平成18年に60歳を迎える。六十と縦に書くと傘に鍋蓋(亠)を載せた形である。で、「かさぶた(六十)日録」
かさぶた日録
缶詰がいまドレンディ
会社の行き帰り、それぞれ20分間にカーラジオから得られる情報には大変興味深いものが多い。先日も帰りのカーラジオで今都会では缶詰が復活し、売れ始めていると紹介していた。
事の始まりは、メーカーが防災グッズとして、手軽でもっと暖かいものが提供できればと、おでん缶や焼き鳥缶を出していたものを、立ち飲みバーなどで安直な肴として出したところ、大変人気を呼んだ。これはいけると目をつけ種類を増やしてきた。店での販売もしたところ、平日で1000缶、日曜日には倍以上の売上があった。
それに目をつけて、全国からネットで取り寄せた缶詰を出してくれる缶詰バーも出来ている。バイトの娘(こ)でも変わらない味の物が出せるし、待たせることがない。なんと言っても値段が安い。缶詰を開けるだけだから当然である。缶詰も今は引っ張れば開けられるタイプが主流だから開けるに手間は掛からない。なかなか発想がユニークである。歳の人は懐かしく思い、若い人の目には新鮮な食品として映る。今出ている缶詰は味がたいへん工夫されていて高級料理並みに美味しいという。大ブレークした所以である。
自分の年代、子供の頃は缶詰ってご馳走だったと思う。サバの煮つけを食べると骨を出すのがけっこう面倒で、サバ缶の骨が柔らかいのは何とも不思議だった。長じて故郷を離れ、間借りの部屋で小さな炊飯器に茶碗2、3杯分のご飯を炊いた。今のようにコンビニもマーケットもない時に、手の掛からないおかずは缶詰くらいしか考え付かなかった。サンマの缶詰を買って来て飯を食べた。たったそれだけの食卓だったが、インスタントラーメンよりもかなりレベルの高い食事だと納得した。
最近になって味が忘れられずに、女房に付き合ってマーケットに行き、思い入れの缶詰を探すが、あるのはカニ缶、ツナ缶、フルーツ缶くらいで、あれだけ種類のあった缶詰がいつの間にかマーケットから駆逐されていた。
ラジオでは、今はネットを利用すれば全国各地から美味い缶詰を手に入れることが出来ると話していた。今はネットで買えばいいのか。さっそく調べてみよう。
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