体を開く

2011年11月21日 | 日記
私たちの業界用語の一つに「体を開く」という言い方があります。「もっと体を開いて!」とか、「ああ、今日は体が開かない...」というように使います。
これが何を意味するか、私は長いことよくわかっていませんでした。以前は「心を開く」ことと混同していた(つまり精神論としてとらえていた)こともありました。しかし「体を開く」とは、いろんな説明の仕方があるでしょうが、現在の私の理解では「インナーマッスルを中心に内側から体を動かして、体の表面積が拡がるようにすること」で、現象面だけ見れば完全に身体レベルの話です(もちろん、体が動く時に心理的な動きが伴うことは否定しません)。
今日、障がい者福祉サービス事業所のヴォイトレで「小さい秋みつけた」の練習をした時、一番最後の「ちいさいあきみーつけたーーー」の「たーーー」と伸ばすところの音程が高いので、皆さんそこでリキんでしまって体が縮むようでした。喉も詰まっています。そこで、その部分だけ大きく伸びをしながら声を出してもらったところ、それまでとは打って変わってスーッと空間に広がる良い響きに変わりました。こういうことを(少なくとも私は)「体を開く」と表現しているのです。そうそう、その声です、と何度か繰り返して練習しました。そこだけ取り出して練習するとできるのですが、前の部分から続けて歌うとうまくいきません。コントロールが難しいのです。でも、良い時の感じはつかめました。
夕方、小4の姪のピアノのレッスンの時に、姪が「明日の地区音楽会で合唱をするんだけど、歌い過ぎて声がガラガラになっちゃった。どうしたらいいか教えて。」と言うので、ちょっと歌ってもらいました。確かに高音部がかなりハスキーになっています。どうやらこれまで喉だけで歌っていたようです。「高い音のところで、足のつま先をトウシューズを履くような形にしてお腹の下の方をぐっと引いてごらん」と言うと、ガラガラだった高音がきれいに響きました。見ていると、足のつま先とお腹に力を入れる瞬間、体がゴムのようにぐーんと伸びています。なーるほど、と妙に納得してしまいました。子どもの小さな体は、筋肉の動きが手に取るようにわかって面白いですね。

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2 コメント

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子供に帰りたい。 (ドレミファそら豆)
2011-11-26 20:22:49
初めまして。
初めてコメントをするIさん(?)です。
私は「ドレミファそら豆」と言うハンドルメームでブログにコメントを送っています。
よろしくお願いします。

そうなんで~~す。
頭ではわかっていても体が反応しない時が多々あります。
子供はス~~っとできるのでしょうね。
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Unknown (吉田)
2011-12-10 12:28:19
そら豆さん、コメントありがとうございます。「体を開く」のは本当は自然にできるはずのことなんです(「野性の証明」にも書いたとおり)。子どもには自然なことが自然にできるのに、それが大人になるとできなくなる、というのもまた必然の成り行きでして(笑)、アタマとカラダの分離は大人になるということの一側面かもしれません。それを何とか統合しようとしているわけですね、歌を通して。とどのつまり、私たちは何になるんだろう??
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