発声を科学する

2020年12月15日 | 日記
4月にご縁を頂いて以来、折々に個人的にお世話になっているY氏をお招きして、2日間に亘ってうちの生徒さんたちのための特別レッスン会を開催しました。今回の主たる目的は、私自身の「教え方の抽斗を増やす」ことで、生徒さん方にはそのモデルになって頂いた、という形です。
Y氏は私より一回り以上お若い、気鋭の指導者です。日本にこういうタイプの声楽発声指導者がいることを、とても頼もしく思った2日間でした。
それではクイズです。
Q1.呼吸の機序は、以下の2つのうちどちらが正しいでしょうか。
A. 肺が膨らむと、横隔膜が下がる。
B. 横隔膜が下がると、肺が膨らむ。

Q2.次の2つのうち、円唇で発音する母音はどちらでしょうか。
A.ア、エ、イ
B.オ、ウ

Q3.次の2つのうち、吸気筋はどちらでしょうか。
A.腹直筋、内転筋、骨盤底筋
B.横隔膜、外肋間筋、大胸筋

Q4.声はどこで共鳴するでしょうか。
A.胸腔、腹腔
B.口腔、鼻腔、副鼻腔、咽頭喉頭腔

答えはすべてBです。
わかっているつもりでも、改めて訊かれると「あれ?」っと思ってしまう方も多いのではないでしょうか。
理屈は二の次、という考え方もあると思いますが、何であれ技術を身に付けようと思えば、「何のために」という目的を理解し、練習の方法が理に叶っているかどうか、自分にとって効果的がどうかを常に確認することが大切だと思います。
骨格や筋肉、臓器などは基本的に皆同じですが、ウィークポイントや癖は人によって様々です。つまり発声技術を身に付けるには、誰もが習得すべき基本的なものと、その人の今のレベル、今の状態で特に必要なものを、できるだけ合理的にシステマティックに練習するのが早道、ということですね。
ですから、レスナーは抽斗をたくさん持っている必要があるわけです。

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