のりぞうのほほんのんびりバンザイ

あわてない、あわてない。ひとやすみ、ひとやすみ。

「美しい人」までの距離。

2013年08月27日 22時34分22秒 | 備忘録
CMや広告のキャッチコピーを見るのが大好きです。
本の帯のコピーを読むのも好き。
本は何度も繰り返し読んで、あー!やっぱり我が家にいてほしいわー!と
我慢できなくなった子だけを引き取らないと、際限なく増えていくので
ジャケ買いしたことは皆無ですが、ついつい帯買いしたことはあります。

毎年各文庫がこぞって出す「夏の100冊」フェアのブックレットも大好きですが。
今年の新潮文庫は「ワタシの一行」という新企画を打ち出していて、
ブックレットを3回ぐらい読み返しました。

----- ワタシの一行 ---------------------

  本を読んでいると、ふと、
  ある一行に心をつかまれることがある。
  涙をさそう一行があり、
  誰かに語りたくなる一行がある。
  ときに一生を変えるような一行がある。
  同じ本を読んでも、
  読む人によって、読む年齢によって、
  心にひびく一行は変わる。
  そこが本のおもしろいところ

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というコンセプトのもと、ブックレットに並べられるそれぞれの本の中のとっておきの一行。

・ぼくが怖いのは変わることだ。/4TEEN(石田衣良)
・繋ぎ留めておきたい、この時間を。/夜のピクニック(恩田陸)
・裏切って卑怯者になるよりずっといい。/月の影 影の海(小野不由美)
・笑わないんじゃない。笑えないんだ。/エイジ(重松清)

1行の力強さがものすごい。
選りすぐりの1行を読むだけで、胸が熱くなります。
それぞれの本から選ばれた一行には、映画の予告編と同じ魔力が潜んでいる。
映像に負けない力強さを持っている言葉に改めて心打たれていたところ
晩夏の博多駅にてこんなキャッチコピーを見つけました。


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     美しい人は、

     ちゃんと眠る。
     ちゃんと起きる。
     ちゃんと食べる。
     ちゃんと泣く。
     ちゃんと着る。
     ちゃんと恋する。
     ちゃんと忘れる。

    とか言われなくても、
    ちゃんとそうする人。

      私らしく、
      博多らしく。

   美しく、生きていく。AMU

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動揺。
メッセージが力強すぎて、思いっきり動揺しました。
でもって、さすがキラキラ女子がたくさん集う商業ビル。
と、納得しました。
道理でまぶしいわけだわ、と嘆息しました。

私なんて「ちゃんとする。」「ちゃんとがんばる」「あしたから。」
と言い聞かせて、言い聞かせて、言い聞かせても全然ちゃんとできたことないのに。
「美しい人」は、そんなこと言われなくてもちゃんとそうするんですって。
すごい説得力。すごい敗北感。

あ、そゆことね。
と、ちょっぴり物悲しい気持ちを味わいました。

「美しい」からほど遠すぎる。
全然、たどり着ける気がしません。