575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

ヒガンバナ終る    鳥野

2014-09-30 06:46:08 | Weblog

さながら正確なカレンダーを持っているかのよう。
ヒガンバナは、毎年秋の彼岸の入りに咲き始めて、
秋分の日が花の盛り。彼岸の果てる日に大方は色
あせて花の終わりです。

その律儀な花も、このところの不安定な気象には
お手上げ。
名所として知られる半田市の矢勝川一帯も、海津
市の津屋川堤防も、早々と見頃を終えてしまった
そうです。

ヒガンバナはまたの名が曼珠沙華。梵語では真紅
の花という意味とか。雄蕊、雌蕊を長く伸ばして
風に揺れる様子は妖艶。
ふと、スタンダールの小説「赤と黒」の主人公、
ジュリアン・ソレルを連想しました。野心に充ち
満ちた美青年と、燃えるような赤。まさぐる指に
掴んだものは、何だったのか。

 ・ 曼珠沙華お指反らせる手にも似てジュリア
   ン・ソレルの赤夕光を浴ぶ
                  鳥野
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わた抜かれ切られて秋刀魚売られをり    静荷                    

2014-09-29 10:07:58 | Weblog
秋刀魚の美味しさを追求するなら、生きがよく、そのままがいい。
切ったところから酸化、鮮度が落ちやすい。

子供の頃は、夕食の主菜は魚が定番。牛肉などは、特別の日だけ。
そんな魚大国だった日本もいつの間にか肉中心の食卓に。
魚離れは深刻のようです。

お店では魚離れを少しでも減らそうと工夫。
わたは抜かれ、さらに半分に切られて・・・
便利にはなりました。

そういえば魚を焼く煙も嫌われる一因です。

  換気扇秋刀魚焼く煙早く吸へ   品川鈴子

写真は水面に浮いた蛾です。
きれいな金色でしたが、写真では色があせてみえます。
                          遅足


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御嶽山の噴火     遅足

2014-09-28 09:57:16 | Weblog
岐阜県美術館に「熊谷守一・展」を見に出掛けました。
400点もの展示に目も足も疲れて昼食へ。
食べ終わって出ようといたら、なんと結宇さんとばったり。
帰宅して御嶽山の噴火のニュースに接してビックり。

山歩きが心地よいシーズン。御岳山に多くの方が登っていました。
突然の噴火。亡くなった方や行方不明の方も。けが人も多数。

御嶽には、何回も登ろうと思いました。念叶ったのは、随分、昔。
濁河温泉に泊まって頂上を目指しました。奥さんと犬のクックが一緒。
クックは最初は元気でしたが、空気が薄くなるとダウン。
奥さんが一番元気でした。
山頂でお弁当、昨日と同じ良い天気でした。
あの頂上で噴火に出合ったら、生きた心地はしないでしょうね。

御嶽山は時々、噴火。
また長野県南部地震では多数の犠牲者。地形も変わってしまいました。
自然の恐さを改めて感じさせられました。

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凍りたる秋刀魚のなみだ指に解く   遅足

2014-09-27 08:53:04 | Weblog
秋刀魚のなみだが好き。泣きそうにない魚だから、と童子さん。
サンマの目にも涙、と麗子さん。
氷たっぷりの輸送、名残りの凍てを解く時の旅情、と鳥野さん。
冷凍の秋刀魚ですから、厳密にいえば無季の句となります。

朝のドラマ「花子とアン」も今日で終わり。
「曲がり角の先には一番良いものが待っている」というメッセージ。
安倍さんは日本をどこへ引っ張っていこうとしているのか?
曲がらない方が良さそうですが、曲がらない道はない、とか。

写真は大学構内で見つけました。
アンの忘れ物でしょうか。


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母の背や七輪あおぐ秋刀魚の香    立雄

2014-09-26 10:39:37 | Weblog
秋刀魚と言えば、七輪で焼く母の背を思い出す作者。
なつかしい風景です。
何時頃からか、そんな姿は見られなくなりましたが。

  七輪も遠くなりけり秋刀魚焼く   松本泰志

七輪はなくなったと思っていました。
ネットなどでちゃんと売っているんですね。
キャンプなどのレジャー用に。
また災害時の煮炊き用に。
アフリカの難民キャンプでも、七輪をつくっているとも。
我が家も一つ用意しておいたほうが良いかな?

七輪には三大産地があって(産地というほどでもないかも)
その一つが愛知県の三河地方だそうです。
                     遅足

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口の先黄色い秋刀魚新鮮よ    佐保子

2014-09-25 09:43:25 | Weblog
美味しい秋刀魚の見分け方。
ポイントは、太っていて、口の先が黄色いもの。
生きている時は、口の先は黄色。
死ぬと黄色が抜けていく。
口先の黄色が残っているほど、新鮮、とのこと。

先日、お店で買った秋刀魚。口先が黄色でした。
たしかに冷凍のものとは違って美味しかったです。
冷凍ものを食べることが多い我が家。
旬の秋刀魚の味を忘れかけていたようです。

  赤札に秋刀魚の口の尖りけり   堀之内和子

                   (遅足)
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秋刀魚焼く匂ひや路地を曲がるとき   亜子

2014-09-24 09:42:02 | Weblog
団地生活を思いだしての一句と、作者。
新婚生活を始めた団地の近くには下町がありました。
夕方、路地を曲がると風にのって秋刀魚の匂いが・・・

  秋刀魚焼く家を過ぎ先の家も焼く  直治

気兼ねすることもなく秋刀魚を焼くことが出来た時代。
夕日が綺麗でした。

  秋刀魚焼く隣に気兼ね立話  清水柳水

秋刀魚の煙に気兼ねする世の中。
向こう三軒両隣という言葉も死語になっていますね。

写真は池の面です。
                   (遅足)        

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火の色を映して   鳥野

2014-09-23 14:27:20 | Weblog

「真夏日とはこれで、お別れでしょう」お天気
キャスターがそんな予報を伝えた日、「縄文の
ビーナス」に会いに出かけました。
縄文の人の心意気を見るような、赤い土器の色、
大胆な造形は灼熱の夏にこそ、相応しいものと
思われました。

長野県茅野市の「尖石縄文考古館」にその国宝
は、惜し気もなく公開されています。
高さ30センチ足らず、重さは2キロ弱。
あどけない表情、ちんまりと抓んだような胸、
堂々と張り出した腹部、ふくよかな下半身。総
身に妊娠の喜びが充ち満ちています。
この土偶が、5千年もの間、八ヶ岳山麓の土に
埋もれていたとは。

発掘調査は昭和5年開始。住居址や土器、土偶
などの出土も多く、一帯は特別史跡に指定され
ています。
 
 ・ 孕むとう恩寵総身に充ち満ちて縄文の
   ビーナス永久に安らぐ
               鳥野

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秋刀魚焼くひねもす事もなく暮らし   晴代

2014-09-22 09:06:40 | Weblog
人生を振り返る年齢に達した方の句ですね。
晩年の父は、「平凡が良い」と言っていました。
苦労の多い前半生だったようです。
波乱万丈の半生を送った人ほど、こうした感慨を。

波瀾万丈の人生だったのよ(笑)、と作者も。

  しみじみと秋刀魚は無事の味すなり   水野吐紫

生あれば漣の立つ日々。でも、日々好日です。(遅足)



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火の中の青美しき秋刀魚かな   能登

2014-09-21 09:27:14 | Weblog
残酷美、グリルで料理していては味合えない瞬間、と鳥野さん。

秋刀魚に火が回ると、自らの油で燃え上がる。
青さの残るほんのわずかな瞬間の美です。
俳句には形容詞を使わないほうが、という考えもあります。
この句は、火の赤と肌の青の対比の美を詠んでいます。
形容詞も、ちゃんと機能していると思いました。

美を花に喩えたこんな句も。

 火を花と火を滴りと秋刀魚焼く 上田五千石

                   (遅足)



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