575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

ハクチョウ北へ   鳥野

2015-03-31 06:51:46 | Weblog
コォーコォーと甲高い声で啼きながら、Ⅴ字型の
隊列を組んで、遠ざかるハクチョウの群れ。北帰
行です。
ここから始まる4000キロ、2週間の長旅。
安曇野の人たちは、空を見上げ、「またおいで」
「待っているからね」と見送ります。
まだ残雪の中。それでも、春の足音は確かです。

取水ダムによって、犀川がせき止められた人造
湖に、コハクチョウの一家5羽がやってきたの 
は、昭和59年のこと。その後年々仲間が増え
て、今では「犀川白鳥湖」として有名。観察に、
撮影にと大賑わいです。
地元では、「アルプス白鳥の会」を結成。自然
環境の保全に懸命です。

ハクチョウばかりでなく、ここに集まる野鳥は
約90種。運よく係の人に行き会えば、観察小
屋で、貴重なお話を伺うことができましょう。

繁殖地のシベリアへ渡る北帰行も、そろそろ終
わりの時を迎えます。

 ・ 湖の青ひきずってトリ北へ  鳥野
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ブランコをこぐスカートをふくらませ   晴代

2015-03-30 09:13:56 | Weblog
ブランコに乗る子の様子を、一番素直に写生しています、と等さん。

子供の頃、友達と並んでブランコに。
ギャザースカートが風にふくらみました。
その風を詠みたかった句です、と作者。
女性としての官能の芽生えも感じられました。
これは賛否が分かれましたが・・・

  ぶらんこを揺すりなりたいもの色々   寺井谷子

            

応答の一日一句

  髪を切る妻の手軽ろし春日和    隆

  抽斗に耳掻きさがし春日和     亜子

春の雨が去って晴天。名古屋は桜が満開へ。お花見日和です。

                   遅足

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ぶらんこの鉄の鎖を離すまい   麗子

2015-03-29 12:36:53 | Weblog
頼り甲斐、抜群。思いも命も預けて安心、と鳥野さん。

ブランコの句で鉄の鎖を詠んだものは見たことがありません。
子供の頃のはじめてのブランコ体験でしょうか?
この鉄の鎖という言葉から、どうも違うような気もします。
ブランコに揺れている肉体の不安感が隠れているような・・
大げさにいうと人間存在のはかなさとでも言ったらよいでしょうか。

  ふらここや朝の光を載せて揺れ   片山由美子

                   

応答の一日一句

  春立ちぬ地下鉄女性運転士    孝

  地下鉄に春呼ぶ女運転士     亜子

地下鉄の女性専用車両が出来て何年でしょうか?
満員列車で男性は手のアリバイをつくるにはどうしたら良いのでしょう?

                     遅足





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はじめてのぶらんこ固く真一文字   智恵

2015-03-28 09:25:00 | Weblog
初めてぶらんこに乗った子の、必死の思いが感じられます、と等さん。

何事も初めての時は緊張します。
子供の頃は初めてという体験が待っていました。
そんな初体験を見事にとらえて詠んだ句です。
男の子でしょうか?女の子でしょうか?
男の子のほうが緊張の度合いが高いような気がします。

ドキドキを幾つもしてきたはずですが、見事に忘れていますね。
青春のようなトキメキもなくなって・・・

           

応答の一日一句

  花粉禍に顔顰(しか)めつつ三月尽   孝

  窓みがく夫の鼻歌弥生尽        亜子

花粉予想もピークは過ぎたようです。私は花粉は大丈夫です。
しかし何故かくしゃみが止まらないことがよくあります。

                     遅足



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ふらここやうしろにちちとははのくに   遅足

2015-03-27 09:44:58 | Weblog
ひらがなばかりの表記が面白い。
後ろで見守っている父母の温かさを感じさせます。
どこか懐かしい昭和を感じます、との声。

世界は前と後ろ、上と下から成り立っています。
重力と目が頭の前にあることからの必然。
前後は未来と過去。上下は天と地下の明暗を。

ブランコを漕ぐ時、前は安心ですが、
後ろへ行く時はどこか不安な感じがします。
子供の頃は後ろには父か母といった頼りになる人がいました。
大人になった今は・・・

  母なき子ブランコ漕げば風が押す  柴田奈美

           

応答の一日一句

  石垣に雪崩れる桜ためらわず    孝

  枝伸ばし花は水恋ふ城の濠     亜子

名古屋も今日の温かさで桜は一気に開花。日曜日はお花見です。
しかし天気予報は雨。花に雨といった風情になりそうです。

                      遅足

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球春来る    麗

2015-03-26 12:29:21 | Weblog
「春はセンバツから」と思ったら、思わぬ寒の戻りでしたね。でもようやく寒さも峠を越えたようです。

今年のセンバツは開会式にも注目。場内の司会の女子高校生は二人とも見事に大役をこなし、極めつけは福井の敦賀気比の篠原主将の短歌を交えた気持ちのいい選手宣誓。

   グランドにチームメートの笑顔あり 夢を追いかけ命輝く

「生まれ育ったふるさとで、移り住んだところで、それぞれの思いを抱きながら見て下さっている全国の皆さんに生きていることを実感してもらえるよう、この甲子園で自分らしくプレーすることを誓います。」

と、がなることなく普通の口調で宣誓する姿に思わず涙してしまいました。

昨日は創立137年、正岡子規の母校でもある松山東高校の初勝利。学校名の出てこない伝統を感じさせる校歌でした。試合前に松山の友人にメールしたら、「みんな甲子園に行って町はひっそりしてる」とのことでした。

見事な初勝利。子規先輩もあの世から喜んでいることでしょう。
明日からはプロ野球も開幕。いよいよ春来るですね。

       温泉地心ひとつに初勝利   麗
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ふらこことふ見ずに久しくなりにけり   静荷

2015-03-25 09:12:15 | Weblog
そういえば公園のブランコも見なくなりましたね。

  社宅消ゆ公園も消ゆブランコも  佐保子

これも同じ趣旨の句です。
実は、同じ公園のブランコを見て詠まれたものです。

社宅、公園、ブランコは、一時代の象徴でした。
バブル崩壊後、あちこちの社宅が消えていきました。
ご近所で最後まで残っていたのが電力会社の社宅です。
さすがの電力会社も、フクシマの事故以来、経営が悪化。
社宅と公園を手放しました。

更地になった土地には立入り禁止の立札。
近くの子供や大学生がブランコで遊ぶ姿も消えてしまいました。

           

応答の一日一句

   春の夜や会議長々続きをり    孝

   春の夜集会室の利子談義     亜子

4月から町内会の副会長。春の夜の集会室が待っています。
                    
                     (遅足)

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知恵の文殊さま  鳥野

2015-03-24 07:26:03 | Weblog
いつのまにやら、馴染みの宿もでき、交通の便もよくて、
鹿教湯温泉には、誘われてよく出かけます。
この珍しい名前の由来は文字通り、鹿の教え。
猟師に撃たれて、深手を負ったはずの鹿が翌朝には元気
に湯浴びをしていました。
こうして、温泉は発見されたのです。
これこそ、文殊菩薩の手引きと、村人は、内村川を挟んだ
高台に、立派なお堂を建てました。
そのお堂は今も守り伝えられて、鹿教湯温泉のシンボル、
と崇められています。

文殊菩薩は人に知れた知恵者。苦難に喘ぐ人々に救いの
道を指し示して来られました。

今こそ、原発問題の解決にお知恵をお貸しください。
東日本の震災後の苦難はまだまだ山積みです。

 ・ 春寒し文殊の知恵を奥羽にも  鳥野

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ひたぶるに漕ぐふらここの片想ひ   亜子

2015-03-23 09:06:41 | Weblog
少女は、少し涙ぐんでいるような、一途な想いで、漕いでいるのでしょう、と智恵さん。
的確な読みですね。

私は、この句から三橋鷹女の句を思いだしました。

 鞦韆は漕ぐべし愛は奪うべし

こちらは大人になった女性の句です。
愛はうばうべし、と心は決まっています。

片想いの句は少女だった頃の作者の想いだそうです。
きっと初恋だっだのでしょうね。恋に恋する初恋。
初めて味わう不可思議な気持ち.
どう折り合いをつけたら良いのか?
心の揺れはぶらんこそのものです。

初恋の味はカルピスというキャッチフレーズがありました。
これは大人が思い返して、感じたものではないでしょうか。
私には少し苦いものが混じっていた記憶が・・・

           

応答の一日一句

   春昼や渋茶一服紅外郎    孝

   春昼や厨の隅の盗み酒    亜子

昨日、散歩していたらチラッと桜の花が。
せっかく開花したのに、これから寒波が来るそうです。 
                     
                 遅足
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スマホ手にふらここ揺する少女かな  立雄

2015-03-22 08:47:47 | Weblog
スマホと少女の句はかなり詠まれているようです。
さらに発見が欲しいという声も。

公園の一角にぽつんと置かれたぶらんこ。
スマホに夢中な少女は身体を揺らしています。
ブランコは前後に揺れますが、前には進みません。
その揺れが少女のこころを表しているようです。

名古屋は昨日、桜が開花しました。
散歩していたら一輪の桜の花を発見。
開花したばかりの桜の下でスマホする少女。

春愁なのか?春の小さな喜びなのか?
それは読み手に委ねられています。

          

応答の一日一句

   のどかさや用なき振りの飛行船   孝

   長閑さやねんごろに道教へらる   亜子



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