575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

林檎句会    麗

2016年10月20日 | Weblog
10月半ばを過ぎても、まだ夏日の名古屋。昨日の句会ではアイスコーヒーを頼む人が多かったです。
では懐かしい味、真っ赤に色づいた林檎、思わず「りんごの唄」まで飛び出した様々な林檎の味が堪能できた実りの秋の句会の一言講評です。

1,包丁の研ぎ方で林檎の切れ味が違います。ミシッとはあまりうまく研げなかったようです。でも香りは抜群。
2,昔は子供だった私が、学校でのことを母に打ち明け、今は母がデイケアの様子などを林檎をはさんで話してくれます。
3,やはり林檎の赤い色には、それがどんなに重くても、持って帰ろうと励まされます。ここで「りんごの唄」がでました!
4,老いという切実な問題をさらっと詠まれた実感の句。その昔、歯磨きのCMがありましたね。
5,人間と林檎の営み。収穫しやすいように脚立の高さに林檎がなっています。簡単そうで難しい描写を見事に言い表しました。
6,途切れないように林檎を剥いていくことに明日に繋がる何かがありそう。下5が少し?という声もあり。「明日へと希望をつなげて林檎剥く」ではいかが?
7,宮沢賢治の永訣の朝を思い出しました。熱のある妹の頬は赤くて。原作にこの難しいりんごの字があるそうです。
8,動物園の象はいつから林檎が好きになったのでしょう?数あるえさからきちんとその長い鼻で林檎をかぎ分けています。
9,介護をしている義母さんの記憶は林檎の色が変わる間しかもたないと。そばにいる方のせつないでも心優しい一句。
10,林檎がイヴを選んで人間に知恵が生まれた?人間は林檎を選ばされたのかも?すべての始まりはそこにあった?
11,学生時代、離れに下宿をされていた時に大家さんが焼き林檎を出してくれたそうです。甘みが焼くことで増して、さぞや美味しかったことでしょう。
12,自然の厳しさ、林檎の不条理を「累々」で表しました。屍になった林檎たち。でもいづれ全ては地に還ります。
13,かじられた林檎はアップル社。落ちた星は三星(サムソン)とは!!ギャラクシーノート7を詠み込まれたとは思いもせず。お見事でした。

いかがでしたか?いろんな林檎の味が楽しめたことと思います。ひとつの兼題でいろんな場面が詠まれるのが句会の醍醐味ですね。
ご馳走さまでした。
来月は「鳥渡る」どんな風景が詠まれるでしょうか?空を見上げて作りましょうね。麗

コメント
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