575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

紫の風ふきぬける花野かな  佐保子

2016年10月03日 | Weblog
紫の風とは?どんな風をイメージされます?
北海道のラベンダーの花畑を連想した方も。

紫は、古代の日本では高い位を表す色とされ、
皇族やそれに連なる者にしか使用を許されなかったそうです。

  あかねさす紫野行き標野行き野守は見ずや君が袖振る

天皇(天智)の蒲生野(かまふの)に遊猟(みかり)したまひし時に額田王の作れる歌。
この紫野という歌にも、紫の高貴なイメージが隠し味になっているようです。
かっては紫色の染料を得るために大切にされていた紫草。
今では絶滅危惧種に指定されているとか。

私は紫というと、どこか不安定な印象が残るのですが、こんな説明も。
紫色は、動の赤と静の青、相反する色が共存しているため「高貴と下品」
「神秘と不安」など二面性をもっています。
場面によって色の性格が変わる複雑な色です、と。
神秘と不安な色と読むと、一句の印象が変わりますね。(遅足)


コメント
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