西赤石山

2010-02-11 01:04:26 | 山行
さて、ようやく本題。

登山道はほんの数十年前まで、禿山だったとは思えないくらいすっかり緑が回復して、いい雰囲気です。
閉山後、植樹等して自然の回復に力を入れたそうで、その効果がしっかり見て取れました。
上りで歩いた谷の右岸は落葉樹が主で、まだ年若い林。
木々は頭上を覆うくらいに背丈を伸ばしていますが、鬱蒼と繁るまでには至らず、非常に明るい道でした。
天気は非常に良い日で、新緑の蓋いを通して光溢れる道行だったことを記憶しています。
とても「きらきら」まぶしくて、復活した木々が枯れ果てていた時、過ごせなかった春を謳歌しているのだと勝手に感情移入させる輝き方でした。

「きらきら」といえば、途中にある湧き水の名がダイヤモンド水。
付けも付けたりダイヤモンド。
地面から太いホースが生えていて、そこから透明な水が勢い良く噴出してます。
確かにきれいな水ですが、思い切ったネーミングだな。
と思ったら、理由がまたしても解説版に書かれていました。
ボーリングして鉱床の有無を確かめていたら、地下水の層に当たり水が湧き出てきたそうで。
その後、掘り進めていた管が折れてしまって、ドリルの先端についていたダイヤモンドの刃が穴に取り残されてしまったそうな。
その穴から噴出するからダイヤモンド水。
ふむ、ならその命名、許して進ぜよう。

さて、登山道は前出の峠、銅山越に近づくにつれて木は少なく低くなっていき、日差しを遮るものはなくなります。
銅山越を右折し、稜線を西赤石山へ向かいます。
途中、特徴ある色の新緑を芽生えさせたカラマツの幼木が見られました。
こんなに南でも生育できるんだ。
大きくなるのだぞ。

視界を遮るもののない稜線を歩いていくと西赤石山山頂に到着です。
稜線途中にあるピークです。
そのまま道を東に進むと東赤石山へと向かいます。
そこを訪れるのはまたの機会に・・。
景色を眺めながら昼食。

西赤石山の見所のひとつは、兜岩から眺める西赤石山北面を覆うアケボノツツジの群落です。
山頂の北の急な斜面を下って、兜岩に行って見ました。
おー、なかなか。
また、イマイチの写真ですみませんが、雰囲気をお伝えしたいので・・



この山行で初めてアケボノツツジを知り、その控えめなのに華やかなピンク色の虜になってしまいました。
以降、春の山行ではアケボノツツジ観賞が目的となることが多々。
この時の咲き加減は、「まだこれから満開になるよ」ってくらい。
ピンク色で埋め尽くされた斜面は、それはそれは壮観でしょうね。
そこは非常に居心地良く、予定より長い時間を過ごしてしまいました。


昔の旅の話。
こんな感じになっちゃいました。
旅した直後だったら、こうは書かないだろうなと思うのですが、印象に残る部分しか書けないので冗長になることは無いのかなとも思います。
その時感じた感慨は経過した時間だけ記憶の器の中で美化という発酵が進み、変質してしまう。
良い思い出というのはそういうものですよね。


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2 コメント

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この頃 (Aちゃん)
2010-02-11 11:39:56
ブログを始めていたらまた違ったブログ記事になるのでしょうが、これはこれで楽しませていただきました。
印象に残ったいくつかの出来事が記憶に止まり思い出を作っているのでしょうね。

ピンクの山で思い出すのが甲府の桃です。
5月の連休時期は桃の花で山をピンク色に染めてしまいます。
遠くからしか見た事がありませんがこの写真で思い出しました。
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桃の花 (よかばか)
2010-02-12 00:04:36
私が見たことがあるのは花桃の花だと思うのですが、桃の花はモコモコプクプクとした咲き方で、また趣が違い面白いですよね。
その時は写真に撮れなかったので、また春にその地に行って存分に撮影したいものですが、今年はどうも難しそうです。
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