575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

蒲公英をサラダにシニア自然大学  佐保子

2023年03月31日 | Weblog

え!? たんぽぽって食べられるの?しかも生で?(笑) 

 句を味わう前にその情報に驚いてしまった一句です。戦時下ではコーヒーの代用品として飲んだとドラマで見たような気も・・

でも幼い頃 なめてみたらこの世の終わりほど苦かった。

いただいたコメントです。

千香子さん: 自然保護観察員の方に、海上の森を案内して頂いた時、たんぽぽを天ぷらにするという話を聞きました( 名古屋にオリンピック誘致の話があった時に平和公園の自然を残すために頑張った方です)

須美さん: シニア自然大学は楽しそうだなと感じた。

 

 少し調べてみました。

たんぽぽはヨーロッパでは野菜として食されているそうで、全草どの部分も食べられるようですね。コーヒーは根の部分を焙煎するのだとか。

さすがに生となるとあく抜きが必要ですが、ビタミンA、ビタミンB2、カルシウム、鉄分などが豊富ということで試してみるのもありですね。

                                                          

 たんぽぽや間遠の電車待つ麓  晴代

 

竹葉さん:「麓」とあるから山裾の駅でたんぽぽ眺めて本数の少ない電車を待つのどかな感じがいいと思いました。

亜子さん: ◎の句。「間遠」というから辺鄙なところ。単線1両の電車を待つような無人駅かも知れない。駅員さんがいないと心細くもあるが、そんな所にもたんぽぽが咲いている。たんぽぽでなく他の花でもありそうだが、どこにでも咲くたんぽぽがよく似合う。

 

     

三月のお題「たんぽぽ」ではたくさんのたんぽぽが咲きそろいました。

いっせいに咲く桜は、多くの人の目をくぎ付けにしますが、たんぽぽはさりげなく 人里離れた野辺にもあたりまえに咲きます。

大地をしっかり捉えながらつつましやかに、広げた葉でうけたお日さまに感謝するかのように花開くたんぽぽ。足元にある幸せの黄色です。   郁子

 

 

 

                 

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たんぽぽは五弁花だよと孫の言ふ  能登

2023年03月30日 | Weblog

お花見日和が続きます。今年は桜も桃も同時開花で春爛漫です。庭にはたんぽぽもいっぱい咲いています。

亜子さんから「孫の俳句は難しいが、これは孫との会話をそのまま詠んでべたべたした感じがしない。たんぽぽは花びらがたくさんあるのに五弁花とは。何歳くらいのお孫さんが教えてくれたのでしょうか?」というコメントがありました。

私も、この句の五弁花というのはどういう感じかわからなかったのでちょっと調べてみました。

たんぽぽの花は朝に開き夕方に閉じるそうです。花は三日連続して規則的に開閉するそうです。舌状花と呼ばれる小さな花が円盤状に集まって頭花を形成しているので頭花が一つの花のように見えるとのこと。舌状花ひとつに五つの花びらをつけるということなのでそういうことをお孫さんはおっしゃったのだと思います。博学のお孫さんですね。

改めて庭に出てたんぽぽを摘んでみました。確かにガクは五枚です。よく見ると不思議な花です。たくさんの花びら達。占いをした懐かしい思い出も。

   おわるおわらないたんぽぽの花うらない  千香子

能登さん:技巧を凝らした佳句。ひらがなの効果、字余りののびのび感、句全体の優しさ感等々。

 

何の終わりを占ったのでしょうか?ひらがなが本当に効いていますね。

花びらをじっと見つめる春の朝です。よい一日をお過ごし下さい。麗子

 

 

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たんぽぽや大地を捉え花開く  須美

2023年03月24日 | Weblog

句を作っている時はなかなかお目にかかれなかったたんぽぽでしたが我が家の庭にまで顔を出してくれるようになりました。

いっぱいに光をうける黄色は新一年生の帽子の色を連想させます。

 寄せられたコメントです。

晴代さん: ロゼット状のたんぽぽの葉の様子がよくわかる。

泉さん: たんぽぽは花壇に咲いているより、大地の方がにあう。

千香子さん: 踏まれても踏まれても、しっかり大地に根付く、たんぽぽの逞しさ 大地を捉えがいいと思いました 。

咲き始めのたんぽぽの特徴をよく表していて私もいただきました。

晴代さん指摘のようにロゼット状で冬越しをするたんぽぽの葉は、風を防ぎ、太陽の光を全面で受けられます。そして春に思いっきり茎を伸ばし絮を遠くまで飛ばすのでしょう。

 

 たんぽぽや北の大地に大空へ  泉

麗子さん: たんぽぽという小さな花が遠く離れた北の大地にも咲き、やがて絮も大空へと舞うという壮大な感じを受けました。

竹葉さん: これは黄色いたんぽぽが青い空へ飛んでウクライナまで行けという句だと取りました。「北の大地に」は「北の大地の」には出来ないのでしょうか。

面白い指摘と思いました。

  (たんぽぽや北の大地の大空へ)  ということですね。

「北海道に6月の初めに行った時、緑色した草の中に黄色のたんぽぽがたくさん咲いていて、どこまでもたんぽぽだらけ、そして、見上げれば大空が、たんぽぽが空まで続いているようだった」と泉さんから句の背景をうかがいました。

助詞がいろいろ考えられます。

 (たんぽぽや北の大地へ大空へ)  

 (たんぽぽや北の大地と大空と)  など・・

 

作者の思いに近いのはどれでしょう。読む人の想像がふくらむのはどれでしょう。

楽しいですね。 郁子

 

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たんぽぽや満面の笑み胸リボン  竹葉

2023年03月23日 | Weblog

侍ジャパンの余韻に浸り更新遅くなりました。本当に世界一本当におめでとうございます。闘い終えた選手たちの笑顔がすばらしかったです。皆満面の笑みでしたね。

竹葉さんのこの句はどんな場面でしょうか?私は卒業式か入学式の子供たちの様子かと思いました。それとも何かのお祝い事の関係者でしょうか。胸リボンという表現が新鮮でした。

亜子さん:リズムがよくわかりやすい。たんぽぽを手にした満面の笑み。リボンのついた洋服を着た幼子のもしれない。お孫さんでしょうか?

とのコメントをいただきました。

竹葉さんのは具体的なたんぽぽ。この句を説明的に詠んだのが私の句かも知れません。

      たんぽぽは幸せの色孕みおり  麗子

郁子さんと句会の前に東谷山フルーツパークに出かけました。運よくたんぽぽと出会いなんだか幸せな気持ちになったのでできた句です。

能登さん:まさしく幸せの色だと思います。また、「孕みおり」がいい。

晴代さん:黄色は好きな色・幸せを孕むがとてもよい表現とおもいます。

泉さん:「幸せの黄色いリボン」がうかぶ。

          ★★★

ありがとうございました。今日は雨模様ですがまた雨上がりにたくさんのたんぽぽが咲きそうです。お祝い事も多い季節。たんぽぽも祝福しています。麗子

 

 

 

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拭いてやる小さき手たんぽぽ陽の匂う  郁子

2023年03月17日 | Weblog

今回はたんぽぽという身近な草花がお題でした。簡単にいくつも浮かぶかと思いきや、意外に難産だったという感想もきかれました。少し季節が早いのか、公園や空き地が整地されすぎたせいなのか、なかなか花が見つからず、私は思い出の中のたんぽぽを詠みました。

いただいたコメントです。

千香子さん: 可愛らしい情景が浮かび選びました

須美さん: ほのぼのとした暖かさがよく伝わってくる。

他に童子さん、佐保子さん、遅足さんもとってくださいました。

摘んだあと大事に手に持っていたたんぽぽから白い汁がでます。このべたべた感と黒く汚れた掌の気持ち悪さ。思わず手放すたんぽぽはくにゃりとしてお日さまの匂い。拭いてもらおうと差し出した幼子のパーの手もお日さまの匂いがしていたはずです。

私は野生児だったので腰のあたりでゴシゴシした気がしますが。

 

 たんぽぽから小さな風が吹いてくる  遅足

この句に晴代さんは

「絵本のような光景ですね。」のコメントとともに選句されました。

たんぽぽは郷愁をさそう草花かもしれません。小さな風は思い出でしょうか。

 

たんぽぽの発音がうまくできず、どうしてもひとつ「ぽ」が余分につく娘のことを思い出し詠んだ句

2017年3月 題詠「春の草花」

 たんぽぽぽ吾子のくちびる「ぽ」を重ね  郁子

 

 

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たんぽぽの絮や冥土へひとり旅  亜子

2023年03月16日 | Weblog

たんぽぽ句会いかがでしたか?明るい黄色の花を詠んだ句が多い中、唯一たんぽぽの絮を詠まれ見事トップ賞になった亜子さんのこの句です。おめでとうございました!!

亜子さんは「浄土」か「冥土」で迷われたそうです。冥土はいずれ皆が行く世界。そう思うとそんなに悲壮な悲しい感じではなく「ひとり旅」という表現もするするっと出て来たそうです。

皆さんのコメントです。

竹葉さん:絮が風に乗ってどこどこまでも飛んでいくのを「冥土へひとり旅」とは面白いと思いました。

郁子さん:こんなひとり旅なら・・とも思わせます。 

泉さん:たんぽぽの綿毛がどこかにとんでいく様子が寂しさをさそう。

        ★★★

私もいただきました。最初ちょっとかなしい気持ちになりましたが、これが自然界の宿命。たんぽぽも風まかせのひとり旅と思えば、人の死も軽やかに受け入れられたらと思いました。絮は風に乗ってまたどこかに着地し、そこに根をはり新たな命を生み出します。ひとつの花から数えきれないほどの絮が生まれることの神秘も思えば不思議ですね。麗子

 

 

 

 

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たんぽぽ句会の結果発表!

2023年03月15日 | Weblog

春を告げるたんぽぽがいろんな場所で咲き競いました。

2023年3月題詠「たんぽぽ」

  1. たんぽぽや大地を捉え花開く (須美)晴代 千香子 郁子 泉
  2. たんぽぽや北の大地に大空へ (泉)竹葉 麗子
  3. たんぽぽは五弁花だよと孫の言ふ (能登)亜子
  4. 拭いてやる小さき手たんぽぽ陽の匂う (郁子)遅足 佐保子 千香子 須美 童子
  5. たんぽぽから小さな風が吹いてくる (遅足)晴代
  6. たんぽぽや満面の笑み胸リボン (竹葉)遅足 佐保子 麗子 亜子
  7. たんぽぽは幸せの色孕みおり (麗子)能登 晴代 泉
  8. 蒲公英をサラダにシニア自然大学 (佐保子)千香子 須美 童子
  9. たんぽぽの絮や冥土へひとり旅 (亜子)竹葉 遅足 麗子 郁子 泉 童子
  10. たんぽぽや間遠の電車待つ麓 (晴代)竹葉 亜子
  11. おわるおわらないたんぽぽの花うらなひ(千香子)能登 
  12. 蒲公英の咲くまで待てず別れかな (結宇)能登 佐保子 郁子 須美

 

自由題

  1. しだれ梅八重のやさしや桃色に (佐保子)竹葉 泉
  2. 近江富士笑ったような帰り道 (麗子)竹葉 千香子 郁子 童子
  3. 鳶高く鈴鹿連山霞けり (晴代)遅足 麗子 亜子 泉 童子
  4. 春の子を春の中よりとりあげる (遅足)能登 佐保子 麗子 郁子 須美
  5. 目覚めるや光飲み干す春の土 (郁子)竹葉 遅足 佐保子 須美 泉
  6. 再会は戦なき世に雛納め (亜子)能登 遅足 晴代 千香子 須美 童子
  7. 草餅や生き残れるか東南海 (能登)晴代 千香子 亜子
  8. わらび餅こねてこねての輝きや (須美)
  9. 夫よ見よ切り過ぎ梅の咲き誇り (竹葉)能登 佐保子 晴代 麗子 郁子 亜子
  10. まめなしの花の香りや八幡社 (千香子)
  11. 春来れば別れと出会いドキドキと (泉)

題詠は亜子さん、自由題は亜子さんと竹葉さんがトップ賞でした!!おめでとうございまます!亜子さんは両方トップで快挙ですね。

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たんぽぽ句会の投句が揃いました。

2023年03月14日 | Weblog

季節にさきがけ、いろんなたんぽぽが咲きました。明日の結果をお楽しみに。

題詠「たんぽぽ」

①      たんぽぽや大地を捉え花開く 

②      たんぽぽや北の大地に大空へ 

③      たんぽぽは五弁花だよと孫の言ふ 

④      拭いてやる小さき手たんぽぽ陽の匂う 

⑤      たんぽぽから小さな風が吹いてくる 

⑥      たんぽぽや満面の笑み胸リボン 

⑦      たんぽぽは幸せの色孕みおり 

⑧      蒲公英をサラダにシニア自然大学 

⑨      たんぽぽの絮や冥土へひとり旅 

⑩      たんぽぽや間遠の電車待つ麓 

⑪      おわるおわらないたんぽぽの花うらなひ

⑫      蒲公英の咲くまで待てず別れかな 

         

自由題

①      しだれ梅八重のやさしや桃色に 

②      近江富士笑ったような帰り道 

③      鳶高く鈴鹿連山霞けり 

④      春の子を春の中よりとりあげる 

⑤      目覚めるや光飲み干す春の土 

⑥      再会は戦なき世に雛納め 

⑦      草餅や生き残れるか東南海 

⑧      わらび餅こねてこねての輝きや 

⑨      夫よ見よ切り過ぎ梅の咲き誇り 

⑩      まめなしの花の香りや八幡社 

⑪      春来れば別れと出会いドキドキと 

         

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臨月や魚氷に上り心浮く  須美

2023年03月10日 | Weblog

日本には春夏秋冬の季節だけなく、二十四の気の季節、さらにそれを三つにわけた七十二もの候があります。旬のものをいただき、季節の風物詩や行事、祭りなどを愛でながら季節の移ろいをこまやかに感じとる暮らしが昔からあったということですね。

この句の季語は、立春の末候にあたる『 魚氷に上がる 』暖かくなって湖の氷が割れ、魚が跳ね上がる頃となります。

作者のお嫁さんの出産を今か今かと待ちわびる幸せな一句ですね。

 

皆さんのコメントです。

千香子さん: おめでたい心ウキウキする句です。季語のイメージとの関連で迷いましたが。

佐保子さん: ちょうど、リハビリに来てくれている看護師さんが、妻の予定日の日で、お産の話になって楽しみにしておられた。 妻か、娘が臨月の男性が凍った湖にワカサギ釣りに行ってたくさんの魚を釣り上げた情景を想像しました。臨月とワカサギ釣りとのかけ離れ方がすごいなと感心しました。

 私もいただきました。

氷を割って跳ね上がる魚のような期待感と幸福感。漫画のようですが「バンザイ!」と言って飛び跳ねる魚を思い浮かべました。

    

そろそろおめでたいニュースの聞ける頃でしょうか。

ちなみに今は、七十二候でいうところ啓蟄の次項 『 桃初めて笑う 』 蕾がほころび桃の花が咲くころです。

今度生まれる作者のお孫さんは、どうやら女の子であるらしいと伺いました。 郁子

 

 

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米を研ぐ水の尖りて春寒し  亜子

2023年03月09日 | Weblog

ようやく水も温みお米を研ぐのも辛くなくなりました。でも冬場の台所仕事のお水は冷たいです。

お米を研ぐという毎日の何気ない営みの中の佳句。水道の蛇口から細く尖る水。中七の「水の尖りて」に余寒がうまく表現されていると思いました。

皆さんのコメントです。

能登さん:「水の尖りて」がいい。

晴代さん:水の尖りがとても季語を立ててます。

結宇さん:春とはいえ、水仕事をする女性が気づく点ですね。 男の我々には、風呂の温さに甘えるくらいですが。

須美さん:水の尖りてが良い。冷たさが感じられる。

泉さん: 無洗米やあまり研がなくてもよい米もある中で、米を研ぐ様子はなつかしい。

          ★★★

 

そうですね!無洗米というものがありました(笑)

作者の亜子さんは、冬の水の冷たさを「刺す」という言葉ではじめ考えられたそうですが「尖りて」に推敲されたそうです。この「尖る」という言葉がこの句のポイントとなりました。今日も20度越えとか。お米もゆっくり研げますね。    麗子

 

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ひたひたと軍備増強わすれ雪  能登

2023年03月06日 | Weblog

さすがにもう雪はないだろうと思いつつ、

思いがけない3月の雪で難儀したこともあり、なかなか冬タイヤを変えられずにおります。

 

多くの票をあつめたこの句は、わすれ雪という季語がどうなのだろうという思いもありました。

選者のコメントです。

竹葉さん: 「忘れ雪」は私の感じは皆が忘れてる頃に冷っとさせる雪、と思い、いい季語だと思ったのですが、調べたら「終い雪」だとありました。本当はどうなのでしょうか。

千香子さん: 日本列島は自然も多様で、雪の降り方も様々、雪について用語を調べてみたら牡丹雪、銀花、六花、風花、淡雪等雪を歓迎したくなるようなものもあるが、大雪、どか雪、豪雪、吹雪など困った降りかたも多々。わすれ雪はどうなのだろう、この句に関して言えば白魔ですね。

亜子さん: 今の政権は軍事費を増やしている。「わすれ雪」という季語を置くことにより、本来の日本は平和国家を目指していたのに。。。という思いが感じられる。

遅足さん、佐保子さんもとっていらっしゃいます。

 

         

季語が動くか、動かないかという視点もありますが、この句に関しては読み手にいろいろと想起させ、訴えるものがあります。

ひらがな表記の ひたひた と わすれ が視覚的にも心にも響く一句といえそうです。   郁子

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菜の花がしあはせさうに黄色して    細見綾子

2023年03月04日 | Weblog

つれずれに捨てた野菜を水につけておいたら、かすかに緑が見え出しびっくり!

根の切り方によって食べられる程に、成長させることができるそうですが、私の場合はほんの少しの根なので、出てきた葉もとても小さいものです。

 毎日 ゆっくりですが成長を楽しみに見てきました 。

花芽もつき花も咲きました。

          白菜の花咲く切り捨てし根より

とてもかわいかったので写真に撮ってみました。   千香子

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風花や郵便受けは空のまま  千香子

2023年03月03日 | Weblog

風花・・花といいつつ晴天にちらつく雪のことで、風下の山麓地方に多い現象です。

どこからともなく吹き寄せられる雪片のはかなげなイメージ、かざはな という語感の美しさもあって俳人たちに最も好まれる冬の季語のひとつです。

いただいたコメントです。

能登さん: 風花は遠い国からの便りを、運んでくれそうですもんね。

結宇さん: 春は確かにいろいろなものを期待させてくれます。 時間みてポストへいったら・・・というのは、よくありますね。

泉さん:  風花が気に入りました。美しさと侘しさを感じます。

遅足さんと私もいただきました。

空っぽの郵便受け、待ちわびていたのは恋人からの手紙?

受験の合格通知?春の便りかもしれません。

それとももっとちがう何か・・?

繰り返し問いかけても得られなかった「答え」とか・・

風花と空の郵便受けのとりあわせが、読み手の想像を膨らませ、物語をつくる楽しさがあります。

   

今日はひなまつり。桃の節句です。気温の変化は激しいですが、

これから花の便りが次々に到着しそうで楽しみです。 郁子 

 

 

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ぽつぽつと枝動き出す春隣  晴代

2023年03月02日 | Weblog

自由句でトップ賞になった晴代さんの秀句。

季語「春隣」(はるどなり)は実は冬の季語です。もう春がそこまで来ている感じ。傍題に「春近し」「春まぢか」などがあります。ちなみに冬隣は秋の季語です。この辺りが季語の難しいところですね。

昨日から弥生三月となりました。この句は一か月くらい前の様子でしょう。枝に蕾や芽がぽつぽつとつき始めて春の胎動を感じさせてくれます。期待感もふくらむ感じです。梅の木でしょうか?ぽつぽつという表現がかわいらしくまさに「小さい春見つけた♪」の気分ですね。

皆さんのコメントです。

竹葉さん:春の訪れを「枝動きだす」で表してること、その様を「ぽつぽつと」と言う表現、なんだか合うなぁと感心しました。

郁子さん:蕾がふくらむと枝の存在が俄然出てきて、生きていると感じさせます。「ぽつぽつと動き出す」平易な表現でとてもよく現わしていると思いました。

結宇さん:Next to the corner ですね。  春の新芽が見えるようです。

須美さん:枝動き出すの表現が好き。ぽつぽつも良い。

泉さん:春が日に日に近づいている様子がわかる。

亜子さん:◎の句。「ぽつぽつ」という表現がいい。木の芽が芽吹いたりたり、蕾が膨らむ気配を「枝動きだす」という言葉で表したのがうまい。いかにも春隣といった感じ。

     ★★★

日ごと庭も枝も動いています。紫陽花の新芽も出始めました。寒さの中で春を待つ気持ちは卒業シーズンにもぴったりですね。麗子

 

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