酒船石

2024-04-09 06:24:28 | その他旅行き
飛鳥寺の南東に今回もっとも訪れたかった遺跡である酒船石がある。
その手前に近年発見された亀形石造物もあったのでそちらを先に見学。
こちらは有料で300円だったか文化財保存協力金を支払う。
窓口の人がひとしきり遺跡の説明をしてくれた。
見学者が少ない時だけなのかもしれないが、何度も同じ説明ができるって、史跡好きなんだな。
亀形石造物は亀の甲羅を逆さまにしたような形の石が水を受ける仕組みで、祭祀に使用したのだろうと推測されている。
遠くからしか見れないので満足度は今ひとつだった。



酒船石は亀形石造物の後ろの山というか丘の上にあった。
こちらだけ見るなら無料のようだ。
竹林の中にポツンと巨石が置いてある。
手前側にタガネの跡があり、その昔誰かが石の一部を割って持っていったようだ。
岩の上面はほぼ平らで、窪みが幾つかと窪みを繋ぐ水路のようなものが彫られている。
何に使用されたか詳細は不明。



この酒船石の存在は子供の頃知った。
手塚治虫の漫画で「三つ目がとおる」というのがあって、この酒船石が出てきたのを読んだのだ。
具体的な内容は忘れたが、主人公の写楽少年は古代文明の知識を持ち、この石が何に使用されていたか知っていて、酒船石の溝と傾斜を利用してなにやら怪しい液体を作るのだ。
「三つ目がとおる」のその他のお話は忘れてしまったが、この話のその部分だけは覚えているから、よほど印象に残ったのだろう。
実在する石だと言うので、当時見てみたいと想像を膨らましたのを思い出した。
実物は想像していたとおりの大きさで、薄暗い竹林内にあるので怪しさも漂って、時空を超えた出会いを演出してくれた。