インドで作家業

ベンガル湾と犀川をこよなく愛するプリー⇔金沢往還作家、李耶シャンカール(モハンティ三智江)の公式ブログ

マサラバンド(菊水庵便り6)

2016-10-07 16:43:01 | 私の作品(掌短編・エッセイ・俳句)
昨夜、久々にチリ産白ワインを半瓶開けた。
つまみは、少し遠いスーパーで買った惣菜パックのきんぴらごぼうに、金沢産はんぺん、カマンベールチーズ、うめぼしなど。これまでチリ産ワインは何度か免税店で買って外れが多かったので、疑心暗鬼だったが、辛口でシトロン風味で飲みやすく、悪くなかった。

きんぴらが近くのスーパーのより俄然美味しくて大当たり。たまにはスーパーを変えてみるのもいいものだ。

BGMは無論、アルフィー。というわけで、緊張が取れて昨夜はぐっすりよく眠れた。

今朝は、アルフィーの三十年来のベテランファンであるYさんからお借りしたアルフィーのアルバム集をめくった。1986年の東京ベイエリアでの伝説の十万人コンサート編もあり、興味深い。

アルフィーは観客の反応がいい、大阪を贔屓にしていることも関連書で知った。
どおりで、琵琶湖ホールのチケット(11月13日)がとれなかったわけだ(京都在住の友人に頼んだが、秒速完売だった)。

アルフィーが大阪人に受けるというのは、なんとなくわかる。

ふっと思ったのだが、音楽のジャンル問わず、なんでもこなしてしまうごちゃまぜバンド、アルフィーはマサラムーヴィーにのっとって、マサラバンドとはいえないだろうか。

マサラムーヴィーの愛称で親しまれるインド映画は(ボンベイを本拠地とするヒンディ映画はハリウッドをもじってボリウッドと称される)、ロマンス、アクション、コメディ、ミュージカルなんでもありの、スパイス各種混合のマサラ(カレー)粉ばりのごった煮ムーヴィー。奇想天外だが、超娯楽大作はめちゃ面白い。

マサラバンド・アルフィーは、バラード調ラブソング(ロマンス)、ハードロック(アクション)、MCコント(コメディ)と、フォーク、ロック、ポップス、演歌とジャンル問わずオールマイティ。その無節操な面白さは、インド映画に通じるし、観客の熱狂的な反応も似ている。インド人は、スクリーン(口パクのミュージカルシーンが全編中に7-8シーン汲み込まれる)を前に椅子で踊り出すのである。

若いころ東京一辺倒だった私もこのごろ、関西の面白さに目覚め、二年ほど前、知人に大阪を案内してもらったときには、すっかりファンになってしまった。大阪って、こんなに面白いところだったんだと、目からうろこ、だからインド人にこの地が人気なのもわかるし、一度旦那も大阪に連れいかねばと思っている昨今なのである。

人間臭いというか、大阪はまさしくアジアである。

無節操でめっぽう面白いマサラバンド、アルフィーが受け入れられるのも当然である。
音楽だけでなく、漫才もやってくれるしね(しかし、コミカルバンドと侮るなかれ、音楽性は高く、愛や平和、夢を届けるメッセージソングも琴線に触れる)。

なんというか、やはり、インド在住の私がアルフィーと出遭ったのは必然的、運命と思ってしまった次第だった。
コメント
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