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三日連続30kmを越す

(室戸岬)

お遍路10日目 5月16日(土)歩数49753歩-距離30.8km

今日の予定は、ロッジ室戸岬-3.2km-24番最御崎寺-6.5km-25番津照寺-3.8km-26番金剛頂寺-19.7km-ホテルなはり、のコースである。

三日連続の30km越えである。歩く距離、30kmと聞いてももう驚かなくなった。しかし、三日続くとさすがに身体に響くようだ。今日の30kmは、最御崎寺(標高165m)、津照寺(標高30m)、金剛頂寺(標高165m)と、それぞれ高台にあって、登り降りが余分である。


(夕暮れの山越え)

思いもしなかったのは、最後の最後になって、最高標高110メートルのいくつかの尾根を越えていく山越えが残っていたことである。12番焼山寺の最後になって登り返しがあったが、それに次ぐショッキングな状況であった。昨夜、宿で一緒になった福島の人は、同じホテルに泊まる予定にしていたが、自分より30分ほど遅れていた。その山から下ったところへバスが来て、手を上げたらバス停でもないのに止まったので、そこから5kmほどバスに乗ってしまったという。もう5時も回りかなり疲労していたのだろう。今までずっと歩いてきたのに、残念であったに違いない。私が歩いているのをバスで追い越して、歩く姿に後光が射していましたと語った。毎日、30キロを歩き続けるのはかくも大変なことなのである。

さて、今日はたくさんお接待を受けた日である。宿を出ようとすると宿の少し耳の遠いおばあちゃんが大きな夏みかんを出して、途中で食べなさいとくれようとした。昨夜の夕食にスライスしたものが出て、とてもすっぱかったのを知っていたから、申し訳ないけど荷物が重くなるので、と受け取らずに出てきた。断るべきではなかったと悔いが尾を引いた。

最御崎寺を車道を下っていると、後ろから来た車が止まって、窓から女性が「お接待です」と森永チョコレートの小枝を一箱くれた。金剛頂寺から山道を下ってくると、手の届くところにうまそうな枇杷がたくさん生っていた。福島の人は前の日に一つもいでいただいたという。だめじゃないですか、お大師さんが見てますよ、とからかうと、農家出身だから子供の頃は手の届く実は子供たちが取ってもよかったと胸を張った。そんなことを思い出しながら下ってきた。どこかに無人販売でも無いだろうかと考えていると、お遍路さんどうぞと農家のおばさんが大きな枇杷を二つくれた。買わなくて済んだ。吉良川地区では町並み保存の取り組みがされている。見学しながら歩いていると、トラックの荷台の移動食品店のおにいさんが、お遍路さんお接待、と小夏というみかんを二つくれた。これはこの地方の名産で甘いよという。早く食べてみたいと思った。

先ほどからお腹が空いてうどんでも食べたいと、思っていると、横丁にべっぴんさんの店というのがあり、うどんもあるという。地域のご婦人たちが町興しでやっているお店らしい。良く来てくれたと、先ほどの小夏が皮をむいて出された。他にも枇杷やデコポンのようなみかんも一緒に出てきて、お接待です。

その先で熟成トマトの無人販売があり、買ってみたいと思ったが、五つ六つ入っていて、荷物になると断念した。すると間もなしに、農家のおばあちゃんに道路の向かい側から呼び止められ、お接待ですと、よく熟れたトマトを一個戴いた。

思い描くと怖いほど次々に実現していく。先ほど町興しのうどん屋さんで次々に出てきて話し相手をしてくれた中に、お大師さんに本当に信仰心を持っているおばあちゃんがいて、あれもそれもこれもみなお大師さんのおかげと話していた。それどころか、みんなでバスでお遍路をしていて、お大師さんの御姿を見たとも話していた。そのおばあちゃんに言わせれば、みんなお大師さんの御計らいなのであろう。

飯はいつもよりたくさん食べ、ほとんど完食しているのに、お風呂で見ると少しやせたように見える。今日はビジネスホテルで夕食、朝食とも少し豪華にした。しかも明日は雨模様だから、20kmほどの歩きに減らそうと思う。朝も少しゆっくり出ることにしよう。頑張ったのであと残り3日で高知市内まで行けそうな状況になってきた。
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