獲得された絶望感(盲人ウエカジ公式ブログ)

~網膜色素変性症と司法試験とモー娘。と・・・~

「ユリゴココロ」 を読んだ。

2012-01-08 14:18:10 | 雑感
 3連休1日目

 現場がない連休。届いた年賀状をみると去年なかった名前が増えている賀状が何枚かあった。子供がうまれたとのこと。網膜色素変性症な私デスペア。視野狭窄と視力低下が進行している私の目では去年なら容易に読めていた賀状の文字が見えなくなっている。そして暖かな理想的な家族写真も把握できにくくなっている。

 未婚のアラフォー女性にこんな年賀状は送ってはならないとよくいわれるが、私はこういう年賀状はうれしいね。

 人は子供のころからずっと世界は自分を中心にまわっていると感じている。それは大人になても変わらない。ただ大人になるとそうは考えずに世界は自分がいなくなるとこの余もなくなると置き換える。人は自分の経験したことでしかその世界を把握できない。

 おそらく結婚もせずに子供もいない私には「わが子のいる世界」とぃうのは存在しないのだろう。年賀状を見てもそこにいるやさしいパパを自分に置き換えたりはしない。だけどアラフォー女性はそこにいるママを自分と置き換えてジェラシーというか自分の足りなさを痛感するのだろう。

 今日の朝は0830に起きた。特に用事もないので横になったまま、昨日読みかけのデイジー図書をプレクストークで読む。小説「ユリゴコロ」

 週刊誌で2011年のおすすめの小説としてあがっていたので読んでみた。

 猟奇的な快楽殺人の話なのだが、なぜだかラスト付近では涙がとまらなかった。読み終わった後も椅子にこしかけて真っ暗な部屋ですこしぼーっとしていたほどだった。

 「家族のいない世界」「わが子のいない世界」の住人である私にとって、賀状の中の家族写真は別世界だけど、小説「ユリゴコロ」はその別世界にワープさせてくれる。

 賀状の中の家族もユリゴコロの中の家族も私にとっては別世界なのだけど、賀状を見ると自然と笑みがこぼれ、ユリゴコロを読むと涙がとまらない。

 「家族のいない世界」「わが子のいない世界」の住人であるあなたにおすすめする小説「ユリゴコロ」。おすすめします。

 ただし、あなたが家族写真の賀状をみて涙が流れるのであれば、ユリゴコロは必要ないでしょう。賀状がすでに別世界へワープさせてすでにあなたにカタルシスをあたえているのですから。

p.s.
「ユリゴコロ」はBerryz工房の熊井友理奈の最新写真集のタイトルではありません

 

 

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