スポーツで技術種目については、形が大切だと思う。
ハンマー投げでは、ハンマーを加速するための条件を満たすために形づくりをする。
胸椎を支点とし、作用点のハンマーまでの距離を最大限にする形である。
両手でハンマーをスイングし、加速するためのターンの入りで回転半径は決まってしまう。
体幹とハンマー(シュロイダーバル)の間にある張り。
張りをもたせたまま、片足局面を迎える。
この時に両足で送り出した(加速)ハンマーを片足(右脚)で追い越す。
ハンマーが遠い軌道を通り、右脚は軸足(左足)の近くを通るので追い越すことができる。
大きな半径(胸椎とハンマー)と小さな半径(左足つま先と左足踵)
右脚は素早く、両足が揃うように動かす。
この時に、左足踵を左足つま先を中心にして素早く戻す。
両足が再び地面に着いた時に、ハンマーは右の方に大きく残っているのだ。
これで、振り切り(加速)の準備ができたことになる。
また、2回転投げであれば、2回転目のターンの準備ができたことになる。
ハンマーと胸椎の間に張りを持たせることは簡単なようで難しい。
本人は投げたくてしょうがないようだったが、ここは我慢である。
ちょうど外が雨天で、屋内の施設が空いていたので練習に時間をかけることができた。
やっているうちに、本人もハンマーヘッドの加速を感じることができるようになってきたようだ。
今から、12年前のお話である。