私的図書館

本好き人の365日

四月一日の本棚 『劇的効果』

2008-04-01 23:59:00 | 本と日常
猫はどうしてあんなに身軽るなんだろう?

こんな実験がなされました。

猫は高いところから落ちても必ず足から着地する。
そして、バターをぬったトーストは、なぜか必ずバターをぬった面が下になって地面に落ちる。(あ~あ、これじゃ拾って食べられないや…)

では、猫の背中に、バターをぬった面が上の状態のトーストをしばりつけたら、どっちが下になって落ちるのか?

何度かの悲劇的な失敗を乗り越え、十数日分にもおよぶ、研究員の貴重な昼食という犠牲を払って行われたこの実験の結果は、まさに驚くべきものでした。

猫は足から着地しようとするし、トーストはバターをぬった面を下にしようとする。

どちらもゆずらず、激しく回転する両者!

そしてついに我々人類は、重力を制御する方法を発見したのです!!

…さて、四月一日の本日、ご紹介したい本は、、この奇想天外な論理と理屈で世界が成り立っている、破天荒でムチャクチャだけれど、なぜか一本筋が通っているような気もする、フール・エイプリルの貴重な一冊、*(キラキラ)*『劇的効果』*(キラキラ)*です☆

宇宙船の動力は猫?

光線銃は修正液!(それで少し前の文章から活字を直接消してしまう!!)

私生活をバラすぞと本の中から”作者”を脅し、物語の結末までも、終わりのページまで行って見て来て(正確には読んで来て)しまう主人公達!!

絶対的なピンチになっても「主人公が物語の途中で死ぬもんか」と脱出方法は作者まかせで、アイデアが出るのを寝て待つ始末。

自分たちが物語の主人公で、紙のページに印刷されたインクの存在でしかないことをいいことに、もうやりたい放題☆

お姫様はかどわかす。
お金は大量偽造。
役人には社保庁問題をふっかけ、東海道を物見遊山。

大人たちがそんな不真面目な態度なので、一人真面目に物語を進行しようとする少年がとってもけなげ!

しゃべるネズミをお供に、孤軍奮闘の活躍です♪(報われないけど)

しかし、実は彼にはとんでもない秘密が隠されていて…

物語は過去とも未来ともとれない世界で、その世界の秘密を解き明かそうとする一人の少年と、親の仇を捜す若者、そして奥さんに頭の上がらない妙な男が、立ち寄った様々な町で騒ぎに巻き込まれていきます。

この宇宙の真理を知るというトウェルブ・シスターズ。
シリウスの輝きに導かれた二匹の狼。
宇宙船。
モンスター。
宮廷の策謀に許されぬ恋の行方。

果たして本当に結末はあるのか?

猫がトーストを食べてしまうことはないのか?

どうなるのか先がまったく見えない、だからこそ面白い、そんなお話しです☆




フール・エイプリル  著
レムリア文庫