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菅政権の危険なダッチロール

(散歩道の白色アガパンサス)

政治のことはしばらく書かないようにしようと思っていた。日本の危機に対して、外野席にいて、何やかや無責任に批判するのは止めようと思った。復興までの推移をしっかりウォッチングしていようと考えていた。

今日、久し振りに国会の中継を見ていた。片山さつき議員が質問に立って、総理とやり取りしていた。質問に対して、答弁はしどろもどろで、片山議員でなくても、答弁の態をなしていないと思った。

質問をしていたのは、菅総理が突然に言い出した原発のストレステストについて、ストレステストに通らない限り原発は再稼動しないという細野原発担当相と、ストレステストは必ずしも再稼動の条件ではないという海江田経産相との発言にくい違いがあり、何が正しいのかと聞いていたのだが、菅総理の答弁は発言した本人に聞いてくれという、トンチンカンというか、質問者を小馬鹿にしたとしか言いようのない答弁であった。

それもそのはずで、菅総理自身、一昨日辺りにストレステストというランプが頭に灯り、受けをねらって、あるいは政権の延命のために、言い始めたことなのであろう。それを再稼動の条件にするのかどうか、それによって日本の電力事情がどうなるのか、新たに手当しなければならない予算がどの位必要なのか、などなど、山ほど検討すべき課題があるはずで、幾ら総理に権力があっても、裏づけになる法律が整備されなければ出来ることではない。

菅総理の大きな勘違いは、総理大臣になれば何でも自分の言いなりになると思っているところであろう。日本は法治国家であって、いくら総理の発言でも、実施するための法律を国会が通さない限り、何も実現しない。それ以上に重大なことは、首相の発言一つで重要な作業が停滞してしまうことである。例えば、原発事故の初期段階で、菅総理の慌てふためいた言動が、迅速に行なうべきベンドや海水注入の作業に影響を与えたという疑念は、未だに晴れていないことである。

一昨日まで、海江田経産相が玄海原発の再稼動について、地元との話し合いを持ち、再稼動の方向で進めていた。ところが、菅総理の一言で白紙に戻ってしまった。話を進めていた海江田経産相、佐賀県知事、玄海町長などは、梯子を外されたことになり、怒り心頭だと思う。一度こじれてしまうと、元に戻すのは非常に難しいことを、沖縄の基地移転問題での鳩山前首相が犯した過ちで、十分学習したはずではなかったのか。海江田経産相は辞意の意向を示しているが、よく我慢していると思う。

菅総理がやっていることは、傷だらけの日本号を墜落させかねない、意図的で危険なダッチロールを繰り返しているように見える。とにかく、与野党の政治家たちが、一日も早く菅総理を操縦席から降ろさなければ、恐ろしいことが起きるような気がしてならない。
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