今日は、色の浮かぶ三句の紹介です。
まず表題の一句は墨絵を思わせる世界といったところでしょうか。景色だけでなく日常生活までも薄墨に染めているという気づきを詠まれました。
千香子さん:街の景色を薄墨色に染めるという句が前にもあった気がします。うっとうしい梅雨がどこか明るく感じます。
須美さん:日常を薄墨塗るという表現が良いと思う。
麗子さん:中七の「薄墨塗るや」が素晴らしいと思いました。梅雨曇のせいで、これまでの日常がなんだか一斉に薄墨で覆われ、どんよりと暗くなっている感じ。「梅雨曇」という季語にぴったりの句だと思いました。「日常を」の「を」が「に」ではどうでしょうか?
泉さん: 梅雨の時期は景色もスッキリしない。
晴代さん:梅雨も大事だとは思いますがずっと続くと滅入ります。
幻想的な美しさととらえるか、気持ちも沈む色のない世界と見るか・・作者の心象が現れるところかもしれません。
梅雨曇老舗の飴の詰合せ 晴代
竹葉さん:梅雨の嫌な気分にいる時に好物の老舗の飴の詰め合わせをいただき、箱を開けて「わぁ色とりどりだわ、嬉しい、梅雨なんて平気!」と言っている光景が浮かびました。
千香子さん:老舗が「あのいつもの色とりどりの」と思い出されて明るい気分に誘ってくれます。
千香子さんはその老舗がどこなのかおわかりのようですが、
鬱々とした気分をアゲでくれる飴はどこの飴でしょう?と作者に伺ったら「榮太樓総本舗の詰合せ」と教えてくださいました。七種の味の飴が一個づつ包装されて一袋になっているとのことで、ネットで見たら色おはじきのようなころんとした可愛らしい飴で納得しました。
気分を変えたいと思うのは同じのようで最後は私の句です。。
梅雨曇庭の差し色赤い花 郁子
竹葉さん:梅雨の暗い色の庭に赤く目を引いてるのは何なのでしょう。。この続きを想像する楽しさを味わいました。
能登さん:ねずみ色の庭に効果てきめんの差し色、赤い花。映像クッキリです。
亜子さん:梅雨曇のどんよりとした中に、赤い花が印象的で慰められる感じ。ただ「差し色」という言葉が辞書にはないのでそこが少し気になりました。(⑦薄墨塗るや)と迷いました。
差し色は辞書にないのですね。ファッション分野の造語かもしれません。小物や靴でアクセントをつける時に差し色と言ったりします。
我が家のうっそうとした庭に、サルビアとサンパラソルという赤い花が加わりました。ガクアジサイの根元を照らすように雰囲気が変わりました。天気図とにらめっこの日が続きます。猛暑と大雨の極端なお天気の繰り返しは、作物、特に土の中の根菜類にがなりのダメージを与えるようです。私たちも温度差に加え驚愕ニュースや感情の揺れに疲れがでて当然ですね。どうぞご自愛ください。 郁子
学生生活を共にした 友人の嫁ぎ先です
飴 と言っても ゼリーの ような 感覚の
飴でした。 懐かしさと美味しさを思い出させてくれました