575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

屈み込み金木犀の薫り履く   能登

2016年10月22日 | Weblog
子供の頃、おやつにスルメを噛みました。
噛んで、呑み込むまで、かなり時間がかかりました。
そんな時は、学校であった出来事を反芻していたようです。
あれは、こちらが言い過ぎたのかも・・・など。

しかし、テレビがお茶の間に入ってからは、
自分のうちを振り返る時間が少なくなったようです。
次々と提供される新しい情報に心が移っていきました。
こうして育った世代には、「熟成」という言葉の似合う人は
少なくなった気がします。

          

靴を履こうと屈みこんだ時、どこからか金木犀の香りが・・・
それを薫り履く、と言いとめた句。
この句には、ゆったりと自分を振り返る熟成した味があります。

今年は天候不順で金木犀の開花が遅かったようです。  遅足
コメント
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