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安倍政権、参院選の大敗

(赤城農林水産大臣を更迭)

安倍政権が出来て初めての国政選挙である参議院選挙がこの日曜日にあった。結果は自民党の大敗北で終った。評論家の大半が予想した結果であった。今回の参院選挙の情勢分析は大変やりやすかったのではないだろうか。そういう情勢であることを理解しなかったのは安倍首相だけだったのかもしれない。

テレビで誰かが言っていた。小泉前首相は自民党をぶっ潰すと言っていたが、潰したのは実は自民党の支持母体であったと。小泉政権の時は、自民党の支持母体はぐらついていても、小泉人気で無党派層の票をかき集めて、各々の国政選挙に勝利してきた。しかし安倍首相には小泉前首相のような人気が無い。にもかかわらず、政治手法は小泉政権を引き継いでしまった。選挙に勝つためには崩れかけている支持母体の立て直しこそがやるべきことであった。

日本の有権者は大変思慮深いから、安倍政権が進めてきた国民に負担を強いる数々の政策に、かなり理解を示し、止むを得ないと考えていた。しかし、国民に負担を強いながら、その一方において、自分たちの利権を守るのに汲々としている政治家や官吏、サボタージュに近い社保庁の仕事振り、何の緊張感も無い閣僚の発言、国民を欺く政治資金使用報告などを、これだけ次々に見せられると、さすがに怒り心頭に達する。しかも悪いことは安倍首相がそれらを概ね擁護する側に立ったことである。

いまや安倍内閣は“死に体”になった。おそらく今後いかなる政策もまともには実行できない内閣になってしまった。そうなれば次の総選挙では与野党逆転が起きるのは確実だと思われる。与党も早急に政権交代を図らなければ、次の総選挙に体制立て直しが間に合わなくなる。反対に野党は安倍内閣の打倒を声高に唱えなくても、放って置けば政権が熟して落ちてくるであろう。

8月1日、安倍総理はバンソウコウで一躍有名になった赤城農林水産大臣を更迭した。しかし今さら更迭しても支持率が戻るものでもあるまい。赤城氏は一貫して法律は守っていると主張していた。しかし有権者からは理解が得られなかった。赤城氏が守っていると主張する政治資金規正法が、そもそも、永田町の常識をもとに、お手盛りで作られたもので、世間の常識からは全くかけ離れたものだったからである。赤城氏はその事に気付いていないのか、あえて気付かないふりをしているのか。
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