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のりぞうのほほんのんびりバンザイ

あわてない、あわてない。ひとやすみ、ひとやすみ。

誰の影響でしょう

2007年06月11日 21時51分57秒 | 日常生活
昨日、母親と電話で話をしていると、なぜかいつものように
「もっと優しい人になりなさい」
という説教されていました。

「もっと優しい人になりなさい。」
「もっと柔らかい人になりなさい。」
はここ数年の母上の口癖です。
どうやら社会人になってふてぶてしさに磨きをかけつつある
のりぞうに、母上は大きな危機感を抱いている模様。

昨日も
「もう、頼むけん、優しくなって。
 優しい人だけを見るようにして。
 周囲の人たちのいいところを見習って。」
と、口をすっぱくして言われておりました。

あぁ、もう分かった、分かった。
優しくなる、なる。頑張る、頑張る。
と、気のない返事をする娘に、不満そうな母上。

「で、今日はこれから何すると?」
と、尋ねられたので、高校の先輩gitchoさんと
食事に行く旨、正直に伝えました。すると

「えー!!」と大ブーイング。

・・・何?!どした?!

「心優しい人になりなさいって言ったばっかりなのに。
 優しい人の傍におりなさい。って、
 いっつも言いよるのに。」




・・・えー?!
アナタ、自分の子どもの性格を
高校時代の先輩に負わせるつもり?!
先輩もさすがにのりぞうの性格にまでは
責任を持てないと思われます。

ていうか、よくよく考えると(いや、考えなくても)
話の流れ的に、先輩に対して、とても失礼だから!

賢者はベンチで思索する/近藤史恵

2007年06月11日 21時33分44秒 | 読書歴
■賢者はベンチで思索する/近藤史恵
■ストーリ
 ファミレス常連客のあの老人。でも公園のベンチで見かけるときと
 あまりにも印象が違うのはなぜ?ファミリーレストラン「ロンド」を
 舞台に展開する謎の事件。不可思議な老人は21歳の女の子の
 人生に、とても大切なものを与えてくれた。
 それは常識によらず、人を信じる力。
 犬と老人と21歳の女の子が挑むミステリー。

■感想 ☆☆☆☆
 「大」事件ではない。ニュースやワイドショーで取り上げられる
 こともないであろう小さな小さな謎に焦点をあてた作品。
 確かに「大きな」事件ではないけれど、「大きな」事件では
 ないからこそ、そこにある悪意にはぞっとさせられる。

 きっとこの作品で扱われている3つの事件の犯人は
 連続殺人や強盗はしない。なぜなら、それは「いけない」こと
 「ひどい」ことだから。彼らには「してはいけないこと」
 「してもいいこと」という線引きではなく、
 「ここからは」ひどいこと、「ここからは」犯罪、という
 線引きしかないのだと思う。
 その本質とずれた感覚にぞくっとした。

 ちょっとした謎を解決しながら、モラトリアムのヒロインと
 ややひきこもり気味のヒロインの弟は迷い、壁にぶつかりながらも
 少しずつ出口に近づいていく。その様子はまったく劇的では
 ないし、感動的でもないのだが、緩やかな変化だからこそ
 うそ臭くなく、爽やかな気持ちにさせられた。

エトランゼ/2001年春公演

2007年06月11日 21時16分22秒 | 舞台(キャラメルボックス)
■エトランゼ
■ストーリ
 ななえ(坂口理恵)は駆け出しのカメラマン。
 8年間アシスタントを勤めたスタジオを辞め、フリーとして
 活動を開始したばかり。しかし、仕事は思うようには
 見つからず、恋人・八木沢(西川浩幸)との仲もすれ違いがち。
 ある日、ななえのマンションに姉・かずみ(中村恵子)の
 子供たちが訪ねてくる。高校3年生の里奈(岡内美喜子)と
 弟・開(藤岡宏美)。父親が家の階段から落ちて、入院したと言う。
 かずみは病院に付きっきりだし、里奈たちは勉強に専念したい。
 春休みの間だけ、ななえの部屋から予備校に通わせてほしいと
 頼む里奈。しぶしぶ承知したななえだったが・・・。

■感想 ☆☆☆
 DVDの価格が落ちたので、思わず購入しちゃいました。
 こういう価格オチを発見するとテンションが高くなるわー。

 いつものキャラメルテイストとは少々異なる作品。
 優しい甘さのミルクキャラメルではなく
 大人好みのビターテイストのブラックチョコ。
 かなり苦味が効いていてラスト近くまで、胸がぎゅっと
 鷲掴みされているような苦しさを覚えた。

 周囲から男勝りと思われがちなヒロイン真澄は、
 自分自身も強くありたいと願っている。
 どんなにもがいていても傷ついていても、毅然とした態度を
 取り続けようと必死で自分を制御する。
 そんな彼女に容赦なくふりかかってくる現実が痛々しい。
 あきらめきれない夢ときちんと見えているどうにもならない現実。
 自分らしさを貫くために安易な道に行かず、苦しい道を選ぶ彼女は
 「強いですね。」と言われて苦しそうに答える。
 「強くなんかない。
  強くないから、強くなりたいと願うんだ。」

 この場面と冒頭の回想シーンが一番の泣き所だったと思う。
 小さい頃から期待され、その期待にこたえてきた姉と
 期待されることなく、家族の中で疎外感を感じていた真澄。
 彼女の独白シーンが続く冒頭シーンは、彼女が
 「自分らしさ」「自分の居場所」にこだわり続ける「理由」だ。
 家族の中で居場所がなかったから、何も期待されなかったから
 「自分だけのもの」を模索し、こだわり続ける。

 異邦人であり続けた真澄が個展を開く際につけたタイトルは
 「エトランゼ」。意味は「異邦人」。なるほどな、と思った。
 これは、ずっとずっと居場所を探してさまよっていた真澄の
 未来に対する決意なんだと思う。「異邦人」であり続けること
 それこそが、自分の居場所なんだと覚悟を決めたんだと思う。

 正直なところ、他のキャラメルボックスの作品のように
 爽快な終わり方ではないし、完全なるハッピーエンドにも
 ならない。見終わった後もなんとなく釈然としないものが残る。
 「キャラメルらしくない」作品だな、と感じた。
 ヒロインはすごくすごくかっこよかったんだけどね。
 「そこがどんなに居心地悪くても、踏ん張るしかない。
  だって、私が選んだ場所なんだから」
 毅然と宣言するヒロインの姿は今も胸に残っている。

 けれど、ヒロインのカメラマンとしての師匠が強烈に「嫌な人」で
 それも鼻についた。現実世界にはこんな人、たくさんいるのかも
 しれない。けれども、キャラメルの舞台では信念もなく
 こだわりもなく、ただただ性格が「嫌な人」って見たくないな。

 今更ですが「エトランゼ」の意味を知って
 なるほど!「ときめきトゥナイト」の主人公、江藤蘭世の
 名前はこういう由来でつけられたのね!と納得しました。
 本当に今更なんだけど。でも、気付くことができて
 すっごく嬉しい気持ちになりました。