575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

思いっきり伸びして薄着春彼岸     静荷

2013-03-31 20:13:49 | Weblog
伸びして薄着に、わたしも春の日差しに向かって
大きく伸びをしますと、えみさん。

暑さ寒さも彼岸まで、と言われるように、
春のお彼岸の頃は、急に暖かくなったりします。
長い間、お世話になってきた冬服が窮屈に感ずるようになります。
思い切って薄着に。お墓参りも軽やかです。

服装といえば、季語に「春の服」があります。

  春服やバスの車体の漫画文字   小高沙羅

春らしい、面白い句ですね。  遅足



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母の耳また遠くなり春彼岸    郁子

2013-03-29 07:07:20 | Weblog
耳遠きことは長寿の証しとか、御同慶の春、と鳥野さん。

お墓参りに一緒に行った母。おや?また耳が遠くなったのかしら?
お正月の時も少し耳が、と思ったけれど・・・
あんなにテキパキとモノゴトに対処してきた母。
その母にも老いが、と感じた時の娘の気持ちが伝わってきます。
春彼岸という季語がよく効いています。

私事で恐縮ですが、私も耳が遠くなりました。
鶯の声も以前のようには聞き取れません。
テレビの音量が、いつの間にか高くなっています。
また、お芝居の声が聞き取れなくて・・・隣にいた友人も同じことを。
二人とも、長生きをするのかしら?

ちょっと佐渡に行ってきます。佐渡は彼岸過ぎても寒いようです。

                          遅足



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小鳥来る春   麗

2013-03-28 08:59:46 | Weblog
ここ数日うぐいすのかわいい声で目が覚めます。
隣の公園のケヤキの木にいるのか、毎年この時期初鳴きを披露してくれます。随分上手になりました。
春眠暁を覚えずで朝起きるのがつらいのですが、この声を聞くと元気が出てきます。
当地の桃もほころび始めました。桜と同時に満開になりそうです。庭にたくさんの小鳥もやってきます。
やっとこさの春ですね♪

       鶯の声で目覚める6時半  麗
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空陸海際望洋と彼岸かな   晴代

2013-03-27 09:46:13 | Weblog
そらりくうみ きわぼうようと ひがんかな、と読みます。

お彼岸になると、春めいて周りの風景がぼんやりとしてきます。
空と陸、陸と海、海と空、それぞれの境界も望洋としてきます。
私たちを取り囲む世界は、いつの間にか、此岸から彼岸に入れ替わっているのでは?
彼岸というコトバが生み出すファンタジーのようです。

朝刊に御園座が120年の幕を閉じたニュースが載っていました。
土地を積水ハウスに売却、借入金を返済。
さらに融資を募って劇場の再建を図るという。
うまく行きますように・・・

                     遅足

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椿は落ちる   鳥野

2013-03-26 17:16:34 | Weblog
 ・ 巨勢山のつらつら椿つらつらに見つつ偲はな
   巨勢の春野を

万葉集・巻一 坂門人足の作。歌曲としても馴染み
深く、若き日の思い出も多そうです。

冬のサザンカを引き継いで、いよいよツバキの春。

ツバキは、花の楚々とした風情からも、艶々と輝く
葉の様子からも、風流の人に愛されて来ました。

自生種は南西諸島から、青森県までと広い。が、
早くから、鑑賞のための園芸種も手掛けられてい
て、移植も試みられていたらしい。それとわかる
歌も見えます。

同・巻二十 ・ あしひきの八峰の椿つらつらに
見とも飽かめや植えてける君     大伴家持

サザンカ散る、ツバキ落つ。厳然たるこの区別は、
ワタシへの戒めです。

三重県鈴鹿市の、椿大社。この美しい名を持つ神
社を訪れた日は、雪催い。石の階に真紅の椿が落
ちていました。

 ・ 斬首刑の跡形めいて椿落つ   鳥野




 



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手のひらの豆腐はじけて彼岸です    えみ

2013-03-25 09:54:06 | Weblog
はじけて、という文字から、どんなイメージが浮かんでくるのでしょうか?
蕾がはじけて花が開く、私はそんな風に感じました。
食事に欠かせない豆腐。賽の目に切って、お味噌汁のなかに。
そんな日常の動作も、彼岸になり、暖かくなって来ると・・・
おや?!お豆腐がはじけ、「彼岸ですよ」と話しかけてくる。
そんな弾ける心を詠んだのでしょうか。
                         遅足


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東北に向かって祈る彼岸かな    麗子

2013-03-24 09:28:12 | Weblog
人は、この瞬間以外にも、幾つかの今を生きているそうです。
その起点は、あれから時が止まったまま、と言われる時。
あれから、ずっと今が続いているのです。
3・11は、多くの人びとにとって、今の起点です。

遠く離れて、なにか出来ることがあるのか?と自問する作者。
そして、祈ることしか出来ない・・・という思いを詠んでいます。
祈ることが、3・11を共に、今、生きている証ではないでしょうか。

                         遅足


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二万人の「それから」ありし彼岸かな   能登

2013-03-23 09:40:49 | Weblog
残された者たちの「それから」が二万もある、ということを言いたくて、
なんとなく「」付きにしてしまいました、と作者。

私は、彼岸に行かれた二万人の方たちのことを詠んだ句と思いました。
あの世には、「それから」は無いわけですが、失われた「それから」に思いを馳せる。
それは、同時に残された人々の2年間に思いを馳せることにもなります・・・

庭の白木蓮、紫木蓮の花が散って、山吹が黄色い花を咲かせています。
東北にも、まもなく本格的な春がやってきます。

                             遅足



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3月句会の結果です。     遅足

2013-03-22 10:04:53 | Weblog
3月句会、9人の出席でした。
今回は、佐保子さんがはじめての投句です。
最高点を採った句が5つもありました。
ちょっと難しかったという声も。


題詠「彼岸」

①二万人の「それから」ありし彼岸かな(能登)智恵・結宇・すみ・静荷・遅足
②東北に向かって祈る彼岸かな(麗子)亜子・静荷
③手のひらの豆腐はじけて彼岸です(えみ)郁子
④空(そら)陸海(りくうみ)際(きわ)望洋と彼岸かな(晴代)佐保子・狗子・佐保子・遅足
⑤母の耳また遠くなり春彼岸(郁子)鳥野・佐保子・亜子・麗子・遅足
⑥思いっきり伸びして薄着春彼岸(静荷)佐保子・すみ・えみ・立雄
⑦彼岸道吾より若き母に逢ふ( 亜子)鳥野・智恵・結宇・晴代・狗子・立雄
⑧盤囲み日がなベンチの彼岸かな(立雄)結宇・晴代
⑨壬生狂言くるまりて見し彼岸かな(佐保子)すみ
⑩添い遂げて彼岸桜の花の下(遅足)智恵・郁子・麗子・立雄
⑪腹くくり彼岸ググりて夜更けゆく(智恵)
⑫彼岸会や馴染みまばらに往き還へり(カエリ)(結宇)狗子
⑬光増し墓も華やぐ彼岸かな(すみ)亜子・郁子・晴代・静荷・麗子
⑭哲学の道に落ちてる彼岸かな(狗子)鳥野・えみ


席題「春の風邪」

①イケメンの声なやましき春の風邪(晴代)狗子・結宇・すみ
②閨(ねや)にきく猫の遠鳴き春の風邪(亜子)すみ・静荷
③春の風邪南画の渓(たに)に納むかな(結宇)亜子・遅足
④春の風邪治り悪しと長電話(麗子)亜子・郁子・晴代・静荷・立雄
⑤春の風邪駅のベンチでうたた寝す(狗子)
⑥春の風邪恋のワクチン頬染まる(郁子)遅足・麗子
⑦春の風邪まぬがれた気がばち当たり(すみ)郁子
⑧ふせておく漱石の本春の風邪(遅足)狗子・晴代
⑨観劇や幕間しわぶく春の風邪(静荷)結宇・麗子・立雄

番外
春の風邪うつらうつらのひと眠り(えみ)
春の風邪籠りてつのる旅心(佐保子)


次回は4月17日(水)午後1時   東鮨
題詠は「春惜しむ」。席題はありませんので、自由題とあわせて2句です。
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これぞまさに彼岸句会   麗

2013-03-21 07:40:03 | Weblog
お彼岸の中日に行われた昨日の句会。
実際にはだれも行ったことのない「彼岸」なので、ある人はGoogleで検索し(これを「ググる」と言います)ある人はお墓参りに行きました。

東日本大震災で亡くなった二万人の方と遺族に心を寄せ、台所でお豆腐の勢いを感じ、どこまでが此岸か境目を探し、久しぶりに会った母の耳がまた遠くなり、やっと春らしくなり薄着で出かけ、将棋を指す穏やかな公園、まだまだ寒い京都壬生。添い遂げた二人。彼岸会に出ていた人もいつの間にかあちらの岸へ渡ってしまい、光あふれる華やいだ墓地。哲学の道の堕落?を詠む哲学的な俳句で締められました。

お彼岸はあの世とこの世を隔てる川幅が狭まりご先祖さまが帰って来易くなるとか、時空が逆転するとか、地獄の釜のふたが開くとかこれだけ聞くとなんだかスピリチュアル色満載で、誰も見たことも行ったこともないのに不思議なことです。

いずれにしても春彼岸は明るくて光が差して春に向かう力があってなかなか面白いお題でした。

席題の方は「春の風邪」と決まりお風邪でダウンのえみさんが欠席で残念でした。
「恋のワクチン」が効くといいのですが。。。お大事になさってくださいね。

それにしても即興の席題はその人らしいありのままが出てなかなか面白かったですね♪ 麗

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