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「家忠日記 二」を読む 11

(夕陽の模様)

デジカメのいたずらだろうか、今日の夕陽には八つの幻日の模様があった。

今年は思い付いたら、俳句らしきものを記してみる。取り敢えず、昨夜の一句。
     春一番 老犬ムサシ いびきかく

夜中の風呂上がり、外は春一番が荒れている。ダイニングでは、ムサシのいびきが微かに聞こえている。

「家忠日記 ニ」の解読を続ける。

 天正八年(1580)辰三月
同廿日 庚申 大坂堀、取出普請候。
同廿一日辛酉 同普請候。
同廿二日壬戌 同普請候。
同廿三日癸亥 巳刻より酉刻まで雨降り。
       同普請候。
同廿四日甲子 同普請候段、家康肴(さかな)給り候。

同廿五日乙丑 相坂取出(大坂砦)普請仕掛け候て、中村取出へ越し候。普請候。
※ 中村取出(なかむらとりで)- 掛川市中。中村砦は高天神から南東へ3キロの地点にある。

同廿六日丙寅 土用の入り。同普請候。酒左より‥‥越し候。
同廿七日丁卯 同普請候。
同廿八日戊辰 中村普請出来候。亥刻より雨降り。
同廿九日己巳 相坂、中村の中に取出候て、普請候。


 天正八年(1580)辰閏三月
 閏三月大
同一日 庚午 相坂田中、手分にて普請候。同雨降り。
同二日 辛未 また相坂普請候。
同三日 壬申 同普請候段、家康樽(酒?)給い候。
同四日 癸酉 また家作候え由候。水野宗兵衛殿より鷹鴨越し候。
※ 水野宗兵衛(みずのそうべえ)- 水野忠重。兄弟に於大の方がおり、徳川家康の叔父にあたる。徳川二十将の一人に数えられた。
※ 鷹鴨(たかがも)- 鷹狩の獲物の鴨。

同五日 甲戌 家作候。酉時より雨降り。
同六日 乙亥 申刻まで雨降り。普請休み。
同七日 丙子 また堀普請候。
同八日 丁丑 陣家城へ届け候。


諸普請を終えたのであろう、家康の陣(馬伏城であろう)へ帰国を届けたということか。

同九日 戊寅 吉田まで帰陣候。
同十日 己卯 深溝まで帰り候。
       会下へまいり候。
同十一日庚辰         いやみ
同十二日辛巳           

同十三日壬午 中嶋へ茶仕りに越し候。


「茶」という字が判然としないが、閏の3月13日は太陽暦の4月26日に当るというから、みる芽ながらお茶が摘めたと考え、「茶」と読んだ。お茶を摘んで加工しに行ったのであろう。この後、「茶」がもう一度出てくる。当時のお茶は釜炒り茶だったと思う。

同十四日癸未 岡崎より松崎伊東殿、越られ候。
同十五日甲申 崇福(寺)にふる舞いにて越し候。


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