575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

やっと会えたけれど         草女

2007-08-31 21:48:55 | Weblog
 三年前の三月、ウトナイ湖サンクチュアの湿原に、立ち枯れて円錐状に実をつけている草がたくさんあった。何だろうと注意深く看板を見て歩き、クサレダマだろうという結論に達した。
 以来花の咲いているクサレダマに会いたいと思い続けていた所、この7月ひるがの湿原植物園で花が咲さいているのに会う事が出来た。
 片仮名で読めば「腐れ玉」を連想する。が、実は「草連玉」であり、サクラソウ科のオカトラノオ属の植物。レダマというエニシダに似たマメ科の低木があり、その草版という意味だそうだ。
 エニシダは江戸時代の末に渡来し、それと同じ頃にレダマもやって来たと考えられている。クサレダマは自生している在来種だから、名前のつけ方が逆である上に花の色が黄色と言う以外何も似ていない。
 宮尾登美子の「天涯の花」で一躍有名になったキレンゲショウマもそうだ。
 黄色のレンゲショウマ(蓮華升麻)という意であるが、レンゲショウマとはまったく似ていないし科も違っている。あえて似ているといえば、どちらも数や生息地が限られていて会う事が難しいという共通点くらいであろう。
 
 このように、明治以降に名付けられた植物名には、名付け親のセンスを疑いたくなるなるものにしばしば出会う。
 ハキダメギクやブタナは可愛らしい花なのに汚いイメージがつきまとう。掃溜めで発見したからとか、フランスで豚が食べているからと言うのが名前の由来であるが、植物本来の姿が名前に無い。
 名付け親になるのはむずかしいことだ。

※ 写真はクサレダマ。
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土偶   麗

2007-08-30 08:56:59 | Weblog
先週末、茅野市にある尖石縄文考古館へ行ってきました。
縄文のビーナスと言われる国宝の土偶。
そして数年前に発見された三角の仮面をつけた「仮面の女神」
と呼ばれる縄文時代後期の土偶。
5000年前の遺跡から発掘されたと聞くとなんだか時間の流れが不思議
に思えます。
誰がなんのために土偶を作ったのか詳しいことはわかりませんが
シャーマン的な人のお墓から出土したと言われています。
女性のふくよかな下半身は堂々とした安定感がありまさに地に足がついています。

数々の縄文土器も惜しげもなく展示されていて
近くにいたおばあさんが「うちの畑からもでたよ」とおっしゃっていたのが
印象的でした。
温泉もでる暖かい土地に縄文人は住み始めたのでしょうか。
私たちの祖先はさかのぼっていくと縄文まで行き着くのでしょうか?
目先のことばかりにとらわれてしまう現代人ですが
5000年前の土偶を見ると「小さいことは気にしなくても大丈夫」と
言ってくれているように思えました。

         縄文の土偶は語る一瞬を   麗
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赤とんぼ   遅足

2007-08-29 19:04:25 | Weblog
夕焼け小焼けの赤とんぼ・・・
赤とんぼといえば、アキアカネ。
平地の池や沼、田んぼなどに棲んでいて
夏になると山に移動。
秋にまた平地にもどってくる習性があります。
避暑にいくんでしょうか?

  挙げる杖の先ついと来る赤蜻蛉  虚子

アキアカネ、最近、少ないような気がします。
一説には、これまでの生息地のひとつだった
田んぼが変わったためといいます。
これまで田植えが済んだ田には水がはってありましたが、
最近は一旦、水を落としてしまうそうです。
そのほうが稲の発育によいとのこと。
アキアカネには迷惑な話で、大切な住居を奪われてしまった形です。

それが原因だとしたら、ちょっと可愛そうですね。

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カタカナハ チカラモチ   鳥野

2007-08-28 08:28:35 | Weblog
歯をあつる林檎パリッと秋の富士  富安風生

この句に出会った時、たった3文字の片仮名の迫力に、目を見張りました。

仮名文字は平安時代の初期、漢文を訓読みにするために使われていた万葉仮名を、簡略化したもの。
漢字全体を草書体にしたのが平仮名。一部分を略体にしたのが片仮名。
漢文に注記をつけて学ぶための、並々ならぬ努力が偲ばれます。

とはいうものの、字面からみて、俳句と片仮名は折り合いが悪いものと、思っていました。

ところがどうして、片仮名でこその秀句もたくさん。

地名や人名のの表記は別として、片仮名入りはそれぞれに印象的です。

  赤い羽根させるお洒落のルンペン氏  阿波野青畝

  カーフェリー朱鷺の孵りし島指呼に  塩田藪柑子

  分校のラッパは秋の海へふく  高村満子

  うそ寒きラジオや麺麭を焦がしけり  石田波郷

  

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虫聴会 ??              愚足

2007-08-27 18:21:08 | Weblog
 今月お題の「新涼」には汗をかきました。次回は「虫」だとか。外国人には雑音としてしか感じられないという「虫の音」。
 仕舞い湯で一人聴く虫の音などはいいですね。(二人ならもっといいけど)
 江戸時代には、わざわざ虫の音を愛でに行ったとか。風流ですなぁ。
 掲載の浮世絵は、江戸名勝図絵です。

      東都名所 「道灌山虫聞之図」
歌川広重(初代)画 天保6年(1835年)頃 足立区郷土博物館蔵

 道灌山の虫聞きは、江戸の秋の風物詩。くさぐさの虫の音を楽しむことができたが、松虫がことに有名であった。まだ暑さも残る秋文月、涼しげな浴衣姿の女性らが子どもを伴って道灌山の見晴台に上ってくる。上等席に陣取り風流を気取った三人衆は、虫の音を聞きながら杯を傾け、月を眺めつつ一句捻ろうとしているのであろう。

 との解説が。         
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8月句会から   遅足

2007-08-26 11:28:26 | Weblog
残暑ですが、空には秋の気配ですね。
8月句会のいくつかの句についての感想です。

  

 新涼や祖母の句集を読み返す  麗子

涼しい風をふっと感じた時、ああ、夏は終ったのだ、と思います。
そんな時に、過去に思いをはせることも。

 乳を飲む昭和九年の新涼の  朱露

自身のルーツまで戻ったのが朱露さん。
麗子さんの場合は、おばあさんのことを思い出されたようです。
元気なおばあさんだったとのこと。
その一句を教えていただきました。

 老兵は語ることなし夏祭

夏祭。お酒も入って普段より口も軽くなるはず・・・
しかし老兵は重い口を開くことはありません。
戦争といえば原爆の句。

 月焦げて月光昏し爆心地  亜子

今年の広島の慰霊祭に参加された亜子さんの一句。
毎年、夏には戦争の句を作っていらっしゃいます。
「爆心地」は広島ばかりではなく世界中にある、とのこと。
イラクやアフガニスタンにも爆心地が。
私のなかにも・・・

 祇園会や消えては灯す手提灯  立雄

立雄さんの町内で行われた祇園会を詠った一句。
子供たちが提灯をもって行列。
面白がって揺らし、消えた灯を大人が灯します。
古典落語を思い出しました。
あの世に行った亡者、消えかかった蝋燭の灯は、
自分の寿命を表していると言われます。
あわてて火を継ぎ足そうとしますが、手が震えて・・・

「手」の一字が絶妙の一句です。

(写真は三重県美術館の正門にある展示作品です)

まだまだ厳しい残暑。
健康に気をつけて、乗り切りましょう。




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星月夜二階に住まう流人かな   朱露

2007-08-25 09:42:35 | Weblog


   私の親しい流人は伊良湖へ流されたお方。
   空蝉の命を惜しみ浪にぬれ伊良湖の島の、
   と詠い、玉藻刈り食む、と飢え死にした。
   トバッチリじゃなく確信犯だと信じてる。

               

     万葉集巻一のニ四。
     麻続王(おみのおおきみ)は伝不明の人。
     天武4(675)年、流刑。


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藪枯らし            草女

2007-08-24 00:02:04 | Weblog
 梅雨に入る頃から、我が家の庭では竹の子とヤブカラシ退治が必須。両方とも芽生えたばかりで抜かないと大変な事になる。
 竹の子は唐竹(別名ダイミョウチク)で、実家の庭を壊したときに不用意に貰って移植してしまったのである。この竹、庭中に竹の子を出し、そのままにしておくと五メートルくらいにもなってしまう。毎年何十本もの竹の子を折り、その甘い香りに食べる事は出来ないものかと自問するのである。
 さてヤブカラシのほうであるが、ヤブカラシがどのようにして庭に入り込んだのかは不明。ヤブカラシはブドウ科ヤブカラシ属の植物。私が職業についていた頃はかなり伸び放題で放っておいた。何しろ藪を枯らしてしまうくらいの生命力である。きっとその頃、根に養分をしっかり溜め込んだにちがいない。一度根から退治しようと掘ってみたら、何と太い牛蒡のような根にたどり着いた。しかもそれは地下に20cmくらいの深さに張り巡らされ掘り起こす事は不可能。ならば根に養分がいかぬ前の芽生えのうちにと思うのだが、いつも先手を取られしてやられている。
 というのは、芽生えの仕方が巧妙なのだ。葉を付けず茎だけがすうっと出てくるものや、よく似たノウゼンカズラや蔦の近くに葉を付けて出て、擬態を思わせる個体もある。目を凝らして見るのだが見残してしまう。
 また、見つけて抜くときもヤブカラシの術に嵌る。抜いたとき簡単に抜けて根が付いて来る事はない。身を挺して根を温存すると言う感じだ。
 それにしてもこんなに抜いても抜いても芽生えさせる力が何処に残っているのだろう。またあの太い根はどのように地下で生きてるのか。毎年繰り返す疑問である。

  歳時記では秋の季語だという。(創元社 俳句の草木 )

   旧館の一部残るや藪枯らし     松尾むかご
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句会の結果です。    遅足

2007-08-23 16:00:48 | Weblog


題詠「新涼」

①乳を飲む昭和九年の新涼の(朱露)愚
②新涼や幼(おさな)の好きなラムネ菓子(静荷)鳥・能・晴
③新涼や釈迦の御前大の字に(立雄)童・鳥・麗・遅・亜・晴・郁
④温暖化新涼もなく橋の上(狗子)静
⑤新涼や祖母の句集を読み返す(麗子)童・能・遅
⑥仰向ける嬰(やや)の薄目や涼あらた(亜子)能・狗・愚・立・静
⑦朝刊に新涼をのせ今日はじめ(晴代)朱・麗・立・郁
⑧新涼の風を伊吹に探しけり(愚足)麗・狗・立・亜
⑨新涼や空を眺むる蝉むくろ(能登)愚・静
⑩新涼や雑巾がけの濡れ素足(郁子)童・鳥・朱・遅・狗・亜
⑪新涼の来ている指を頬におく(遅足)朱・晴・郁

    

自由題

①初出場砂よせ集め夏終る(狗子)能・立・静
②月燋げて月光昏し爆心地(亜子)鳥・遅・立・静・郁
③片陰を故人の影と出でにけり(遅足)童・鳥・能・亜・晴
④盆休みお国言葉で用がすみ(晴代)朱・麗・遅・狗・立
⑤原爆忌詩集書棚にみつからず(愚足)童・朱・郁
⑥終バスの酔客臭し残暑かな(能登)朱・狗
⑦蝉の羽音寝つかれぬままかすれゆく(郁子)狗
⑧祇園会や消えては灯す手提灯(立雄)麗・愚・亜・静・晴
⑨物語紡いでは噤む夜長かな(朱露)能・麗・愚・
⑩新涼の旅や高原バスが行く(麗子)鳥
⑪山の湯の日暮れ早しや酔芙蓉(静荷)童・遅・愚・亜・晴・郁

    

次回は9月19日(水)午後6時 安田屋

題詠は「虫」秋の虫です。
こおろぎ、のように虫の名でも、虫の音、という季語でもOkです。



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新涼句会   麗

2007-08-23 08:01:21 | Weblog
猛暑日が続く中での句会。
新涼とはほど遠い毎日に四苦八苦した様子がよくわかりました。
新涼ならぬ不眠症で悩む人が多い診療句会に。。。

明け方、突然の風と雨。新涼がこんなに突然やってくるなんて。
雨音で目が覚めたのは久しぶり。人間も植物も一息ついていることでしょう。

      新涼が夜更けの雨でやってきた   麗
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