575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

何処にも綱引きの声夏至近し 立雄

2012年06月30日 | Weblog
何時の頃からでしょう?
初夏のころに運動会をする小学校が増えてきました。
この句、運動会と読んだ人が多かったようです。
作者の意図は、政局など人の世の綱引。
いまなら、野田さんと小澤さんの綱引き。
さらに原発を挟んで、反原発のお母さんたちと原発ムラ。

人間世界の綱引きというほかに、昼間と夜の綱引き。
夏至を境にまた、夜が力を増していくとも読めます。

   天に地に綱引きの声夏至近し

                   遅足

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首相官邸前に大きな「音」       遅足

2012年06月30日 | Weblog
昨日、関西電力大飯原発の再稼動に反対する人たちが首相官邸前で集会。
沢山の人たちがあつまったと中日新聞の報道。
わが愛聴するNHKのニュースは、報道したのでしょうか?

子供から「なぜ私たちの未来を守ってくれなかったの?」
と、言われないように、と母さん。

これに対して野田さんは、SPに「大きな音だね」と言ったとか。

あの60年安保の時、自民党の岸首相はデモの囲まれ、
「声なき声」の支持がある、と言ったそうです。

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多米に住み33年経った夏   朱露

2012年06月30日 | Weblog
    1979(昭54)年8月多米へ。
    その前は何処に居たのか、忘れた。
    まさか橋の下に居たとは思えない。
    この句で泣くのは女房と私だけだ。

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ひたひたと猫ついてくる夏至夜風    亜子

2012年06月29日 | Weblog
「ひたひた」がどちらに掛かるのか、面白そうで、と結宇さん。

猫がひたひたとついてくる・・・
猫のイメージは必ずしも可愛いというばかりではありません。
ちょっと怖い感じもします。
一年で一番短い夏至の夜。夜の闇もそんなに深くはない。
その夜の風。夜風は、どんな風に感じられたのでしょうか?

ある夜、コンビニへ。ふと見ると猫がついてくる。買い物をすませて外へ。
待っていたように鳴く。もともと猫はあまり好きではないが・・・
見ているとお腹をみせて甘えている。涙が零れそうになって・・・
でも、心を鬼にして家路に、と作者。
猫と一緒についてきたのは、ちょっと切ない夜風だったようです。

この猫、根っからの野良猫ではなさそうですね。可愛そう。

                        遅足
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梅雨深し増税法案濡れもせず   遅足

2012年06月28日 | Weblog
民主・自民・公明の3党が消費税増税に一致団結。
民主党は分裂状態・・・
今後のあらまほしき政治は3党一致内閣という声も。

6月は政治的な転換期か?あの安保の時を思い出して
ああ、昭和は遠くなりにけり、と思う。
梅雨前線はだんだん北上、いよいよ列島は梅雨本番へ。





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血圧に一喜一憂夏の朝     朱露

2012年06月28日 | Weblog
     毎朝計って何十年になるのか?
     血圧計は数台になるが私健在。
     名古屋から豊橋、これもいい。
     ホントは五才疫痢で死んだし。


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屑籠は飴色の魚籠また夏か    朱露

2012年06月27日 | Weblog
     「魚籠」は何故か「ビク」と読む。
     机の足元に何故か何十年も居座る。
     必要な屑籠だから捨てる筈はない。
     目の前に蚫の貝殻が一枚鎮座する。


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緑のカーテン制作中     遅足

2012年06月27日 | Weblog
緑のカーテンとは、ゴーヤのツルと葉で窓を覆い、
日影を作るという、植物のカーテン。

節電の夏対策の切り札として盛んにPRされてました。
今年、初めてゴーヤの苗を3本買ってプランタターに。
ようやく少し成長して、黄色い花が咲きました。

蔓が伸びて、大きく成長した葉が直射日光をさえぎってくれます。
さらに植物は常に水分を蒸発させているので、
そこを通る風は涼しく感じると言われています。

場所は2階のベランダ。
花が咲き、蝶の姿も見られるようになりました。
梅雨が終われば、暑い夏・・・
どんな効果があるのか?楽しみです。
水遣りを忘れないようにしないと・・・





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歳時記にパリ祭がある恐ろしさ    朱露

2012年06月27日 | Weblog
   1789年7月14日フランス革命始まる。
   ルイ16世とマリー・アントワネット死刑。
   年に何十回となく思い出しては溜息を吐く。
   全てはここから始まったと言ってもいいし。


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水くくるとは   鳥野

2012年06月26日 | Weblog
商店街の夕暮れ時、ショッピングか買い物か、若いカップルとすれ違いました。
女性は浴衣姿です。

髪を上げた項と、きっちりと合わせた襟元。いいものです。

浴衣は絞り染めでした。

「絞り」の起源は古く、古墳時代からと言われ、正倉院の御物や法隆寺の寺宝にも
見ることが出来ます。

この技法による染物が、広く人々に愛されるようになったのは、有松や鳴海の職人さんの
お手柄。

東海道五十三次の街道や宿場で見かけた「豊後絞り」の手ぬぐいにヒントを得て、旅の土産品にと売り出した、と伝えられています。

絞りの技法は精緻で、種類は巻き上げ、柳、竜巻、板締めなど100以上。
鹿の子絞りでは着物1枚分に12万粒余りが括られています。

図案、型彫りから仕上げまで、厳重な分業制度を守り、専門の技は現在に生きてきました。

技を着る。その美しさは、格別のものです。

平安時代初期の歌人、在原業平が、すでにその美を捉えています。

清和天皇の後の后、藤原高子に贈った有名な歌は、小倉百人一首でも、(落語)でもおなじみです。

 ・ ちはやぶる神代も聞かず竜田川からくれないに水くくるとは

 



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紫陽花にナルシス棲みて水の色     吉村倫子

2012年06月25日 | Weblog
句集「さくら咲く」のなかの一句。
花のなかに小人が棲んでいる、という句は読んだことがありますが、
紫陽花にナルシスが棲んでいるとは!

ギリシャ神話では、ナルキッソスが水面を見ると、中に美しい少年がいた。
ナルキッソスはひと目で恋に落ちた。そして水面に写った自分に
口付けをしようとして、そのまま落ちて水死。
ナルキッソスが死んだあと、そこには水仙の花が咲いていた、というもの。

アジサイの学名は「水の容器」という意味。
紫陽花の花を見ている少年。花のなかに自分の影を見ているのでは?
と、いう風にも読めます。

作者は、昭和23年生れ。
母亡き後、母の句集を読んだことから、俳句を始めたとのこと。
母を偲んだ句。

 母偲ぶ母の遺せし桜の句
 
  (さくらさくら空の彩して空に散り 母・とし子)

他にこんな句も。

 更衣つるりと白しゆで玉子

 三打席ノーヒットなりバナナ剥く

 極楽といふ名の町よ地虫出づ

                      遅足
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眼前を多米の夏雲三河へ消え     朱露

2012年06月25日 | Weblog
     早朝二階の外を雲どもが悠然と西へ。
     後から後からキリがないので疲れる。
     雲を見て疲れる話は聞いたことなし。
     じゃ多米へ来て雲に首を入れて見ろ。


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普通の人であることの難しさ   遅足

2012年06月24日 | Weblog
最近の政局、とくに原発の再稼動への野田さんの言動。
どこか違和感があります。
そして普通の人であることは難しい、と感じました。

現役の頃、番組の制作現場から、その部の責任者になったことがあります。
すると、どうしても部の利益を第一に考えるようになりました。
こうした立場だと、往々にして、編成とは意見が異なりますし、
また、視聴者のことを考えない言動になります。

自分の組織を第一に考えた言動にならざるを得ないのです。
それは、それで良いと思うのですが、一国の総理には
また違った責任があるはずです。
野田さんも、国民全体を考えて、と言っていますが、
どこかの組織の利益を代弁している歯切れの悪さを感じます。

まもなく消費税増税を決定、その後、総選挙。
結果はどこも過半数には及ばず、民主・自民・公明の大連立・・・
「救国一致内閣」の発足というシナリオもあるそうです。

どこかボタンの掛け違っているように思うこの頃です。






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伊豆は日のしたたるところ花蜜柑   鷹羽狩行

2012年06月24日 | Weblog
伊豆の旅、翌日は雨もあがり、大室山に登りました。
と言ってもロープウェイを使って。高さは580米の小山。
あっという間に山頂です。
この山、お椀をふせたように美しい形。休火山です。
すり鉢状の噴火口があって一回りできます。
大島、伊豆七島から天城連山、富士山、箱根へ360度の眺望。
良い天気に恵まれれば、スカイツリーも見えるとのこと・・・
残念ながら、富士山もスカイツリーも見えませんでした。

火口のお鉢めぐりをしていたら5体のお地蔵さんが。
なんでも江戸の昔、9歳の娘さんが身ごもったため、
安産をここの浅間神社に祈願。
無事出産したお礼とか。おや!まあ?・・・

さらに行くと南に向いて句碑が。
鷹羽狩行さんが、平成4年に大室山を訪れた時の句だそうです。
残念ながら、句のようにお日様は滴っていませんでした。

同じ時の句。

  火の山のわが丈を越す草いきれ

  万緑や射抜かるるべく的置かれ

最後の句は、すり鉢の底にアーチェリー場があることを
詠ったもののようです。
若い男女が恋の的を射んと腕を競っているようでした。

                   遅足
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伊豆の旅・蓮着寺    遅足   

2012年06月23日 | Weblog
先日、ひさしぶりに伊豆へ遊びに。
蓮着寺というお寺に寄ってみました。
蓮は日蓮さんの蓮。鎌倉を追放となった日蓮さん。
伊豆の伊東に流罪となったのですが、         
烏崎の俎岩(まないたいわ)に置き去りにされてしまいます。 
たまたま通りかかった漁師の小舟に救われ、事なきを得ました。
後世になって、その岩の近くに建てられた寺。
日蓮さんが着いた海岸で、蓮着寺。

俳句の盛んな土地柄のようで、境内のあちこちに句碑がありました。
この法難に由来する法難会は、毎年五月に行われるそうです。

  法難会鯵の叩きをもてなしに   止観

この他にも・・・

  かの世にて花の曼陀羅描き給へ  あけみ

  白椿浄土にかへる無垢の顔    節子

訪れたのは梅雨の中、真っ白な紫陽花が濡れていました。

  あじさいに色を濃くして伊豆の雨   遅足

(写真は小紫陽花です。)
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