圏に季節の花の成長を見られる暮らしはうらやましいです。句会では九尺藤、野田ふじ、山ふじの名前を教えていただきました。

 

 

寿々さんは抵抗の新聞人・桐生悠々夫人です。15歳で嫁ぎ(当時悠々29歳)3か月後に夫は最初の新聞社を退職金ももらわず退社します。その後も喧嘩や筆禍で3年と続かず新聞社を転々とし引越しに次ぐ引越しの人生。その間になんと六男五女を産み育てるという波乱の一生です。規格外の夫を支える気丈な面と、底なしの優しさと豪快さが同居する素晴らしい女性でした。金銭のやりくりには苦労したようで「おんなはヘソクリせなあかん!」と母に何度も忠告し、月末には「生活費は足りているか?」と毎回いくらか融通してくれたという話を聞きました。もう一度夢でも会いたいです。 郁子

 

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九尺藤うつつと異界劃かちをり  能登

2025年04月24日 | Weblog

昨日は雨も上がり藤の花も見頃となった中、半年ぶりに対面句会が行われました。10名の方が参加してくださりにぎやかに楽しい時を過ごすことが出来ました。10年以上前に安田屋さんで夜の句会が行われていた時にご参加くださった能登さんと久しぶりの再会。また容子さんのお母様も飛び入り参加。遅足さんの近影のお写真を佐保子さんがお持ちくださりお元気そうなお姿に大変嬉しく安堵しました。ご参加くださった皆様、コメントをくださった皆様ありがとうございました。

さて今回の兼題の藤。575の会では初めてのお題でした。今回も亜子さんが「季語が動かない」ということを教えてくださいました。

「藤の花」でなければ句が成立しない。つまり他の花を持って来ても詠めるのは「季語が動く」ということ。「季語が動かない」とはまさに藤の花でしか表せない俳句です。そんな俳句を作りたいと苦労されたそうです。

そんな中トップ賞になった能登さんの秀句。「九尺藤」はまさに季語が動きません。「劃かち」(わかち)という読みが難しかったですが、それが藤の花が密になっているのに合っているという声もありました。「劃かつ」は分けること。

 

能登さんは、去年、奈良の春日大社で九尺藤をご覧になったそうです。長くたなびく幕のような九尺藤。この世とあの世を分けるかような気がしたそうです。それを「うつつと異界」という言葉で表現され、どこかミステリアスでなんとも言えない幽玄の世界を詠まれました。亜子さんは藤のカーテンの向こうに亡きご主人がいるような気がしたとも。

竹葉さんは「去年見た春日部の牛島の藤は九尺藤と呼ばれ藤棚から花房がカーテンのように垂れ、外側は現世の明るさがあり、内側の藤棚の中は薄暗く、真ん中に曲がりくねった大きな幹があるまさしく異界の様相でした。その藤を詠んだかのように思いました。」とのコメントをくださいました。

郁子さんは、長い花穂がゆれる様子は、手招きしているようにも見えると。異界とうつつの不思議な世界観を感じたそうです。明日は同じくトップ賞になった郁子さんの句をご紹介する予定です。これまたスピリチュアルな世界が繰り広げられ一同驚愕でした。薫風に乗って甘い香りとともにどこか儚げな藤の花。不思議な世界を持っている藤の花。明日もご期待ください。麗子

 

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4月句会「藤」結果発表!

2025年04月23日 | Weblog

 

  1. 日ごと伸ぶる藤の花芽の薄紫 (佐保子)遅足
  2. 藤の花人前婚の保育士よ (千香子)佐保子 晴代
  3. クレヨンがまずえがきたる花はふじ (遅足)郁子 亜子
  4. 藤の花下校の列のジグザグと (晴代)容子 須美 泉
  5. 九尺藤うつつと異界劃かちをり (能登)竹葉 郁子 麗子 千香子 須美
  6. 語らいを傾聴するや藤の花 (麗子)容子 遅足 晴代 能登
  7. 山藤や仰ぎ足りずになほ仰ぐ  (亜子)竹葉 容子 麗子 佐保子 泉
  8. 脱サラし採る山藤の蜜の色 (容子)竹葉 亜子
  9. 山藤や故郷の今紫に (泉)郁子 千香子
  10. 藤棚の花房重し曲がる幹 (竹葉)佐保子 晴代 須美 能登
  11. 藤棚や一年生がひと休み (須美)泉
  12. 藤の花旅立つ祖母の白襦袢 (郁子)麗子 遅足 千香子 亜子 能登

 

 

自由題

  1. 大仏の瞼重たげ黄砂降り  (亜子)竹葉 麗子 千香子 晴代 泉
  2. つちふりて辛き新車の涙あと (能登)容子 郁子 須美
  3. 春帽子見事に並びパンダ撮る (容子)千香子 晴代 泉
  4. 藤棚や風通る道ありにけり (遅足)容子 麗子 亜子
  5. 春蘭や裏庭藪に二輪咲く (佐保子)遅足 千香子 能登
  6. 憂鬱と夕べにひそむ風信子 (晴代)竹葉 郁子
  7. とめどなく桜蘂降る散歩道 (麗子)郁子 佐保子 亜子
  8. 宴あり桜満開みな笑顔 (泉)
  9. 陽に雨に新緑の白消えゆかん (竹葉)容子 須美 能登
  10. 散り際の蕊に小さき実梅かな (千香子)遅足 晴代 亜子 泉 佐保子
  11. 一斉に騒ぐや千の風車 (郁子)竹葉 麗子 遅足 佐保子 須美 能登
  12. 春雷や冷気突風を伴って (須美)

 

トップ賞は

兼題 能登さん 亜子さん 郁子

自由題 郁子  でした

おめでとうございます

 

 

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藤句会の投句が揃いました。

2025年04月22日 | Weblog

藤があちこちで咲き始めました。句会でもいろんな藤が咲きそろいました。明日は半年ぶりの対面句会です。楽しみですね!

兼題「藤」

①      日ごと伸ぶる藤の花芽の薄紫 

②      藤の花人前婚の保育士よ 

③      クレヨンがまずえがきたる花はふじ 

④      藤の花下校の列のジグザグと 

⑤      九尺藤うつつと異界劃かちをり 

⑥      語らいを傾聴するや藤の花 

⑦      山藤や仰ぎ足りずになほ仰ぐ  

⑧      脱サラし採る山藤の蜜の色 

⑨      山藤や故郷の今紫に 

⑩      藤棚の花房重し曲がる幹 

⑪      藤棚や一年生がひと休み 

⑫      藤の花旅立つ祖母の白襦袢 

自由題

①      大仏の瞼重たげ黄砂降り  

②      つちふりて辛き新車の涙あと 

③      春帽子見事に並びパンダ撮る 

④      藤棚や風通る道ありにけり 

⑤      春蘭や裏庭藪に二輪咲く 

⑥      憂鬱と夕べにひそむ風信子 

⑦      とめどなく桜蘂降る散歩道 

⑧      宴あり桜満開みな笑顔 

⑨      陽に雨に新緑の白消えゆかん 

⑩      散り際の蕊に小さき実梅かな 

⑪      一斉に騒ぐや千の風車 

⑫      春雷や冷気突風を伴って 

 

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春嵐野間灯台をカモメ舞う  泉

2025年04月18日 | Weblog

春嵐 春疾風 春烈風

春の天気は、気圧の急激な変化でとんでもない荒天となったりもします。花の時期のみぞれや雹にも驚かされます

千香子さん: 強風の中がんばっているカモメの様子が浮かんできました。

郁子:強い風にあおられて、飛んでいるのか半分吹き飛ばされているのかというカモメが灯台と一緒に見えるようです。

 野間灯台は大正10年設置の愛知県最古の灯台です。白い波頭の荒れた海、春まだ浅い海の厳しさの中で飛び交うかもめの逞しさを思いました。

 

 貝殻をそっと握りし春の海  麗子

こちらは、波の音が子守歌のように聞こえそうな穏やかな春の海でしょうか

千香子さん:「そっと」の中にいろいろな思いが出ているように思いました。

竹葉さん:若き日に半田の浜で桜貝を探してた事を思い出し胸がキュンとなりました。

泉さん: 春の海で貝殻を拾っている情景が浮かぶ。

「神奈川県真鶴町に、世界の貝殻が見られる町立の貝類博物館というところがあるんです!今度行きます!」 目をきらきらさせて話してくれた麗子さんから、真っ白で細長い巻貝のおみやげをいただきました。海のタイムカプセルのような懐かしさを感じました。

 

 新わかめ鮮やか緑何処より  須美

泉さん: 春はワカメがおいしい、お湯に入れるだけで鮮やかな色になる

能登さん:湯に入れた途端の鮮やかな緑、ほんとにあの緑何処から?ですね。

 毎日のお味噌汁なら乾燥わかめで十分ですが、この時期押さえておきたい春の味覚です。

 

 

磯の香りがしてきそうな海の三句でした。

焼けつくような砂浜となるまえに、海に行ってみたくなりました。  郁子

 

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歳とらぬドールの眼春かなし  亜子

2025年04月17日 | Weblog

作者の亜子さんのお宅のリビングには、黒いドレスのお目々ぱっちりのビスクドールの写真の額が架けられているそうです。43年前に日動画廊で行われた「パリの人形写真展」で求められたそうです。人形の作者はステネール。古いビスクドールに見せられたカメラマンの後藤敬一郎さんがフランスに滞在して撮影された写真だそうです。その写真のお人形の眼は、いつも亜子さんを見つめておられるようです。悲しい時も楽しい時も一緒に時を過ごしているのですね。

人形は歳をとりません。黒い眼の色もはっきりと力強いことでしょう。亜子さんはその人形を見てうらやましいような気持ちでしょうか?「春かなし」がなんともいえない春愁を感じさせてくれますが、ぴったりと収まりのいい句だと思いました。

 

容子さん:フランス人形でしょうか。捨てるに捨てられずどこか寂しげです。

郁子さん:春はなんだかかなしい。景色が明るくきらきら輝きだすその変化についてゆけないからでしょうか。ドールというのはアンティークの年代物か。取り残された感がとても出ている。

 

             ★★★

春は明るい季節である一方、別れや憂いが顔をのぞかせる頃でもあります。春のエネルギーについて行けないからでしょうか?でも別れがあれば出会いもあります。続いては能登さんの句。

       別れあり春風吹いて出合いあり 

そうです。また新しい物、事、人との出合いの季節の到来ですね。晴代さんからもリズムがよいとのコメントがありました。

こちらは佐保子さんの句です。

      この桜あねいもうともはや見ず  佐保子

 

桜は不思議な花で、だれと見たかという思い出も運んでくれます。毎年、三姉妹で見た桜。いつしかもうお二人はいなくなってしまったのでしょう。喪失感を埋める桜かも知れません。

能登さん:お二人への深い哀悼の気持ちが伝わります。良い句ですね。

千香子さん:いつか、別れは来るとわかっていてもつらいものです。

亜子さん:「あねいもうと」とあるので作者は三姉妹の真ん中でしょうか?一緒にお花見をしていた姉妹はもうこの世にはいない。切ないが桜をこんな風にも詠めるのですね。

          ★★★

人生に別れはつきものですが、なんとか春風に乗って軽やかにうまくやり過ごしていきたいです。亡き人も天国からきっと桜を見ていたはずです。麗子

 

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茎立や日がな失せもの探しおり  郁子

2025年04月11日 | Weblog

このようなぼやきの句にたくさんの票を入れていただき恐縮している私の拙句です。葉ボタンの中央がぽよよんと伸びて、間延びした雰囲気が自分と重なりました。でもささやかに可愛い花が咲きますね。

竹葉さん:「茎立」が老いた人を表してぴったりですね。言葉の勉強になりました。

晴代さん:同じことをしています。

容子さん:茎立と失せもの探しの対比がよいです。

須美さん:,茎立を初めて知りました。まさに私です。

亜子さん:「茎立」という季語との取り合わせがよく面白い句。私もいつも物を探しているので共感しました。

 

ありがとうございます。

私が毎日のように探しているのは、スマホと鍵です。

スマホは家の電話で呼び出せば見つかりますが、消音にしていたりすると微かな振動たよりにうろうろと・・・着信履歴に「我が家」が並んでいます。

鍵は車のキーと一緒で、急いで出掛けたいのに見つからないと真っ青になります。見つかったと思ったらまた新たな探し物が出て延々とうろうろ。

そのうちに何を探していたか忘れることも・・あるのかなあ。  郁子

 

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木々芽吹く図書館までを六千歩  千香子

2025年04月10日 | Weblog

自由題で見事トップ賞になった千香子さんの秀句。なんと言っても六千歩という具体的な数字が効いています。歩くと結構ありますが、木々の芽吹きに足取りは軽くなりそうです。

皆さんの絶賛のコメントからご紹介します。

竹葉さん:遠くの図書館まで自然の変化を見ながら楽しんで行く様がよくわかります。

能登さん:「図書館までを」、の「を」が少し気になりましたが、頑張って歩く気持ちにエールを送ります。

容子さん:身の丈に合った日々の暮らしに憧れます。6000歩というのがリアル。

郁子さん:六千歩という数字が具体的で、またちょうどいい運動になる歩数です。ようやく春めいて少し歩いてみようという気持ちが芽吹きにあいます。

須美さん:木々が芽吹き気持ち良い図書館までの散歩。6000歩も効いている。

 

           ★★★

六千歩の先に図書館がある。そこまで歩こうという体力気力の充実した句だと思いました。

能登さんの言われるとおり「図書館までの」にしてもよかったかも知れません。

私の住む市では、スマホのアプリで歩数を集計しちょうど六千歩で10ポイントもらえます。年度末に1000ポイントたまると1000円の地域振興券がもらえるという企画で去年から私も参加しています。夕方まだ6000歩に達していないとちょっと歩きに行こうかと出かけています。にんじんがぶら下がっていないと歩けないのが悲しい性です(笑)

これからいい季節。今日もこれから歩きに行こうと思っています。  麗子

 

 

 

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「だるまさんがころんだ」野原春の色  千香子

2025年04月04日 | Weblog

ナズナ・ハコベ・オオイヌノフグリ・タンポポ・・

野原に春の色が増えています。広い野原は子どもたちの格好の遊び場でしたが、だんだん減って残念です。「だるまさんがころんだ」や「缶蹴り」などは広い野原でこそ似合う遊びかもしれません。

能登さん:しあわせな子供時代を思い出し、ほっこりします。

須美さん:子供の頃が蘇る楽しい句

亜子さん:幼い子が春先の野原を嬉しくなって走り始めた感じ。実景を想像しました。その幼子が転んだ様子を「だるまさんがころんだ」というフレーズを持って来たのもひねりが効いていると思いました。

他にも「はないちもんめ」「とうりゃんせ」など、場所と人数さえ集まれば身ひとつでできる懐かしい遊びを思い出しました。

 

   春の色双子の靴は色違い  麗子  

 

この句も可愛らしい一句です。

須美さん:ちょうどお隣に住む双子ちゃんのランドセルは同じ色かな?色違いかな?と考えていました。双子の靴の色に注目して面白い。

私も面白いところに着目したといただきました。

なんでもお揃い・・かと思えばそこは色だけ違う。小さな幼児の靴がクローズアップされて、躍動感ある春にふさわしい一句と思いました。

双子ちゃんも、ちょうど歩き出す頃には主張が始まりそう。何もかも一緒はNG!のイヤイヤ期も来るのかな・・

 

この春、うちの町内にも双子ちゃんが引っ越してきました。よちよち歩きです。成長が楽しみ。  郁子

 

 

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ふり向きしポニーテールの春の色  能登

2025年04月03日 | Weblog

暖かくなって髪もアップに。ポニーテールはあこがれの髪型です。若いエネルギーにあふれる句。ふり向いた時にくるんと曲がるポニーテール。キューティクルいっぱい、つやつやの髪の毛がまさに春色ですね。「ふり向きし」が効いていると思いました。

郁子さん:ふりむきざまの髪の動き、やさしい春の風を感じます。

泉さん:若い人はポニーテールが似合う。若さと春を感じる。

 続いての春色は、ご夫婦でお誕生日をお祝いしたおめでたい句です。

   誕生日歌をうたって春の色 遅足

   春光やハッピーバースデイ夫うたう  佐保子

いくつになってもお互いの誕生日を歌をうたってお祝いするのは本当に素敵です。

佐保子さんの句に、郁子さんは「家族の誕生日に歌を歌ってローソクを吹き消すお決まりのが好きだった父を思い出しました。幸せの歌です。」とのコメント。

後日、結果をお送りして作者がわかってから、亜子さんから遅足さんの誕生日をお祝いして挨拶句が二句が届きました。

        春色や歌う高齢誕生日

        春色や歌う遅足の誕生日

「遅足さんが83歳のお誕生日をお迎えになったのかしら?ご夫婦でハッピバースデーの句を詠んでいらっしゃるのなんていいですね。」とお手紙にありました。

俳句の挨拶句ってすばらしいですね。佐保子さんもお名前から、3月がお誕生だったかも知れません。お二人でいつまでも仲良くハッピーバースデイの歌を歌ってお祝いなさってくださいね。                       麗子

 

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露座佛の胸のふくらみ春の色  亜子

2025年03月28日 | Weblog

露座とは屋根のないところに座ること。露座の大仏といえば有名な鎌倉の大仏さま。他にも様々なお寺に露仏を見ることができますが、雨風に打たれ、炎天にさらされ、凍てつく冬に耐え・・まるで修行をされているようです。その仏さまが春になると柔らかくふくらみを感じるという作者ならでは感性の光る一句ではないでしょうか。さらりと羽織った衣のひだにも春の光が集っているようです。

晴代さん:春を迎える喜びが胸のふくらみによくでています。

容子さん:仏像の胸の張りを見るとなぜか落ち着きます。春らしいですね。

千香子さん:確かに胸が膨らんでいると鎌倉の大仏を思い出していました。

 

兼題「春色」様々なものに春を見出した句が集まりました。音の感じも違ってきたようだというこの句

  きらきらと瀬音の調べ春の色  泉

 

麗子さん:せせらぎの音とキラキラ光る水面。目にも音にも春の訪れを感じられる一句でした。

千香子さん:調べがきらきらとはうまい表現だと思いました。音と光が同時に表されているようです。

 川の流れる音を聞いているとこころ穏やかになります。雪解け水のせせらぎは、わだかまりを流す再生の音ですね。

 

3月に異例の30度という最高気温を記録しました。暖かくなると一気にという感じですね。

もう少し、ゆっくりこのうららかな季節を味わいたいものです。  郁子

 

 

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猫の往く春色の横断歩道  郁子

2025年03月27日 | Weblog

「春色」句会いかがでしたか?投句締め切り前は、まだまだ寒い日もありましたが、皆さん、目に、耳に、春色を感じた瞬間を切り取ってくださいました。そんな中、見事トップ賞は郁子さんのこの句です。

猫好きの郁子さん、「困った時の猫頼み」なんて謙遜されていましたが、猫が横断団歩道を渡るというのは、まさに実景だったそうです。尻尾をぴんとたてて、人間と一緒に横断歩道を渡っていたそうです。とても人間臭い猫だったと言っておられました。

それにしても「春色の横断歩道」ってなんて詩的な表現でしょう。破調が春らしい躍動感にもあふれています。

では皆さんの絶賛のコメントです。

能登さん:猫と横断歩道と春色、意外な取り合わせ。定型から外れた字数も意外。ひとつ捻った佳句。

容子さん:字余りがよいです。

須美さん:猫がピンと尻尾を立てて横断歩道を往く姿が浮かぶ。春らしくのどかな風景。

泉さん:日だまりを感じる。

亜子さん:情景が目に浮かびます。実際に猫が横断歩道を横切るのは見たことはないが、春めいて来た街の様子を猫で表現された。557と破調だが、あえてそうしたのでしょう。

     ★★★

暖かくなって猫の姿をよく見るようになりました。先日も郁子さんにメールを書いていたら我が家の庭に鈴をつけた猫がやって来ました。猫にも人間にも嬉しい春爛漫の季節到来ですね。      麗子

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3月句会「春色」結果発表!

2025年03月26日 | Weblog

2025年3月兼題「春色」

  1. 猫の往く春色の横断歩道 (郁子) 遅足 能登 容子 童子 須美 亜子 泉
  2. 「だるまさんがころんだ」野原春の色 (千香子) 遅足 佐保子 能登 須美 亜子
  3. きらきらと瀬音の調べ春の色 (泉) 麗子 千香子
  4. 露座佛の胸のふくらみ春の色  (亜子) 遅足 佐保子 晴代 容子 千香子 童子
  5. 誕生日歌をうたって春のいろ (遅足)
  6. 春光やハッピバースデイ夫うたふ (佐保子) 竹葉 郁子
  7. 演歌好き夫の春色金盞花 (竹葉)
  8. ふり向きしポニーテールの春の色 (能登) 竹葉 晴代 麗子 郁子 泉
  9. 春の色双子の靴は色違い (麗子) 竹葉 佐保子 郁子 童子 須美
  10. 階ごとの春色溢る百貨店 (須美) 晴代 能登
  11. 春色の空へ萼(うてな)の今ひらく (晴代) 麗子 千香子 亜子 泉
  12. 年中の卵かけご飯も春の色 (童子) 容子

 

 

自由題

  1. 呼びおこすピアニッシモの春の雨 (晴代) 亜子
  2. ハイネックチョイスする朝冴え返る (童子) 須美 泉
  3. この桜あねいもうとのもはや見ず  (佐保子) 遅足 能登 麗子 千香子 亜子
  4. 木々芽吹く図書館までを六千歩 (千香子) 竹葉 遅足 佐保子 能登 容子 麗子 郁子 須美
  5. ミラー越し病む娘(こ)の顔や春霞 (竹葉) 佐保子
  6. 茎立や日がな失せもの探しおり (郁子) 竹葉 遅足 晴代 容子 童子 須美 亜子 
  7. 別れあり春風吹いて出合いあり (能登) 晴代
  8. 春嵐野間灯台をカモメ舞う (泉) 千香子 郁子 童子
  9. 貝殻をそっと握りし春の海 (麗子) 竹葉 千香子 泉
  10. 新わかめ鮮やか緑何処より (須美) 晴代 能登 泉
  11. 歳とらぬドールの眼春かなし(亜子) 佐保子 容子 麗子 郁子 童子 

 

トップ賞は 兼題 郁子  自由題 千香子さん

   おめでとうございます 

 

 

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投句が揃いました。

2025年03月25日 | Weblog

ソメイヨシノの開花が聞かれるようになって来ました。今日は夏日かも?春が一気にやって来ました。いろんな春色が揃いました。どの春色に光が差すでしょうか?明日の結果をお楽しみに!

2025年3月兼題「春色」

①      猫の往く春色の横断歩道 

②      「だるまさんがころんだ」野原春の色 

③      きらきらと瀬音の調べ春の色 

④      露座佛の胸のふくらみ春の色  

⑤      誕生日歌をうたって春のいろ 

⑥      春光やハッピバースデイ夫うたふ 

⑦      演歌好き夫の春色金盞花 

⑧      ふり向きしポニーテールの春の色 

⑨      春の色双子の靴は色違い 

⑩      階ごとの春色溢る百貨店 

⑪      春色の空へ萼(うてな)の今ひらく 

⑫      年中の卵かけご飯も春の色 

         

 自由題

①      呼びおこすピアニッシモの春の雨 

②      ハイネックチョイスする朝冴え返る 

③      この桜あねいもうとのもはや見ず  

④      木々芽吹く図書館までを六千歩 

⑤      ミラー越し病む娘(こ)の顔や春霞 

⑥      茎立や日がな失せもの探しおり 

⑦      別れあり春風吹いて出合いあり 

⑧      春嵐野間灯台をカモメ舞う 

⑨      貝殻をそっと握りし春の海 

⑩      新わかめ鮮やか緑何処より 

⑪      歳とらぬドールの眼春かなし 

         

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おさな子の指さす魔法春ひらく  郁子

2025年03月21日 | Weblog

何かのきっかけで春が始まるとしたら・・?そんな想像からできた句です。

麗子さん:メルヘンの世界。幼子の小さな指には確かに目にはみえない魔法が宿っているようです。「春ひらく」がすべての物を溶かし、明るい春に一変させる感じがしました。

能登さん:おさな子のぷっくり指も魔法を起こしますね。

 素敵なコメントありがとうございます。

私たち大人は、季節ごとの体感や四季折々の花鳥風月をなぞるように一年を繰り返しているかもしれませんが、生まれて間もない幼子にとっては自然界の何もかもが新鮮な驚きだと思います。

抱っこされてまだ言葉がおぼつかない子は、目に映るいろんなものを指さして大人に伝えてくれます。花であったり、きらきら光る水であったり、こちらが気づかないものまで見えているようです。小さな指さしが、春の妖精を目覚めさせて季節が動くとしたら、子どもは可愛い魔法使いですね。

 

 菜の花や待ってましたとほろ苦く  須美

泉さん:菜の花を見ると春という感じがする。そして咲いていない茎や蕾を食べるとほろ苦いが春を感じる。

 

苦味は、本来、毒のあるものを示す味として認識されるため、甘味や塩味と比べ感じやすく、特に子どもは敏感で口にいれたとたんに吐き出すようになっているとか。その苦味を「待ってました」という大人(笑)

ただ、このほろ苦さは、冬から春の体にするためには必要で細胞を活性化する効果があるのだそうですね。ストレス解消にも役立ちます。

「春の皿には苦味を盛れ」 いよいよ春本番の気配です。 郁子

 

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