私的図書館

本好き人の365日

愛国心

2006-11-16 23:59:00 | 本と日常
教育基本法の改正案が衆議院本会議で可決されましたね。

改正したら何が良くなるのかよくわかりませんが、国を愛する国民を作るより、国民に愛される国であって欲しいな。

あるTV番組で、「どうやって愛国心を教えるか?」みたいな取り組みを紹介していましたが、そこに登場した先生が、他の国と比較して、「日本は四季があるから美しい」と子供たちにしゃべっていたのには驚きました。

後の検討会で、他の先生からちゃんと批判も出ていましたが、こんな風に教えるのであればやめて欲しい。

その先生は、富士山の写真を子ども達に見せて、四季の美しさを強調していましたが、夏目漱石の小説、『三四郎』に出てくる「日本は滅びるね」とうセリフをその様子から思い出してしまいました。

四季のない国の自然だって美しいし、四季がなくたって日本の自然は美しい。
日本がたとえ南極みたいな気候になっても、そんなこと関係ない。
だいたい他の国と比べて、だから日本はこんなにも素晴らしいと教えるより、お互いの国を尊重することを教えて欲しいなぁ。

今の学校って何を教えているんだか。

「富士山は美しい」と教える暇があるんなら、実際に富士山に連れて行けばいい。
うちの会社のタイ人の女の子たちが富士山に行って、「富士山は汚い」と感想をもらしたように、ゴミだらけの富士山を子供に見せる方が、よっぽど教育なんじゃないのかな?

富士山をただ眺めて「美しい」と言っている人と、「汚い」と言ってキレイにするためにゴミを拾っている人と、いったいどちらが富士山を愛していると言えるんだろう。





【愛国者】=政治家には馬鹿みたいにだまされ、征服者には手もなく利用される人間。



             ―A・ビアス「悪魔の辞典」より―