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「赤福」の行方

(夕焼けがきれいなのは空気が濁っているというが)

「赤福」の製造日改竄事件はその後も広がりを見せている。どこまで続く泥沼であろうか。誰も赤福を食べてお腹を壊した訳でもないし、古くてカビが生えていたわけでもない。この事件には直接的被害者はいない。にもかかわらず、ここまで叩かれる。「赤福」の社長さん、苦労なしに老舗を引き継いだぼんぼんのように見えるが、毎日引きずり出されて頭を何度も下げて、気の毒になってしまう。

この事件、製造日についての管理が余りに杜撰といえばその通りなのだが、無期限営業停止に当るほどのことなのだろうか。製造日の改竄は何十年もやってきたことだと思う。もともと食品に製造日を入れるようになったのは何時からであろう。おそらく「赤福」はそれ以前から営々と商いを続けてきた。食品の衛生管理面ではトップレベルを維持してきて、その結果、何百年もお伊勢さんの門前で商いが続けてこれたのだと思う。歴史の新しい新参の法律が何を言うか。そんな感じで経営がされていたのではないだろうか。保健所だって衛生面では問題なしと永年保証してきたのではなかったか。

一昔前なら、その通りであった。摘発されても指導ぐらいで大事にはならなかった。しかし、時代が変っている。雪印、不二家、白い恋人、ミートホープ、赤福、比内鳥、こんな風に並べてくれば、今、行政が何を目指しているか、理解しない方がおかしい。摘発される前に徹底した製造日管理に手が打てておれば、たとえ何十年改竄をやってきた事実があからさまになっても、これだけの大事にはならなかった。

今、行政には余裕が無くなっている。それだけ追い詰められている。行政が永年いい加減に手を抜いてきたことが、今、一斉に糾弾されはじめてきた。追求の矢を逸らすためには、違反業者を出来るだけセンセーショナルに摘発し、厳罰に処することである。だから摘発された業者はいずれも業界では目だった存在であった。泡沫な業者を摘発してもニュースにならない。「赤福」は危機管理に失敗してその餌食になってしまった。マスコミもまんまと行政の策にはまって、手抜行政への糾弾の矛先が鈍ってはいないだろうか。毎日のような過度の騒ぎ方を見ていると違うんじゃないかと思う。

「赤福」はうみはすべて出し、早く販売を再開して欲しい。お伊勢参りのお土産から赤福を外すことは出来ないのだから。駅で赤福を土産に買うつもりが、無くて「御福餅」を買い、「御」をボールペンで消し「赤」と書いて、これで赤福だと面白がっていた若者がテレビに映っていた。赤福のファンがたくさんいるのだから、是非とも問題を速やかにクリアして生産を開始してもらいたい。だって自分も赤福が食べたいのだから。
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