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VILLA雨畑-すず里の湯-

(離れになった「すず里の湯」)

東海道由比宿交流館を後にして、山梨に向かう。興津に戻って国道52号線を北上するのもいいが、由比まで来ているから蒲原から富士川沿いに進み、山梨県の南部町で国道と合流する道を選んだ。

途中、立ち食いそばのS亭に入る。いつだったか、山登りの帰りに立ち寄ったことがあった。あの時は確か店員がブラジル人だったように記憶し、外国人労働者がこんな分野まで来たかと感慨深く思ったことを思い出した。今日はおばちゃんが二人で営業していた。

桜海老のかき揚げそばを頼んだ。値段が400円と安い。しかし、出てきたかき揚げが一見して桜海老ではない。桜海老より小さくて赤い。昔、お土産でもらった干しえびがこんなえびで、「小えび」と書いてあった。良く見ると申し訳程度に桜海老らしき大き目のえびも混ざっている。「これは桜海老じゃない。これなら少し高いけど鐘庵の方がいい。」と小声で言う。メニューに偽りありで、よく聞いていると、おばちゃんたちの口から「桜えび」という単語は終ぞ発せられなかった。いわく「えびのかき揚げそばできました!」

国道52号線に出て、道の駅富沢に立ち寄った。そこで「奥山温泉」のパンフレットをもらい、この次来るときには奥山温泉にしようと思った。今日の温泉は、身延より先で早川町から15分ほど入った雨畑湖のそばにある、早川町で経営する「VILLA雨畑、すず里の湯」である。

温泉案内を見ながら女房は設備が何もない温泉だよという。そんなことはない、ネットではしっかりした温泉だったと思う。フロントで料金500円を払い、案内されたのは内庭の先、離れのようになった温泉施設で、右側の女湯と左側の男湯が別棟になっていた。男湯には誰も入っていなかった。温度が少し違う湯舟が二つ、底の黒いタイルが当地特産の硯石を模しているのだろう。あぶない。湯船の底がぬるりと滑った。温泉の成分が底に溜まっていた。


(「すず里の湯」の湯船)

最後まで誰も入ってこなくて、ゆったりと貸切であった。フロントではお風呂は3年前に新築したといっていたが、3年前ではなくて4年前で、女房が見ていたのはその前の情報だったようだ。女湯にはヒノキの露天風呂、リラクゼーションルームも併設されて、さらに立派だったようだ。ただ湯舟が浅くて身体を横にしないと肩まで浸かれないのが玉に傷である。おそらくこの温泉は女性客の方が多いのだろう。ただ女湯の方も出る頃になっておばちゃんが一人入ってきただけだったという。

町営だからすぐにどうこうはないだろうが、こんなに空いていて大丈夫?と心配になった。自宅の近回りの芋を洗うような温泉に比べれば贅沢な温泉であった。「すず里の湯」が34湯目の日帰り温泉である。
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