575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

箸先で蕗味噌摘まむ夫婦めし  智恵

2017年02月28日 | Weblog
蕗味噌は春を告げる味。
若い頃は、あの苦さが苦手でしたが、
齢を重ねるにつれ、おいしさに変りました。

新婚夫婦なら、奥さんがご主人に蕗味噌を摘んで・・・「はい」と。
こんな景も思い浮かびますが、箸で摘むのは蕗味噌ではないでしょうね。
この句の夫婦は熟年、少し苦さもある二人でしょうか。

日本で箸が使われるようになったのは聖徳太子の時代だそうです。
中国への使節団が、日本にはなかった箸を用いた食事スタイルに面食い、
このことを太子に報告しています。
これまでの手掴みは野蛮なスタイルとみなされてしまう、と
太子は箸を用いるよう命じ、日本の箸の歴史はここに始まったとのこと。

洋食のナイフとフォークの使い方を学んだことを思い出しました。
中学生のころでした。

箸を使う国は、中国、韓国、北朝鮮、シンガポール、ベトナム、
タイ、カンボジア、ラオス、モンゴル等々とアジアの国々に集中しています。
箸だけで食事をとるのは、日本だけだと云われています。
夫婦箸があるのは日本だけでしょうか?

箸先で、の「で」は音が濁っています。箸先に、の方が良いかも。遅足



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

雪払えば音の聞こえる寺の路  結宇

2017年02月27日 | Weblog
雪の降る時は静かです。音が雪に吸収されるため。
いつもと違う世界が、現われて静寂を感じます。
作者が身を置くのは寺町。街の騒音も聞こえぬ場所です。

傘の雪を払いました。その瞬間に、雪の音を聞いたのです。
とても良い句です。
中七の音が雪の音と読めるような言葉を選ぶ必要がありそうです。

             

青空ですが、冷たい風です。高層ビルのむこうに伊吹山が。
まだ真っ白です。御岳も雪を冠っています。
句は春の雪でしょうか・・・        遅足
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ぴくぴくり春はまだかと猫の耳    亜子

2017年02月26日 | Weblog
猫が周囲の動きに注意する時は、まず耳を動かします。
最初は「ぴく」と小さく。次には「ぴくり」と。
それを見事に表現しています。

この「ぴくぴくり」をオノマトペ。
オノマトペは、擬音語や擬態語を表すフランス語。
フランス語には、オノマトペの数が 約600種類、
英語では 約1000種類と言われているそうです。
日本語には?なんと5000種類もあるとか・・・
俳句や短歌にもよく使われています。
たとえば水の流れる音。

  谷川の音ころころと秋晴るる  星野立子

  みずぷるるぽるると芹のあはひかな  鎌倉佐弓

詩人の耳には、こんな風に聞こえるのでしょうね。
擬態語といえば、この句を思い出します。

  ひらひらと月光降りぬ貝割菜  川端茅舎

         

オノマトペはどんどん新しいモノが現れるのでしょうか。
最近は「ミゾミゾ」というオノマトペもあるようです。

                    遅足

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

耳切りしゴッホ自画像春浅し   静荷

2017年02月25日 | Weblog
「春浅し」という季語は、立春をすぎたのに、
まだ春が感じられない頃を指しています。
風も冷たく、寒中のような気温に戻ったり・・・
「早春」よりも主観的な季語です。

ゴッホはゴーギャンとの共同生活を夢見て南フランスへ。
しかし自らの耳を切るという事件で二人は別れることに。
精神の安定を失ったゴッホの絵は変貌して行きます。
ゴッホというと悲劇的なイメージが浮かぶ所以でしょうか。

現在、名古屋でゴッホとゴーギャンの展覧会が
開かれていることもあって、作者は
「春浅し」という季語を持ってきました。

  冬ざるるセザンヌの耳ゴッホの耳  行方克己

悲劇性を強調するならば、この句のような季語でしょうか。

ゴッホ展を見てきました。かなりの人でした。
一番気になったのは、若い頃に描いた「靴」の絵です。
暗い色調の履き古された革靴。
これこそゴッホその人ではないかのしら?と
感じさせるものがありました。     
                      遅足
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

" 芸術は爆発だ " 蘇る岡本太郎    竹中敬一

2017年02月24日 | Weblog
今の若い世代で、昭和の頃、有名だった例えば、作家の舟橋聖一、丹羽文雄、
画家の梅原龍三郎、安井曽太郎、林武らをどれだけの人が知っているでしょうか。
多分、作品はもとより、名前すら知らないだろう、と云ったら言い過ぎですか。
それに比べ、この世を去った後も再認識され、若い世代にも人気が
高い画家がいます。岡本太郎 ( 1911 ~ 1996 )です。

私が岡本太郎と出会ったのは昭和30年代初め、愛知県美術館で彼の講演を
聞いた時です。この講演で私は今、その内容は忘れてしまいましたが、
若気の至りで彼の考え方に反論したのです。
岡本太郎には、これがきっかけになって、その後、テレビに何回か出演して
もらいました。東京 青山の自宅兼アトリエにも行ったこともあります。
玄関には、等身大の岡本太郎そっくりの蝋人形が置かれていたのを覚えています。

私は今も岡本太郎の美術評論集 「 今日の芸術 」( 昭和29年 光文社 ) を持って
いますが、今、読んでみても、文体も古臭くなく、内容は新鮮です。
同じ前衛芸術を論じても、花田清輝や瀧口修造らの難しい論調に比べ、誰にでも
わかりやすい内容になってします。

  「今日の芸術は、
  うまくあってはいけない。
  きれいであってはならない。
  心地よくあってはならない。」 ( 岡本太郎著「 今日の芸術 」より )

私の大学時代、つまり60年余り前の文章です。私はこの考え方に今も共感して
います。画家の中には、反論する人もいると思います。
「今日の芸術」を再読してみると、確かに、矛盾してる箇所もありますが、
岡本太郎の純粋で一途な想いは時代を越えて伝わっているように思います。

中日ドラゴンズファンだったという岡本太郎が今、生きていて、
「名古屋市が全国の主要8都市の中で最も魅力に欠ける街に選ばれた。」と
聞かされたら、どう答えるでしょうか。
「いいじゃないか。魅力のないところが、魅力なんだョ。」とでも云ってくれ
そうです。

写真は竹中健さんの絵です。

            

名古屋市内には確か岡本太郎さん作の梵鐘があったと記憶しています。遅足

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

富士山俳句   麗

2017年02月23日 | Weblog
今日2月23日は「富士山の日」ですが、残念ながら、このお天気ではお顔は拝めませんね。

富士山の日にちなんで、四季折々の富士山を読んだ俳句集「富士山歳時記」の「新年」編が、本日、静岡県から発行されたそうです。
昨年、全国から2402句の応募があり、そのうち100句が選ばれました。
今日の毎日新聞の記事によると、
新年の季語を織り込んだお正月や年明けにふさわしいすがすがしい秀句が選ばれているとのこと。

「ふじさんがくものおぞうにたべている」これは小学校2年の松澤紘太君の一句。
かわいらしい俳句です。

毎年富士山の日に四季ごとに発行されるそうで、興味のある方は静岡県文化観光部富士山世界遺産課のHPのぞいてみてください。
私も来年応募してみようかな?

        初富士は液晶の中そびえ立つ   麗(先月の句会より)
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

新聞に■■■のことも日脚伸ぶ   遅足

2017年02月22日 | Weblog
ちょっとイタズラをしてみました。
俳句はもともと読者が想像して読んでくださるもの。
さらに謎々をかけるのはイケナイかもしれません。

これを思いついたのは自衛隊の日報問題。
情報開示された文書の90%は黒塗りでした。
昔人間としては敗戦直後の黒塗り教科書を思い出しました。

句会ではここ■■■を「花粉」と読んでくださった方。
また「共謀罪」の3文字を当てた方もいらして
作者としては望外の喜びでした。

私は写真にあるように「タヌキ」の積りです。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

囁きは瀬音葉ずれや春来る  晴代

2017年02月21日 | Weblog
耳が3つもある「囁」を詠んだ句。
耳にやさしい囁き。
人のささやき。小川のササヤキ。木の葉の囁き。
いずれも春の到来を告げているようです。

口に耳が3つあります。小さな声なので耳が2つでは足らない。
3つは必要というところなのでしょうか?

           

よいお天気ですが、風が強くて冷たい。
日本海側は吹雪いているのではないでしょうか。
昨日の雨の後、寒気を伴った高気圧が張り出して冬型の気圧配置。
三寒四温の繰り返しで本格的な春へ。
桜の開花には、この寒さが必要だそうですが・・・
年々、季節が重荷に感じられるようになったきました。

                       遅足


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

福は内円空仏の笑みこぼる  立雄

2017年02月20日 | Weblog
福は内と、円空仏の取り合わせ。
微笑みがこぼれる、と言われて「なるほど」
詠めそうで、詠めない句です。

節分の豆まき。「鬼は外」「福は内」と叫びます。
最近は「福は内」という声の方がよく聞かれる気がします。
鬼は外には、外に向けた視線が、福は内には内側へ関心が感じられます。
今は内向きの方が気分にあっているのでしょうか?

                       遅足

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

立春を越えて受話器に父の声  麗子

2017年02月19日 | Weblog
立春後、はじめての父からの電話。
ひさしぶりに声を聴くようにも感じられるのは、
寒い冬が過ぎたという思いからでしょうか。

句会では「越えて」に賛否両論。
私は寒い冬を越えて・・・と、父を思いやる気持ちが
込められており、この言葉は必要であると思いました。
文脈を曖昧にしているから要らないのでは、という意見も。

立雄さんは、お父さんが体調を崩されていたのが、
春になって良くなったのでは、と読みました。
立春は暦の上での春。まだまだ厳しい寒さが続きます。
しかし「春」という言葉からは、暖かなものが感じられます。

                     遅足
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2月句会の結果です。  遅足

2017年02月18日 | Weblog
立雄さんの選句をいただきました。最終結果です。


課題詠「耳」

①語られぬ罪の声聞く余寒かな (麗子)能登・すみ・結宇
②耳切りしゴッホ自画像春浅し (静荷)能登・佐保子
③春寒し聖人眠る高野山 (立雄)智恵
④新聞に■■■のことも日脚伸ぶ (遅足)亜子・郁子
⑤耳あれど心聞こえぬ春霰 (佐保子)晴代
⑥うらうらと聞こゆ間延びの灯油売り (郁子)智恵・麗子・静荷・結宇
⑦囁きは瀬音葉ずれや春来る (晴代)
⑧ぴくぴくり春はまだかと猫の耳 (亜子)佐保子・遅足・麗子・すみ・等・立雄
⑨たちのぼる土の匂いに春を聞く (能登)智恵・等・亜子・郁子・立雄
⑩春の声波動と香り聴く野原 (智恵)
⑪雪払えば音の聞こえる寺の路 (結宇)晴代・等
⑫古座敷有職雛が鎮座する (すみ)佐保子・遅足・麗子・晴代・静荷・郁子
⑬大なるをはためかせ春を聴く象 (等)能登・遅足・すみ・静荷・結宇・亜子・立雄


自由題

①福は内円空仏の笑みこぼる (立雄)遅足・晴代・静荷・結宇・亜子
②砂埃たつ道もなし涅槃西風 (佐保子)静荷・結宇・郁子
③箸先で蕗味噌摘まむ夫婦めし (智恵)等
④蜆汁汁のみ飲まれいと侘し (すみ)静荷
⑤お遍路に琵琶僧混じる瀬戸の波 (結宇)智恵
⑥きさらぎの声透き通る弾き語り (亜子)智恵・晴代
⑦湯冷ましや人にうまれてしまったが (遅足)麗子・すみ・郁子
⑧プレイバック秘めし想いの春の雪 (能登)
⑨立春を越えて受話器に父の声 (麗子)能登・智恵・佐保子・遅足・すみ・等・亜子・立雄
⑩山茱萸と姉に教わる遍路道 (郁子)能登・遅足・麗子・等・結宇・立雄
⑪早春や老木(おいぎ)若木の芽ふっくり (晴代)
⑫囀りに似てふざけ合ふ登校児 (静荷)佐保子
⑬縞馬の睫毛は長し春を待つ (等)能登・佐保子・麗子・晴代・すみ・亜子・郁子・立雄


次回は3月15日(水)午後1時20分  
愛知芸文センター12階・催事室Ⅾ(アートスペースⅮ)です。

題詠は「春の野の花」を詠んで下さい。「たんぽぽ」「れんげ」「犬ふぐり」・・・
など、春の野の花なら何でもOK。ただし「野の花」はダメです。秋の季語ですから。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ロマンチック海道~北つ海~ 縦横に行き来した船 ③  竹中敬一

2017年02月17日 | Weblog
古代の日本で "北つ海" と云っていたのが、いつ頃から"日本海"と呼ぶように
なったのでしょうか 。
上田正昭氏 (歴史学者) によると、"日本海"という名称は、1602年、イタリア人の
イエズス会宣教師が北京で描いた世界地図の中に、"日本海" と書き込まれていて、
これが始めて見る史料だ、と云っておられます。
従って「韓国や北朝鮮が主張するように日本帝国主義がつけた名称ではなく、
すでに、17世紀、18世紀、ヨーロッパの宣教師の間で、"日本海"という名称が
ひろまった。」とされています。

"日本海" 呼称問題はそれぞれの国によって、主張が対立し、ややこしい話に
なってきますが、古代にはこの海を介して、中国や朝鮮半島と日本が盛んに
交易していたことは事実です。
交易するには、当然、船が輸送手段として使われたでしよう。今回は船について
考えてみます。

最古の舟は、福井県若狭町の鳥浜貝塚から出土した丸木舟で、縄文時代前期のものと
考えられています。
全長6メール余り。スギの大木をくりぬいたもので、三方湖や近海での漁や移動に
使われたようです。
昭和56年当時、この時代の丸木舟としては日本で最古であった為、第一号丸木舟と
名付けられました。その後、関東を初め各地で発掘されており、全長 7メールも
ある丸木舟も見つかっているようです。しかし丸木舟では外洋へ出るのは無理でしょう。

古墳時代になると、朝鮮半島との往来が盛んになり、若狭の首長は九州北部の首長ら
と共にヤマト政権から軍事要員として朝鮮半島に派遣されました。
(「若狭と越の古墳時代・入江文敏」より)
その軍団を乗せた船はどのようなものであったのか、なかなか史料が見つからず、
推測するしかありませんが、手がかりになる神戸新聞の記事 (平成16年2月1日) に
出会いました。
平成元年、兵庫県豊岡市出石(いずし)の遺跡から出土した「船団を描いた線刻画」に
関連した特集記事です。記事を要約します。

杉板に描かれた4世紀初頭のものとみられる船団画は、日本の古代船や航海術を知る上で
画期的な発見であること。
外洋に出ても耐えられる「準構造船」になっていること。つまり、木をくりぬいた
丸木舟を本体として波よけ板がヘサキと船体側面に取り付けてられていること。
19隻の大編隊を整えた外洋船。中央に大型船、周囲を小ぶりの船が取り囲んでいて、
組織的航海法が見て取れること。
記事は最後に「大陸と但馬(たじま) を結ぶ日本海ルートの存在を示す証しである。」
としています。

若狭の首長が率いる軍団も但馬と同様、船団を組んだ準構造船で朝鮮半島へ向かった
ことでしょう。

また、「日本書紀」には、雄略天皇 (第21代の天皇 5世紀後半) の時代、瀬戸内海の
吉備( きび)の海部 (あまべ) 集団が新羅征伐の命を受け百済に赴いた、とあります。
吉備で内乱があった時、ここの首長が40艘の船を率いて制圧に当たったとも。
一艘づつに兵士を乗せ、多数の水手が櫓と櫂で一斉に漕ぎ進めたようです。
40艘ともなれば、相当数の軍団だったでしょう。

平成12年、三重県松坂市の宝塚古墳から出土した船形埴輪には二本の帆柱のような
ものが立っていますが、造船技術史の専門家の話では古代、外洋での使用は帆では
不安定で、矢張り、櫓と櫂だったであろう、と云つています。

海に生きる人々が自由に船団を組んで北つ海を行き来していた時代。ふるさと若狭の
輝かしい時代の始まりだったと思います。

                         写真は小浜湾です。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

耳句会     麗

2017年02月16日 | Weblog
ようやく寒さも一段落。耳を覆わなくても歩けるようになった暖かさの中、昨日、句会が行われました。
課題は「耳」の入った漢字プラス季語というダブルストリクトの難しいお題。
課題を用いながらもきちんと俳句としても完成させるのはプレバトもびっくりの厳しさです。
では使われた漢字と講評です。

1,「聞」。「罪の声」という小説を読んで感化されました。季語の余寒も抽象的。より具体的なものをという貴重なアドバイス。「枯蓮」とか
2,「耳」。有名なゴッホの自画像から。
3,「聖」。空海のことを詠まれました。その場合は「しょうにん」と読んだほうが良いかも?
4,「聞」。出ました!この斬新な勇気ある試み。■ ■ ■の黒塗りに何が入るのか?でも披講の読み人には難しいです。
5,「耳」と「聞」。なんと夫婦けんかの一幕とか。それがわかり、大いなる共感を得ました。
6,「聞」。冬の終わり、近づく春を感じさせる一句。
7,「囁」。耳が三つも入っていました!瀬音と葉ずれの音が囁きに。
8,「耳」。かわいい猫の耳でした。「ぴくぴくり」の「り」がいいですね。景の見える素直な句。猫を飼っておられないのにこの観察眼。
9,「聞」。視覚、嗅覚、聴覚を動員した俳句らしい一句。
10,「聴」こちらも同じ感覚でしたが。。確かに声は波動ですね。
11,「聞」。肩先や傘に落ちた雪を払う音まで聞こえる静寂に満ちた一句。
12、「職」。「有職雛」という言葉は辞書にはないのですが、おひな様業界では有名ですね。格調高い古めかしいおひな様が鎮座まします。季節感もたっぷりありました。
13,「聞」。「大なるをはためかせ」るのは、象の大きな耳でした!春を聴いています。名人!!

プレバトの夏井先生に、4番の俳句を見ていただきたいですね。金子先生の方がいいでしょうか?
いろんな音が聞こえてきた耳句会。これからも耳をすませて過ごしていきましょう。
来月は春の草花がお題となりました。
どんな野の花が咲き乱れるでしょうか?
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2月句会の投句が集まりました。 遅足

2017年02月15日 | Weblog
今日は久しぶりに最高気温が10度を越すそうです。
風も穏やかな朝です。
句会では、どの句に風が集まるのでしょうか?


課題詠「耳」

①語られぬ罪の声聞く余寒かな 
②耳切りしゴッホ自画像春浅し 
③春寒し聖人眠る高野山 
④新聞に■■■のことも日脚伸ぶ 
⑤耳あれど心聞こえぬ春霰 
⑥うらうらと聞こゆ間延びの灯油売り 
⑦囁きは瀬音葉ずれや春来る 
⑧ぴくぴくり春はまだかと猫の耳 
⑨たちのぼる土の匂いに春を聞く 
⑩春の声波動と香り聴く野原 
⑪雪払えば音の聞こえる寺の路 
⑫古座敷有職雛が鎮座する 
⑬大なるをはためかせ春を聴く象 

自由題
①福は内円空仏の笑みこぼる 
②砂埃たつ道もなし涅槃西風 
③箸先で蕗味噌摘まむ夫婦めし 
④蜆汁汁のみ飲まれいと侘し 
⑤お遍路に琵琶僧混じる瀬戸の波 
⑥きさらぎの声透き通る弾き語り 
⑦湯冷ましや人にうまれてしまったが 
⑧プレイバック秘めし想いの春の雪 
⑨立春を越えて受話器に父の声 
⑩山茱萸と姉に教わる遍路道 
⑪早春や老木(おいぎ)若木の芽ふっくり 
⑫囀りに似てふざけ合ふ登校児 
⑬縞馬の睫毛は長し春を待つ 



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

女郎花までカーナビに教えらる  遅足

2017年02月14日 | Weblog
女郎花は地名です。
昨日、ご紹介した松花堂庭園のあるのが「八幡市女郎花」
この地名はどこから来たのか?
謎を解いてくれる鍵は、庭園のなかにありました。
それが写真の「女郎花塚」です。
こんな話が伝わっていました。

主人公は、八幡の男山のふもとに住んでいた小野頼風。
頼風には妻がいましたが、いつしか足が遠のいてしまいました。
ある日、夫を訪ねた妻は、他に女がいると聞き、
悲しみのあまり放生川に身を投げてしまいます。
妻を葬ったところに女郎花の花が一輪。
恋しく思った頼風が近寄れば、退くように風になびき、
遠ざかれば、もとに戻って咲いています。
これを見た頼風は、妻の後を追うように身を投げてしまいました。

謡曲「女郎花」の伝える悲話です。
二人を憐れんだ人々は、塚を造り、女塚、男塚と呼ばれています。
男塚は男山にあるそうです。

  女郎花少しはなれて男郎花  星野立子

          

極楽、楽園町といった一度は住んでみたい地名も。

  カーナビに極楽までの道を聞く
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする